
Wuthering Waves
開発: KURO GAMES発売: KURO GAMES無料
PlayNext レビュー
空から降り立ったその瞬間から、世界は動き始める。『Wuthering Waves(鳴潮)』は、記憶を失った「漂泊者」としてソリスの大地に目覚めるところから始まる無料オープンワールドアクションRPGだ。荒廃した文明の残骸と新たな生命が共存する世界で、プレイヤーは「共鳴者」と呼ばれる特殊な能力者たちと出会い、失われた自分自身の物語を探していく。このゲームを語るうえで外せないのは、まず「動かすこと自体が気持ちいい」という体験の純度の高さだ。移動、回避、攻撃——その一つひとつに磨き上げられた手触りがあり、UIを開くよりも先に体が動いている。
## 爽快感の正体
鳴潮の爽快感は、戦闘だけにあるわけではない。フィールドでの移動そのものが、このゲームの快楽の大きな柱を担っている。壁を駆け上がり、空中でダッシュし、グライダーで滑空し、水面を走る——アクションゲームとして考えられる「自由な移動」のほぼすべてが初期状態から解放されており、プレイヤーはソリスの起伏ある地形を縦横無尽に駆け抜けることができる。
同じ無料オープンワールドRPGとして比較されることの多い『原神』と並べたとき、最も差が出るのがこの移動体験だ。原神のスタミナ管理を意識した慎重な移動とは異なり、鳴潮では移動コストへのストレスが少なく、常に「次の場所へ跳んでいける」という感覚がある。探索の途中で「あそこに行きたい」と思ったとき、その衝動を殺さずに済む設計になっている。
## 剣戟の手触り
戦闘システムは、「パリィ(回避カウンター)」と「コンチェルト」というふたつの軸を中心に組み立てられている。敵の攻撃を直前に回避するとカウンター攻撃が発動し、それをつなげることでキャラクター固有の「コンチェルトゲージ」が溜まっていく。このゲージを消費することで、強力な固有スキルや、次に控えるキャラクターへの引き継ぎボーナスが発動する仕組みだ。
表面上は似たように見えるが、実際に動かすと『崩壊:スターレイル』のようなターン制とは全く異なる感触がある。むしろ『Devil May Cry』シリーズに近い「いかに格好よく敵を崩すか」というアクションゲームとしての問いかけが、このシステムの底に流れている。ただし、難易度設定で簡略化もできるため、アクションゲームに不慣れなプレイヤーでも進めることは可能だ。とはいえ、コンテンツ後半の高難易度コンテンツ「幻境」や「深境」ではある程度の操作精度が求められる。反射神経に自信がない人は、最初は慣れるまで時間がかかる点は正直に伝えておきたい。
## パーティ編成の自由度
パーティは3人編成で構成され、戦闘中にリアルタイムで切り替えながら戦う。各キャラクターは「氷」「炎」「電気」「風」「光」「闇」「中立」といった属性を持ち、属性間の反応ではなく、キャラクター固有のコンチェルトの組み合わせによって「共鳴チェーン」が発動する。同じ属性を揃えると一定のバフが入るが、それ以上に「どのキャラクターのコンチェルトが次のキャラクターを活かすか」という連携の設計が問われる。
無課金・微課金でも常設の入手手段があるキャラクターが一定数おり、育成リソースの配分を考えることで複数のパーティを実用水準に保つことは現実的だ。ただし、ガチャの天井システムや恒常/期間限定の分離など、同ジャンルのゲームに慣れたプレイヤーには馴染みやすい構造になっている一方、初めてこの種のゲームに触れる人には課金誘導の仕組みが分かりにくく感じる場面もある。「好きなキャラクターを無理なく使い続けたい」と考えるなら、育成リソースの優先順位付けは早めに意識しておいた方がいい。
## プレイ環境の目安
PCでプレイする場合、推奨スペックはGTX 1060以上・RAM 16GB程度が目安となる。グラフィックの品質とパフォーマンスのバランスを調整するオプションが充実しており、ミドルレンジのPCでも十分に遊べる設計になっている。コントローラーは部分的なサポートに留まるため、完全な対応を期待すると一部操作でもどかしさを感じる可能性がある。特にメニュー操作やマップ操作はマウス・キーボードの方がスムーズな場面が多い。
ストーリーの分量は多く、メインクエストだけでも相当な時間を要する。サブクエスト、探索、日課コンテンツを含めると、腰を据えてプレイできる環境が必要だ。デイリータスクによるスタミナ消費型の成長設計があるため、「毎日少しずつ」という接し方が長期的に無理なく続けられる向き合い方といえる。
「何度でも動かしたくなる」という感覚をゲームに求めるなら、鳴潮はその基準を確かに満たしている。フィールドを駆ける爽快感と、戦闘の積み上がる手応えが組み合わさったとき、このゲームは単なる「無料で遊べるオープンワールド」という以上の体験を提供してくれる。
スクリーンショット











