龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル

龍が如く7 光と闇の行方 インターナショナル

Yakuza: Like a Dragon

開発: Ryu Ga Gotoku Studio発売: SEGA¥792

PlayNext レビュー

龍が如く7は、シリーズの看板だった「アクション」を丸ごと捨てて、ターン制RPGに生まれ変わるという前代未聞の賭けに出た作品だ。しかも主人公を桐生一馬から春日一番という無名の新キャラクターに差し替えるという二重の冒険。発表時には「シリーズ終わった」という声も上がったが、蓋を開けてみれば、これが龍が如くという看板を新たな高みに押し上げた一本になっていた。横浜・伊勢佐木異人町という新舞台で、どん底に落とされた男が仲間を集めながら巨悪に立ち向かうその物語は、シリーズ既プレイ者にも、ここから入る新規プレイヤーにも、どちらにも扉を開いている。 ## 戦闘のRPG的手触り コマンド選択式のターン制バトルと聞くと、腰が引けるプレイヤーもいるだろう。しかし龍が如く7の戦闘は「ドラゴンクエスト的な静的なコマンド入力」ではない。敵や味方はフィールドを移動しており、攻撃モーションにはアクション要素が残っている。タイミングよくボタンを押すことで追加ダメージを狙うインタラプト機能もあり、完全に手を離せる仕組みにはなっていない。 特筆すべきは「ジョブシステム」だ。春日一番はドラゴン・クエストに影響を受けたキャラクターという設定が巧みに活かされており、バトルは彼の「ドラクエ的妄想」という形で演出される。ホームレスが「勇者」に、チンピラが「魔法使い」に変身して戦うコメディタッチの外装が、実は骨太な職業成長システムと直結している。各ジョブにはスキルツリーがあり、転職を重ねることでキャラクターが独自のビルドに育っていく。同じターン制RPGでも、ペルソナ5のようにジャンル特有の快感を磨き込んだスタイルとは違う。あちらが「スタイリッシュで緻密な属性パズル」なら、龍が如く7は「泥臭くて熱くて、笑えるターン制RPG」だ。 ## エンドコンテンツとやり込みの密度 メインストーリーをクリアした後が本番と言っても過言ではない。「ハローワーク」システムによるジョブコンプリート、地下ダンジョン「ソジャーズ・ロード」、バトルトーナメント、株式会社経営ミニゲームなど、エンドコンテンツの層が厚い。 株式会社経営ミニゲームはとりわけ作り込まれており、不動産を買収し、経営戦略を立て、ライバル会社を打倒する経営シミュレーションとして単独でゲームが成立するレベルの完成度がある。クリア後の総プレイ時間が80〜100時間を超えるプレイヤーが続出するのも、このコンテンツ密度が支えている。 ただし、レベル上げや資金稼ぎに一定の根気が求められる場面がある。特にストーリー中盤以降のボス戦は、ジョブレベルが低いと詰まることがある。ドラクエ的なグラインドを苦に思わない人には問題ないが、アクションゲームとしての龍が如くに慣れたプレイヤーが「レベルが足りなくて詰まる」という体験に違和感を覚えるケースはある。 ## 物語の余韻と考察の楽しみ 春日一番というキャラクターは、桐生一馬の「無敵の英雄」像とは対極に位置する。元ヤクザのどん底中年で、あがり症で、感情的で、時に滑稽だ。しかしその人間的な弱さが、物語全体の感情密度を高める。 「裏切り」「家族」「贖罪」というシリーズ共通の主題は本作でも健在だが、特に後半に明かされる主人公の出自と、終盤で対峙することになる敵の論理には、単純な勧善懲悪では割り切れない複雑さがある。「正しいこと」と「生き延びること」の間で選択を迫られるシーンは、プレイヤーに自分自身の価値観を問い直させる。エンドロールを見終えた後、しばらくぼうっとしてしまったという感想が多いのは、その余韻の重さゆえだろう。 横浜という舞台の作り込みも見逃せない。神奈川県警、中華街、野毛山動物園周辺のエリアが実地感覚で再現されており、龍が如くシリーズ特有の「街を歩くこと自体が楽しい」という感覚はターン制に移行しても損なわれていない。食べ物を食べれば実際の料理の名前と値段が出て、屋台のおっさんが話しかけてくる。この「生活感のある街」が物語の重さを支える地盤になっている。 ## Steam評価の裏にあるもの 本作のSteamレビューは「圧倒的好評」を維持しているが、否定的な意見を読むと一定のパターンが見える。「ターン制が合わなかった」「ロードが長い」「ミニゲームが多すぎてテンポが悪い」——こうした意見は的外れではない。龍が如くシリーズにスピード感を求めてきたファンにとっては、本作の転換は確かに受け入れにくい部分がある。 一方で好評の声の核心にあるのは「ストーリーと仲間への感情移入」だ。春日一番のパーティメンバーはいずれも社会の底辺に落ちた人間たちで、それぞれに事情と傷がある。彼らとの絆が積み重なる中で「この仲間たちと一緒に戦いたい」という感覚が自然に芽生える。これはアクションゲームでは生まれにくい、RPGならではの感情だ。 ¥792という現在の価格帯を考えると、コストパフォーマンスは異常なほど高い。ボリュームとストーリーの密度で言えば、フルプライスのタイトルと比較しても引けを取らない。龍が如くシリーズ未経験でもプレイできるが、シリーズの経緯を多少知っていると、随所に仕掛けられたサプライズをより深く味わえる。ターン制RPGが好きで、泥臭い人情劇に耐性があり、街を歩き回ることを厭わないプレイヤーには、積極的に推せる一本だ。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 77時間

定価価格が他シリーズと比べてかなり安くなっているのでボリュームが少ないんではないかと心配していましたが初見、攻略サイトなしでメイン+サブクエで70時間ちょっとでクリアくらいのボリュームでした。 難易度設定は特になく、レベル上げも必要とせず普通に装備を整えていればクリアまで詰まることはありませんでした。 よく言えば初心者、ライトユーザーに優しいゲームで、プレイしててめんどくさいなって思う場面が少なかったです。ただやっぱり普段から多くのゲームをプレイしてる皆様からしたら少し物足りない難易度になると思います。 ストーリーやキャラクター、システムなど高水準であることは確かだと思います。

👍プレイ時間: 205時間

(始めたのは極1からですが)0からシリーズを順番にプレイしてみての感想になります 素直にここまででは一番の出来だと思います。あと、(個人的にです)4と5が退屈で苦痛でしたが 苦痛を乗り越えて一通りプレイしたからこそストーリーで得られるものが大きかったです。 本作からシリーズ始める方も少なくないようですが、私は全くおすすめしません。 オリジナルからネタバレ要素が削除されているようなので、0のディレクターズカット版から入るのがいいかも(0からじゃないと極1の真島ネタがほとんど理解不能になる)

👍プレイ時間: 74時間

主人公である春日一番が熱く、人情味もあって非常に魅力的なキャラクターなので大変面白いです。ストーリー的にRPGで良かったと思いますが、今までのシリーズをアクション操作と回復アイテムでごり押ししてきた身としては余分に時間がかかったのと、レベル上げしすぎたようで想定よりも簡単になってしまって爽快感がなかったのが残念です。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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