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Million Depth

Million Depth
key visual / steam

批評

「次に何をプレイするか」という問いに、ゲームが答えてくることはほとんどない。しかし Million Depth は違う。少女モマが「キミ」という人物を追い求め、100万階層の地底世界へと落ちていく——この設定を聞いた瞬間、何かが引っかかった。「墜ちていく」という言葉が、単なるダンジョン探索の比喩ではなく、物語の構造そのものに組み込まれている気がして。実際に手を動かしてみると、そのカン通りだった。本作は「時間停止バトル」と「武装クラフト」と「並行世界」という三つの要素を、ひとつの体験として融合させることに成功した、珍しいインディーゲームだ。

刹那が積み重なる——時間停止バトルの手触り

本作の戦闘の核心は「時間を止めながら考える」ことにある。敵が動き出す前に行動を選択し、その結果を見届ける。これだけ聞くと Into the Breach のようなターン制ストラテジーを想像するかもしれないが、感触はもっと直感的だ。時間停止はあくまでプレイヤーに「考える余地」を与える装置であり、操作そのものはアクションゲームに近い手応えを持つ。

たとえば敵が複数絡み合う場面。時間が止まっている間に射線を確認し、クラフトした武装の射程と属性を頭の中で組み合わせ、最善の一手を選ぶ。時間が流れ出した瞬間、その計算が「当たった」ときの気持ちよさは、純粋なアクションゲームの反射で得られる爽快感とは異なる種類のものだ。思考が結果として現れる爽快感——これが本作のリズムを作っている。

Hades のように手を動かし続ける爽快感を求めると少し肩透かしを食らうかもしれない。本作はもう少し「読む」ゲームだ。しかしその分、一つひとつの判断が積み重なっていく達成感がある。

武装クラフトの深さと試行錯誤

墜下を進めながら素材を集め、武装を組み上げる。この「自分だけの武装」というコンセプトが、単なるビルド構築に終わらないのが本作の面白いところだ。武器のパーツを組み合わせる過程で、プレイヤーのスタイルそのものが形成されていく感覚がある。

遠距離主体で時間停止中に安全地帯を確保するスタイルも、近接特化で敵の懐に潜り込むスタイルも、どちらも成立する設計になっており、試行錯誤の余地が広い。特定の正解ルートを強いられるのではなく、「この素材がここで手に入るなら、あの構成を試してみよう」という発想の自由さがある。

Slay the Spire のようなカードビルドゲームが好きな層には、この「構成を育てていく」感覚が刺さるはずだ。ただし本作のクラフトはカードほど情報が整理されておらず、最初は何が何に影響するか把握しにくい側面もある。この「分かりにくさ」をシステムの深みと取るか、インターフェースの不親切さと取るかで評価が分かれるだろう。

並行世界の交差が語るもの

物語の層も見逃せない。モマが墜ちていく「ミリオンデプス」は、単一の地底世界ではなく、並行世界が重なり合う構造を持つ。プレイを進めるにつれ、「キミ」という存在の輪郭が少しずつ、しかし確実に変化していく。

直接的な説明を避けた断片的な語り口は、Hades の神話的叙事詩とも、Hollow Knight の廃墟の残像とも異なる。もっと内省的で、個人的な声がある。モマが追い求める「キミ」が何者なのかを考えながら階層を下りていく体験は、ゲームプレイの緊張感と静かに共鳴している。

こういう人に届いてほしい

¥1,496 というインディー価格に見合う体験かどうかという問いへの答えは、プレイヤーの嗜好に依存する。時間停止という仕組みを「快適な難易度補助」ではなく「戦術設計の時間」として楽しめる人なら、本作の密度に十分な手応えを感じるはずだ。

一方で、直感的なアクションの爽快感を求める人、クラフト情報の不透明さにストレスを感じやすい人には、入口のハードルが少し高いかもしれない。ただしその壁を越えた先に、100万階層という言葉通りの「深さ」が待っているのも確かだ。思考とアクションが同じ一手の中に共存する、珍しい体験をぜひ味わってほしい。

プレイヤーの声

追記:クリアしました。名残惜しい…終わったのか…という気持ちになりました。 クリア後のモード追加や回収要素でもまだ終わらないことができる…!嬉しい。 2回潜った時点での感想です! めっちゃ伏線が丁寧だこのゲーム…!楽しい…!! 物語が素晴らしい、そして魂ゲーム内移行型プレイヤーとしては、探索してる感覚が強くて嬉しい、没入感がすごい!戦闘楽しい! 私でも覚えていられる1周の長さ、難しいけど理解できるお話の組み立て、これは;;あと深い;; 続きを早く遊びたい…!
▲ recommended·played 24h
簡単。キャラかわいい。敵の攻撃よけるの楽しい。攻撃方法おもろい。 朝の光の中でああああああああー。まあ見えないんですけど。
▲ recommended·played 2h
材料の入手性やダメージ、使い安さの観点からだいたい毎回決まった武器を作りがち(あるいはトゲ付き鉄塊で殴ることになりがち) しかし大変よいゲームだった
▲ recommended·played 11h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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