
三國志8 REMAKE
ROMANCE OF THE THREE KINGDOMS 8 REMAKE
開発: KOEI TECMO GAMES CO., LTD.発売: KOEI TECMO GAMES CO., LTD.¥10,780
PlayNext レビュー
「次に何をプレイするか」を悩む前に、まず「誰として生きるか」を選ぶ。三國志8 REMAKEは、歴史シミュレーションというジャンルの枠組みを借りながら、その実態はひとりの武将の一生を追う「人生体験ゲーム」だ。曹操として天下統一を目指すのではなく、無名の武官として各地を流浪し、主君を求め、縁組み婚を重ね、気づけば数十年が経っていた——そんな体験が、このゲームの核心にある。オリジナルから20年を経てリメイクされた今作は、武将の数800人超という規模感はそのままに、現代的なUIと追加要素でその「人生劇場」を再演する。
## 武将の人生を生きる、という手触り
ゲームを起動して最初にすることは、プレイする武将の選択だ。君主・将軍クラスはもちろん、史書にほぼ名が残らない無名の若武者まで選べる。ここで「趙雲でいいや」と有名武将を選ぶのも良いが、この作品の面白みはむしろ「聞いたことのない武将を選んで、自分だけのドラマを作る」ところにある。
ゲームプレイは大きく分けて、個人行動と軍事行動の二層構造になっている。配下として仕えているなら、主君から命じられた任務をこなしながら、個人の時間で名声を上げたり他の武将と交流したりする。名声が上がれば任される仕事も変わり、縁組みの話が来たり、ライバルに嫉妬されたりと、役職が上がるにつれてドラマが複雑になっていく。戦場では「戦法」を使った個人武勇の描写もあり、単純な数値比較だけでなく、武将同士の絡みが演出される。
ただし「手触り」という意味では、快適とは言い難い部分もある。マップ移動のテンポが遅く感じる場面があり、繰り返しのターン処理で時間が間延びする。これは光栄の歴史シミュの宿痾でもあるが、リメイクで大幅に改善されたとは言えない。時間制限なしでじっくり戦略を練りたいプレイヤーには問題ないが、サクサク進めたい人には合わない。
## 信長の野望・蒼天録との比較、そして本作の立ち位置
三國志シリーズの中でも8は「個人プレイ要素」の強さで独自の位置を占める。同じKOEIの信長の野望シリーズで言えば、「蒼天録」や「創造」に近い方向性——大名(君主)視点の国家運営より、個の武将の成長と人間関係を軸にした設計だ。
他社タイトルと比べると、Total Warシリーズとは方向性がまるで違う。Total Warは戦術マップでの戦闘リアルタイム操作が魅力の中心だが、三國志8 REMAKEの戦闘は自動解決かシンプルな個人戦レベルであり、戦術的深みを求めるプレイヤーには物足りない。一方、Crusader Kings IIIに近い「人物の相関と人生の積み重ね」という楽しみ方は、このゲームの方が歴史的文脈(三国志という巨大な物語)を活かした体験として成立している。
三国志ファン——つまり演義や正史を読んだことがある人——が、知っている武将の「もしも」を試すには、これ以上適したゲームはほぼ存在しない。
## こういう人は合わないかも
正直に言うと、このゲームはかなり人を選ぶ。
まずグラフィックとUIの現代的な洗練を期待すると、肩透かしを食らう可能性がある。リメイクとはいえ全体的なテイストはクラシックな光栄作品の延長線上にあり、2024年のゲームとして見ると古風に映る部分がある。
次に「戦略ゲームとして深く遊びたい」人にも向いていない。国家単位の運営シミュレーションとしての深みは、同時期の作品と比べて薄い。経済運営・内政の細かさを求めるなら、三國志14や信長の野望・新生の方が充実している。
また「短時間でサクッと遊べるゲーム」を求めている人にも不向きだ。一武将の人生を追うには最低でも数時間、シナリオ完結まで遊ぶには十数時間単位の投資が必要になる。特に史実の結末に向かってゆっくり時代が動く後半は、人によっては冗長に感じる。
ストーリーの「密度」よりも「広がり」に価値を置けるかどうか、これが合う・合わないの分岐点だ。
## 価格に見合う体験か
¥10,780というのは、光栄のタイトルとしては標準的だが、単純な「ゲームのボリュームと価格」のコスパ論では測れない作品だ。
800人を超える武将のうち、プレイする武将を変えるたびに物語の色が変わる。孫策として覇道を歩む体験と、その宿敵側の武将として追われる体験は、ゲームシステムは同じでもドラマとして全く異なる。これを「リプレイアビリティが高い」と言うこともできるし、「どれも同じ繰り返し」と言うこともできる——どちらの感想も正しい。
三国志という物語への愛着、歴史上の人物の「人生を生きてみたい」という欲求がある人にとっては、定価での購入も十分に正当化できる体験がある。登場武将のドラマを掘り下げる「個伝」イベントも充実しており、知識があるほど発見が多い。
逆に「三国志は名前しか知らない」「歴史ゲームに初挑戦したい」という人には、同価格帯の選択肢として三國志14や信長の野望シリーズの方が導入として機能しやすい。
20年越しのリメイクが届けるのは、時代に追いつこうとする最先端の体験ではなく、それでも色褪せない「武将として生きる」という体験の再演だ。それを受け取れるかどうかが、このゲームの価値を決める。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 281時間
当初は不評だったので買い控えていたが、実況動画が面白かったので購入してみた。 どうしても単調な部分はあるにはあるものの、転機システムでそれなりに変化に富むようになっている。 資金を簡単にカンストできるようになったり、ステータスアップが容易になったりと、大味といえば大味だが、ストレス要素が解消されたと思えば悪くない。 買って損ではない。
👍プレイ時間: 424時間
SLGっていうより育成RPGの方がしっくりくると思う ロールプレイが好きなら、脳内補完しながら延々遊べる 立志伝系が好きならお勧め
👍プレイ時間: 722時間
KOEIの三国志の初心者にオススメの一品。やったことがない、これから全作品をやるという人は、まずはこちらから。ただし、マニアには物足りない作品です。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











