
The First Descendant
開発: NEXON Games Co., Ltd.発売: NEXON無料
PlayNext レビュー
「次のボスを倒したら終わりにしよう」——そう思いながら気づけば3時間が経過している。The First Descendantとはそういうゲームだ。無料で始められるルートシューターでありながら、エンドコンテンツの深さとキャラクター育成の複雑さはガッツリ課金型のタイトルにも引けを取らない。基本無料という入口の低さに油断して触れ始めると、気づいた頃には深みにはまっている。
ゲームの核心は「ボスを倒してドロップ品を集め、キャラクターを強化し、より強いボスに挑む」というループだ。ただしこのループが非常に洗練されており、単調さを感じさせない工夫が随所に施されている。プレイヤーは「ディセンダント」と呼ばれる特殊能力を持つキャラクターを操作し、エイリアンの侵略から世界を守るために戦う。各キャラクターはユニークなアビリティセットを持ち、タンク役、範囲攻撃特化、バフ/デバフ担当など、役割が明確に分かれている。このキャラクター選択がビルド構築の起点となり、ゲーム全体のやり込みの柱になっている。
操作感は非常に快適で、Unreal Engine 5の恩恵を存分に受けたなめらかな動きが気持ちいい。サードパーソン視点でのガンアクションは重量感があり、敵への命中フィードバックも明確だ。ジャンプや回避のレスポンスも優秀で、空中から敵の弱点を正確に狙うプレイスタイルが気持ちよく決まる。アビリティはリアルタイムに使用でき、銃撃とスキルを組み合わせたコンボが自然に生まれる設計になっている。特に高火力ビルドが完成したときの爽快感は格別で、画面を埋め尽くすほどの数の敵を一掃するシーンは視覚的な満足度が高い。
ビジュアル面では、UE5の能力を活かした美麗なグラフィックが目を引く。廃墟と化した都市、深海を思わせる異次元空間、壮大な雪山など、ステージのバリエーションも豊富で飽きさせない。特にボス戦の演出は力が入っており、画面全体を使った巨大ボスとの対峙は迫力満点だ。サウンドデザインも秀逸で、武器ごとの発砲音の違いや爆発音のインパクトがプレイの没入感を高める。BGMはアクションシーンで盛り上がりを演出しつつ、探索中は落ち着いたトーンに切り替わるなど、状況に合わせた演出が丁寧だ。
世界観は近未来SF寄りで、人類が異星人「コラス」の侵略に抵抗するというプロットを軸に展開する。各ディセンダントには固有のバックストーリーがあり、メインシナリオと絡み合いながら人間ドラマが描かれる。ストーリーの密度はルートシュータージャンルの中では高い部類で、キャラクターへの愛着を育てる工夫がある。ただし全体のボリュームはそれほど長くなく、メインクリアよりもエンドコンテンツへの移行が本番という印象だ。
同ジャンルの代表作と比較すると、Destiny 2との共通点が多い。どちらもキャラクタービルドの深さとボス攻略が軸だが、The First Descendantはより視覚的な派手さと間口の広さを重視している印象だ。Warframeと比べると育成の複雑さは控えめで、ストーリーとビジュアルに力が入っている。Borderlands系と比較すると笑いや皮肉のトーンはなく、シリアスな雰囲気が強い。無料プレイという点ではWarframeに近いビジネスモデルを採用しているが、基本的なゲームループは課金なしで十分楽しめる設計になっている。
プレイ時間の目安として、メインストーリーをひと通りクリアするまでに30〜40時間ほど。しかしこのゲームの本番はその後で、各ディセンダントのマスタリー解放、コロッサスと呼ばれる強力なボスへの挑戦、高難度コンテンツへの参加と、やり込み要素は数百時間分以上ある。特定キャラクターのドロップ素材を集めてアンロックするシステムは時間がかかるが、目標が明確なため達成感も大きい。
注意点として、ガチャ要素やバトルパスなどのマネタイズ要素は存在する。コスメティック中心で戦力差は生まれにくい設計だが、特定の新キャラクターや武器を早期入手するためにはある程度の課金が現実的な選択肢になる場面もある。また序盤はチュートリアルが多く、システムの全容が見えるまでに時間がかかるため、最初の数時間で判断するのは早計だ。マルチプレイを前提とした設計のため、ソロでエンドコンテンツをこなすには壁を感じる場面もある。
「Destiny 2に興味があるけど月額は払いたくない」「Warframeはとっつきにくそう」という人には特に刺さる一本だ。協力プレイで友人と一緒に強ボスを攻略する体験は非常に楽しく、無料で始められる気軽さも大きい。一方で、シングルプレイのナラティブ重視のRPGを求めている人や、ガチャ・育成システムに抵抗がある人には合いにくいだろう。ルートシュータージャンルへの入門作として、あるいは空き時間に仲間と協力プレイを楽しむゲームとして、費用対効果は間違いなく高い。
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