Totally Accurate Battle Simulatorは、勝てる軍隊を組んで結果を確認するゲームに見える。しかし、公式が前面に出すのは兵士たちのグダグダな物理演算であり、赤と青の兵士が思い通りに動かないことまで含めて戦闘を眺めるシミュレーションだ。勝敗を最短で決めたい人と、予想外の転び方や組み合わせを笑いたい人では、同じ画面の評価が変わる。Steamの評価ラベルは圧倒的に好評だが、この違いを消してはくれない。
戦闘を解くより、戦闘が起きる条件を作る
公式説明では、古代の国々、不気味な場所、ファンタジーの世界から来た兵士を指揮し、戦闘を眺める。詳細説明には100種類以上の兵士、キャンペーン、サンドボックス、ワークショップ、ユニットや勢力のクリエーターが並ぶ。プレイヤーが細かく操作して勝つというより、誰をどこへ置き、どんな相手とぶつけるかを決めたあと、シミュレーションの結果を見る構造が中心になる。
1時間の好評投稿者は、ガンマン対海賊や侍対中世の騎士などを挙げ「様々なシチュエーションでの戦闘シュミレーションをやってみることができるで。」と書く。異なる時代や役割を組み合わせる発想そのものが遊びになる人には、兵士を置く前の想像から楽しめる。反対に、編成を決めたらその通りの成果を出したい人は、物理演算の不安定さを面白さではなくノイズと感じるかもしれない。
配置の工夫と、結果の揺れをどう読むか
10時間の好評投稿者は、失敗した戦闘をもう一度再生すると「一度再生して失敗して、もう一度再生すると同じ結果とは限らない。攻撃判定や動きもある程度AIや確率任せである。」と書いている。同じ配置でも結果が揺れるという本人の観察は、毎回まったく同じ答えを再現するパズルとは違うことを示す。負けたときに兵種や配置を変えて試す余地はあるが、勝因を一つに固定しにくい。
この揺れを肯定する声だけではない。8時間の低評価投稿者は「最善の編成を見つけても勝てるかどうかは運に左右される」と述べ、77時間の別の投稿者も「戦略性も何も無いステージで戦わされるのは辛かった。」と書く。両方を合わせると、TABSの判断は戦略性の有無を一言で決めることではなく、結果が揺れる状況でどこまで仮説を立て直せるかにある。厳密な正解を探す遊びを求めるなら、運の余地は不満になりやすい。
キャンペーンは入口、サンドボックスは別の目的
用意されたキャンペーンは、限られた兵士や条件のなかで勝ち筋を探す入口になる。公式説明は、ステージを進めるキャンペーンと、自由に戦闘を組むサンドボックスを別々の機能として案内している。さらに自分のユニットや勢力、キャンペーン、バトルを作り、ワークショップから他人のコンテンツを扱える。勝てる編成を覚えることが目的ならキャンペーン、あり得ない対戦を作って結果を眺めることが目的ならサンドボックス、という住み分けで考えると選びやすい。
4時間の好評投稿者は、キャンペーンのステージ数を評価しつつ「自分でもステージを作れるのも良し。後は、おバカな見た目と声も割と気に入っている。」と書く。65時間の投稿者も、サンドボックスで兵士を適当に戦わせるだけで暇つぶしになると述べる。ここでいう適当は手抜きではなく、結果を観察して次の組み合わせを思いつくための遊び方だ。逆に、用意されたキャンペーンだけを濃い戦略ゲームとして進めたい人は、自由制作の幅を使わないまま単調さにぶつかる可能性がある。
マルチプレイは、笑いを共有するための追加線
Steamのカテゴリにはマルチプレイヤー、PvP、オンラインPvP、Remote Play Togetherがあり、公式詳細にも友達や他のプレイヤーと戦えるとある。対戦相手がいることで、奇妙な兵士や予測しにくい物理の結果を共有できる。ただし、オンライン対戦があることは、競技として公平な結果だけを返すことを意味しない。本作の売りである揺れを、相手と一緒に笑えるかが大切だ。
マルチプレイを選ぶなら、相手と結果の揺れを笑えるかを先に決めたい。オンライン対戦やRemote Play Togetherがあることは、同じ時間に遊ぶ相手が用意されることとは別だ。奇妙な兵士の組み合わせを試す目的なら、勝敗を詰めるよりも、相手と同じ結果を見て次の編成を考える時間を確保する方が大切になる。
PC環境は、ゲーム側の要件と分けて見る
WindowsとmacOSに対応し、ゲーム側の最低要件欄は64ビットOS、Windows 7、Intel Core i5-2400またはAMD FX-6300相当、8GB RAM、GTX 670またはR9 270相当、DirectX 10、4GBの空き容量だ。この欄は現行Steam Clientの利用条件とは別なので、Windows 7表記を現在の起動保証とは読まない。部分的コントローラー対応も掲載されているため、入力方法とPC環境を購入前に確認したい。価格は変動するので、現在のSteamストア表示を見て判断する。
キャンペーンかサンドボックスかを先に選ぶ
購入前に決めるべきなのは、戦闘に勝ちたいか、戦闘を作りたいかだ。キャンペーンを選ぶなら、限られた兵士や条件のなかで配置を考え、揺れる結果を受け止めながら次のステージへ進む。サンドボックスを選ぶなら、時代の違う兵士を組み合わせ、自作のユニットやバトルを試し、ワークショップのコンテンツまで含めて遊び方を増やせる。
前者だけを求めて運の揺れを許容できないなら、物理演算を魅力として掲げる本作との距離を先に測りたい。後者なら、勝敗が崩れる瞬間こそ次のアイデアになる。TABSは戦争を精密に再現する作品ではなく、キャンペーン攻略とサンドボックスの実験を同じ兵士で切り替える場所だ。どちらを入口にするかを決めてから、現在のSteamストア表示とPC環境を確認すれば、評価の高さだけに自分を合わせずに選べる。






