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Star Conflict

Star Conflict
key visual / steam

批評

15,220件のレビューのうち好評は72.6%、評価ラベルは「Mostly Positive」。Star Gem Inc. が開発し Gaijin Network Ltd が配信する基本プレイ無料の宇宙戦闘シムは、2013年2月27日の発売から10年以上サービスが続いている。ただし、このゲームを買う――正確には入れる――かどうかを決めるうえで、好評率より先に見るべき数字がある。Steam の実測値で同時接続26人。そしてこの人口の薄さは、否定側だけでなく肯定側のレビューにもはっきり書き込まれている。1時間プレイのレビュアーは推奨に票を投じておきながら、良い点として「+なかなか良いグラフィック」「+3Dシューティング初心者でも簡単にできる操作性」を挙げた直後に「-過疎」「-過疎」「-過疎」と3行並べ、「-人が多いはずの初心者マッチですら4分待ち」と書いている。褒めている人と貶している人が別のことを言っているのではない。同じ一つの事実を、許せるかどうかで分けているだけだ。

宇宙であることを操作系まで押し切った船

まずゲーム本体の評価は、プレイ時間の長い層でおおむね安定している。1,202時間のレビュアーは機体の挙動をこう説明する。「普通の戦闘機じゃ無理な前後左右上下のから完全停止まですることができ、上下の概念も無いなど機体のマニューバは宇宙であることを活かしている。」同じレビュアーはシールドとアーマーの二層構造にも触れ、「ダメージさえ受けなければシールドが回復するので引くことを覚えれば初心者でも割と戦える。」と書く。撃ち合いの上手さより、引き際の判断で生き死にが決まる設計ということだ。

5時間の短時間プレイヤーの感想も方向は同じで、「動作も軽くてシンプルでスペックの低いPCでもサクサクできる」「昔のエースコンバットをやってるみたいでやってて楽しい」としたうえで、「宇宙なので停止状態や逆進しながら旋回もできるのでただひたすらにお互いに追い掛け回すだけにならないがいい」と、空戦ゲームとの差分を的確に言い当てている。1,139時間のレビュアーが残した「グラフィックは最高。」も含め、無料タイトルとしての第一印象は総じて良い。

奥行きもある。527時間のレビュアーは「最初は対戦ゲームのPvPと、モンハン同様に『クエスト』こなすPvEが主流だが、ランク6の機体入手してから『Un Dock』で EVE online 的なオープンワールドがプレイできる。」と、PvP/PvE の先にサンドボックスが控えていることを書き残している。

同時接続26人が意味するもの

問題は、その設計が人を必要とすることだ。同時接続26人という数字は特定時点のスナップショットにすぎないが、レビュー側の実感とも食い違わない。前述の527時間のレビュアーも「マッチングに関しては、シナリオモードぽいPvEの過疎率は高いため、共闘系プレイヤーをどれだけこのゲームに呼び込めるかが鍵。」と課題として名指ししている。5時間のレビュアーの「マッチングするまでに3分くらいは待つ必要があるかもしれない」も、待ち時間が前提であることの裏返しだ。

ただし、待ち時間の全部が人口のせいとは限らない。168時間のレビュアーは「マッチングは、ゲーム内設定でマッチング範囲を無制限にすれば解決します(デフォルトはSouth Asia限定)。」と、初期設定が地域を絞っていることを指摘している。一方で範囲を広げれば別の代償が出たという証言もある。291時間で非推奨に投じたレビュアーは「ゲームとしては面白いもののロシア鯖のpingが非常に高く、マッチングでロシア鯖に当たった場合ゲームにならない。」と書き、運営に問い合わせた結果まで残している。マッチング範囲は、待つか、遠い鯖を引くかのトレードオフだったということだ。ただしこの証言には「2018/3 追記」とあり、10年以上運営が続いている作品の、かなり古い時点の話である点は割り引いて読む必要がある。前述の設定周りの記述も投稿時期が分からない。別の1時間のレビュアーが自分の書いた内容に「3年経った今は状況が変わっているみたいだな…」と追記しているとおり、この手の設定と回線の話はレビューが陳腐化しやすい領域で、現在の攻略情報としてそのまま使えるとは限らない。冒頭の1時間のレビュアーが推奨側に残した「人が居れば楽しいんだとは思う。」「ゲーム自体は悪くない。ただ過疎がキツすぎてまともにプレイできない」という二文が、この作品の状態を最短で言い切っている。中身への評価と、遊べるかどうかは別の話になってしまっている。

課金と時間、どちらを払うか

無料の代償は、もう一つ別の場所にも出る。7時間で離脱したレビュアーは「ちょっと触っただけで課金ゲーだと思った」とし、理由を「毎回消費されるアイテムすら課金装備がある時点で」と挙げている。消耗品にまで課金版があるという構造への拒否反応だ。ただ同じ構造を168時間のレビュアーは「課金要素はいっぱいありますが、無課金でもゲームバランスなどで不満を感じることはないです。」と評価している。この不満は強さの格差というより、課金導線が視界に入り続けることへの生理的な嫌悪に起因していて、ソーシャルゲーム的な設計に慣れている人ほど気にならない部類だと言っていい。

代わりに無課金が払うのは時間だ。291時間のレビュアーは「tier6あたりからレベリングのマゾさがにじみ出てくるので覚悟しよう」と書き、1,101時間という膨大な時間を注ぎ込んだうえで非推奨に投じたレビュアーは「強敵の集団に一方的に叩き潰されるだけのクソゲー」と断じている。同じレビュアーが「これでもPvEミッションで敵の湧き具合が適正なうちは楽しい。」と付け加えているのが示唆的で、面白さの芯は認めたまま、そこへ至る調整の粗さに擦り切れた形だ。レビュー投稿者がこのゲームを遊んだ時間の中央値は約74時間。ただしこの数字は平均的な滞在時間を表していない。1,000時間を超える投稿者が何人もいる一方で、1時間から7時間で書き終えた投稿者も同じくらい並ぶ。刺さった人は何年も居座り、合わない人は数時間で去る——中央値の裏にあるのはその二極化で、自分がどちらに落ちるかは短時間で分かる。

待ち時間を許せる人だけが入口を通れる

向くのは、宇宙空間での機動そのものが目的の人だ。三次元の慣性と完全停止を扱える空戦ゲームは今も多くなく、そこに100隻以上の艦とモジュール構成の自由度が乗る。無料である以上、合うかどうかは入れて確かめられる――試すコストがゼロなのは、この作品の最大の強みと言っていい。

向かないのは三種類。すぐ試合が始まらないと冷める人は、地域設定を直しても待ち時間から逃げられない。課金導線が視界にあるだけで萎える人は、7時間で離脱したレビュアーと同じ側に落ちる。そして言語の壁も無視できない。2時間のレビュアーは「まったく英語ができないとこのゲームはつらいかも?」と書いたうえで、「一番やりたかった領地戦には会社(ギルドのようなもの)に入らなくちゃいけないのでやれてない」と、コンテンツの一部に手が届いていないことを認めている。3時間で非推奨に投じたレビュアーの「面白くはあるんだが、アルアルな「ちょっとなぁ」が割と多いので、評価は低いし人には薦められない。」という一文が、この作品への最も正直な評価かもしれない。同じレビュアーが「ただ、デザインは結構好き。」と続けているのも含めて。

スクリーンショット

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