The Witcher 2: Assassins of Kings Enhanced Edition

The Witcher 2: Assassins of Kings Enhanced Edition

開発: CD PROJEKT RED発売: CD PROJEKT RED¥302

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

ウィッチャー2は、「選択に意味がある」RPGが何たるかを教えてくれる作品だ。主人公ゲラルトは怪物狩りのウィッチャーとして、王暗殺という重大事件に巻き込まれていく。しかしこのゲームの本質は、戦闘でも謎解きでもなく、**道徳的に正しい答えが存在しない選択肢の連続**にある。第1章でどの勢力に肩入れするかによって、第2章のマップそのものが変わる。同じタイトルを2周して「まったく別のゲームだった」と感じるのは珍しくない。¥302という価格でこれが手に入るという事実が、いまだに信じられない。 ## 物語が引き込む瞬間 ウィッチャー2の語り口は独特だ。序章から政治的な陰謀と個人的な復讐劇が絡み合い、「誰が正しいのか」という問いに対して作中が意図的に答えを出さない。たとえば第1章のクライマックスで迫られる選択は、ロッシュとアイオルフ、どちらの勢力を支持するか。どちらにも正当な理由があり、どちらにも隠された目的がある。プレイヤーは不完全な情報のまま判断を迫られ、その結果を次の章でまるごと引き受けなければならない。 この設計はウィッチャーシリーズの基盤にある哲学——「人間の悪意と怪物の悪意のどちらが深いか」——を物語の構造そのものに落とし込んでいる。叫ぶように語る会話シーンではなく、静かな酒場の会話の中でキャラクターの本音が滲む瞬間が印象に残る。プロローグの尋問シーンで幕が開く構成も秀逸で、結末を知った状態で始まりを追体験させるという仕掛けが、物語への没入を加速させる。 ## サイドクエストの質と密度 本作のサイドクエストは「おつかいの集積」ではない。多くのサブクエストが、メインストーリーと同等の脚本と演出を持っている。呪われた村を調べるクエストが、中盤の政治的対立に思わぬ形でつながってきたり、些細に見えた依頼が後に別の選択肢を閉じる要因になったりする。 特筆すべきは、サイドクエストにも「答えのない結末」が用意されていること。モンスターを倒せば解決、とはならないケースが多く、村人側にも事情があり、ゲラルトがどう動くかで複数の結末に分岐する。1章の小さなクエストが2章で思わぬ形で回収される、という縦のつながりも強い。単純な経験値稼ぎとしてサイドクエストを扱うと、後半の選択肢が狭まることもある。この緊張感がサブコンテンツへの向き合い方を変えてくれる。 ## 価格に見合う体験か 結論から言えば、¥302は破格すぎる。メインクリアだけで20〜30時間、2周目を別ルートで進めれば40時間以上のボリュームがある。拡張版「Enhanced Edition」にはカットされていたコンテンツやアリーナモードも収録されており、追加料金なしで遊べる。 ただし注意点がある。本作は**難易度が高め**で、特に序盤の戦闘はかなり手ごわい。ローリングの回避、ポーションの事前準備、クエン(バリアの印)の適切な使用——これらを無視して突撃すると何度も死ぬ。逆に言えば、戦闘の前準備とポーションクラフトを習慣にした途端に世界が変わる。「準備が報われる」設計の気持ちよさがある。UIや操作感はウィッチャー3と比べると古さを感じるが、慣れれば問題ない。 ## 似たゲームとの違い 同じCD PROJEKT REDが開発したウィッチャー3と比較されることが多いが、ゲームとしての性格はかなり異なる。ウィッチャー3がオープンワールドの広大さを武器にするのに対して、本作は**ローカライズされた線形構造**を選んでいる。マップは小さいが密度が高く、同じ場所を別の目的で何度も通ることで場所への愛着が生まれやすい。 Dragon Age: Originsと比べると、パーティ管理の複雑さはなく、ゲラルト一人の判断と行動に集中する設計だ。政治的な重みはどちらも高いが、本作はより「一人の男の視点」から世界を描く。Baldur's Gate 3のような多人数RPGと違い、会話の選択肢も「ゲラルトならこう言う」という一貫したキャラクター性の中に収まっている。ロールプレイの自由度より、よく書かれた一人のキャラクターとして動く快感が強い。 ## ビジュアルとサウンドの仕上がり 2011年リリースのゲームとしては驚くほど美しく、現在でも環境グラフィックは見どころがある。森の光の差し込み方、水面の反射、炎の揺らぎ——当時の技術を極限まで使った映像は、今見ても陳腐に感じない部分が多い。ただし解像度設定や影の品質は現代のゲームより劣るため、Ultra設定で動かしても「最新技術」の印象はない。レトロなクオリティとして楽しむ目線が適切だ。 サウンドトラックは本作の大きな強みだ。スラブ音楽をベースにした民俗的なオーケストラは、北方諸国の泥臭い雰囲気と完全に一体化している。戦闘中の緊迫したリズム、静かな夜の旅路に流れるアコースティックなメロディ、それぞれが場面の感情を正確に補強する。日本語ローカライズはないが、英語・ポーランド語の音声はどちらも質が高く、ゲラルトの渋い声のトーンが世界観への没入を支えている。字幕は日本語に対応しているため、英語が苦手でも問題なく物語を追える。 ¥302を出してウィッチャー3の前日譚として触れる、というより、これはウィッチャー3とは別の体験として独立して楽しめる作品だ。完璧なRPGではないが、「選択が世界を変える」という感覚を真剣に実装しようとした跡が随所に見える。プレイして後悔するタイプのゲームではない。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 74時間

ウィッチャー1からの進化具合が凄い ps2レベルだったグラが見られる程度になってるし、ゲーム性も明らかに向上してる ファストトラベル無いのは怠いが、回避距離上げてローリング連打すると多少移動早くなるからおすすめ ストーリーは変わらず面白い……ただ、ウィッチャー1やってないとよくわからないと思う ロッシュ編とイオルヴェス編で判明する情報が違うので、分岐から二周する価値は十分にある

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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