
Supermarket Simulator
開発: Nokta Games発売: Nokta Games¥2,300
PlayNext レビュー
スーパーマーケットを経営する、と聞いて「棚に商品を並べて、レジで会計するだけでは?」と思うかもしれない。しかし Supermarket Simulator の核心は、そんな単純な作業の積み重ねが、気づいたら数時間溶けているという不思議な中毒性にある。朝9時の開店前に慌てて棚を補充し、客が押し寄せる昼のピークをどうさばくか頭を悩ませ、閉店後に帳簿を眺めながら「今日はなぜ赤字だったのか」を分析する——この日々のルーティンが、妙にリアルで妙に楽しい。
ゲームの基本的な流れはシンプルだ。オンライン市場や街の地元市場から仕入れた商品を、倉庫から棚へ運んで並べる。価格を設定し、来店した客のカートを会計し、売れた分をまた発注する。最初は自分一人でこれをこなすわけだが、店が小さいうちはなんとかなる。問題は店舗を拡張し始めてからだ。棚の数が増え、取り扱いカテゴリが増え、客の数も増える。一人でレジに張り付いていると棚が空になり、棚を補充していると客が列をなしてレジで詰まる。このジレンマを解消するためにスタッフを雇い、仕事を割り振る流れになるのだが、スタッフ管理もまた一筋縄ではいかない。誰にレジを任せ、誰に補充を担当させるか——小さなマネジメントゲームとして機能しているのが面白い。
操作感はやや大味で、商品を棚に並べる作業は手作業でひとつひとつ置いていく形式だ。最初は「これは面倒では?」と感じるかもしれないが、この手間こそがゲームの手触りになっている。棚がきれいに埋まっていく達成感、商品の配置を工夫して客動線を改善する試行錯誤、価格設定を変えて利益率が上がる瞬間の気持ちよさ——どれも「作業」が報酬に直結しているからこそ意味を持つ。テンポは全体的にのんびりしており、SimCity や Planet Coaster のようなマクロな経営判断よりも、もっとマイクロな、体を動かすシミュレーションとして楽しめる。
ビジュアルはローポリで親しみやすいカジュアルな3D表現を採用している。リアリティを追求した映像美とは無縁だが、商品パッケージのデザインや店内の雰囲気は十分に「スーパーっぽさ」を演出している。BGMは控えめで、スーパーらしい環境音——客の足音、カートの音、レジの音——が作業中の集中を邪魔しない。長時間プレイしても疲れにくいサウンドデザインは好印象だ。
世界観に深いストーリーはなく、主人公がなぜスーパーを始めたかも語られない。ただ、街の一角に自分の店があり、毎日客が来て、少しずつ店が大きくなっていく——その「成長している感覚」がこのゲームの物語だ。最初は2列しかなかった棚が、気づけば店内を埋め尽くし、品揃えも野菜から電化製品まで広がっていく。それを眺めたとき、プレイヤーは自分が積み上げてきたものの重さをじんわりと感じるはずだ。
同ジャンルとして真っ先に比較されるのは「Gas Station Simulator」や「Farming Simulator」だろう。前者と比べると Supermarket Simulator はスケールアップの感覚が顕著で、店の規模が目に見えて変わっていく達成感は強い。一方、Farming Simulator のような深いシミュレーション要素はなく、あくまでカジュアルよりの設計だ。より経営戦略に特化した「Capitalism Lab」や「Supermarket Mania」と比べると、こちらは「体を使って働く感覚」に重点が置かれており、数字をにらむだけの経営ゲームではない。また、オンライン協力プレイが可能な点も特徴で、友人と役割分担してスーパーを回すマルチ体験は独自の楽しさがある。
プレイ時間の目安としては、最初の目標である中規模店舗に到達するまで20〜30時間ほどかかる印象だ。エンドコンテンツという概念は薄く、どこかで「完成」するゲームではなく、自分が納得できる規模まで拡張し続けるサンドボックス型の楽しみ方が基本になる。アップデートで機能が追加されることも多く、長期的に遊べる土台がある。
注意点としては、やはり作業の繰り返しが基本であるため、それを「退屈」と感じるか「瞑想的」と感じるかで評価が大きく変わる。また、初期状態では説明が少なく、仕入れシステムや価格設定の仕組みを自分で探っていく必要がある。日本語への完全対応は部分的で、メニューやUIに英語が残る箇所もある点は事前に把握しておきたい。万引き犯への対応もゲームプレイの一要素だが、現状では深みがなくやや単調に感じる部分もある。
「仕事終わりに何も考えずにぼーっと棚を並べたい」という人、経営シミュレーションが好きだけどリアルタイムで自分が動き回れるものを探している人、友人とわいわいしながら協力プレイができるカジュアルゲームを求めている人には強くおすすめできる。反対に、緊張感のある経営戦略や歯ごたえのある意思決定を求めているプレイヤー、繰り返し作業に苦痛を感じやすい人には物足りなさを覚えるかもしれない。¥2,300という価格は、この種のゲームとして妥当な水準であり、セール時を狙えばより気軽に試せる。スーパーのレジに並びながら「自分がやった方が早い」と思ったことがあるなら、このゲームはその欲求を存分に満たしてくれるだろう。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 219時間
V1.2.5.4 操作の効率化など見直せばより良いゲームへと進化することを期待しています。 急に重くなる。
👍プレイ時間: 28時間
面白いけど現状バグで在庫が消えたり、商品棚の品が消失する等のバグが発生しているので一旦休止。修正されたらまたやるかも。
👍プレイ時間: 42時間
今、プレイ不可レベルのバグが起きててプレイヤーも開発側も大変だとは思いますが、(バグが起きる前)ゲーム自体は現実かと思うような絶妙なレベルで本当に楽しいです。久々にゲームにのめり込む感覚をくれました。 開発者さんたち頑張ってください。本当に応援してます。またこのゲームを何時間も遊びたいのです。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











