
龍が如く0 誓いの場所
Yakuza 0
開発: Ryu Ga Gotoku Studio発売: SEGA
PlayNext レビュー
1988年、バブル景気に沸く日本——神室町と蒼天堀という二つの街を舞台に、後にシリーズの伝説となる二人の男の物語が幕を開ける。『龍が如く0』は「龍が如く」シリーズの前日譚であり、桐生一馬と真島吾朗、それぞれの青春と信念を描いた作品だ。シリーズ未経験者にとって最良の入口であり、ファンにとっては知り尽くしたはずの男たちの原点を目撃する体験になる。この作品が他の多くのアクションRPGと一線を画すのは、格闘ゲームさながらの爽快な戦闘と、数十時間に及ぶ人情ドラマが、まったく違和感なく共存しているところにある。
## アクションの核心
本作の戦闘を語るとき、避けて通れないのがスタイルチェンジシステムだ。桐生は「ブロウラー」「ラッシュ」「ビースト」の三流派を場面に応じて切り替えられる。重厚なブロウラーで正面から叩き潰すか、素早いラッシュで翻弄するか、ビーストで周囲の自転車や看板を武器に叩きつけるか——状況判断とスタイルの選択が、単純な格闘ゲームには出せない奥行きを生む。真島のスタイルも「サグ」「スラッガー(野球バット)」「ブレイカー(ブレイクダンス格闘)」と個性が際立ち、桐生とはまったく異なる操作感を楽しめる。ヒートアクションと呼ばれるフィニッシュムーブはロケーションに連動しており、壁際や段差付近では演出が変化する。ストリートファイターやデビルメイクライのような繊細なコンボ入力は求めず、直感的な操作で派手な絵が作れるため、アクションが得意でないプレイヤーでも完走しやすい。
## 戦いのリズムとテンポ
戦闘の気持ちよさを下支えしているのは、エンカウントの密度とゲームの流れるようなテンポだ。神室町を歩けば頻繁にチンピラに絡まれるが、戦闘は一戦あたり数十秒で決着がつくことが多く、「またか」という疲労感よりも「もう一回」という感覚が続く。稼業システムも絶妙なアクセントになっている。桐生は不動産経営、真島はキャバレー経営を通じて資金を集めるのだが、これが戦闘と収益ループを形成し、ゲームに自然な目標感を与えている。『ゴッドオブウォー』のような重厚なアクションや、『バットマン アーカムシリーズ』のステルス要素を期待すると肩透かしを食うかもしれないが、"街をぶらついて、因縁をつけられて、派手に返す"というこの繰り返しは、本作独自のリズムとして完成している。
## 二人の男が交わる達成感
本作には従来の意味での協力プレイはない。しかし、桐生章と真島章が交互に切り替わるストーリー構造が、独特の"共鳴"をもたらしている。東京で空き地をめぐる陰謀に巻き込まれる桐生と、大阪で理不尽な使命を押し付けられた真島——二つの物語は終盤に向かって収束し、知っていたはずの人物の輪郭がくっきりと浮かぶ瞬間が何度も訪れる。真島の章をプレイしながら「この男がなぜああなったのか」が腑に落ちたとき、単独プレイでありながら二人のキャラクターを同時に生きていたことに気づく。この構成は、物語を追う動機として機能し、長時間プレイの疲弊感をうまく分散させている。
## サイドクエストの質と密度
本作のサイドコンテンツは、ゲームの評価を分けるほど作り込まれている。カラオケ、ボウリング、ダーツ、麻雀、ポーカー、テーブルゲーム、さらには80年代セガのアーケードゲームが原作のまま遊べる「ゲームセンター」まで揃っている。しかし真に特筆すべきはサブストーリーの質だ。笑えるもの、泣けるもの、ただただシュールなものが混在しており、それぞれが数分から数十分の独立した体験として完結している。「ミスターシャチョウ」のように突き抜けたコメディもあれば、人情の機微を丁寧に描いたエピソードもある。『ウィッチャー3』のサブクエストが本筋と地続きの深みを持つとすれば、本作のそれは"街の断面"を切り取った短編小説集に近い。全てのサイドクエストを追う必要はないが、手を出すほど街への愛着が増す設計になっている。
## コミュニティと入門としての立ち位置
PCで本作をプレイするメリットは明確だ。4K解像度とフレームレート無制限に対応しており、コンソール版では重く感じた場面でも快適に動作する。Steamコミュニティには日本語プレイヤーも多く、実績攻略やミニゲームのコツが日本語で調べやすい。シリーズ経験者からも未経験者からも「入口はゼロから」と言われるほど、本作は導入として機能する。ただし注意点もある。メインストーリーは30〜40時間、全サイドコンテンツを含めると100時間を超えるボリュームであり、どこで切り上げるかの判断が問われる。また、演出の長い割り込みムービーやテキスト量の多さは、テンポを重視するプレイヤーには負担に感じる場合がある。それでも、キャラクターへの愛着が積み上がるにつれ、そのテンポ感すら"この作品の間"として受け入れられるようになる。80年代の日本をここまで密度濃く再現した作品は、他にほとんど存在しない。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 133時間
ストーリーやサブトーリーはとても面白い!! ただセーブに失敗するとアイテムがバグってアイテムが無限増殖、早くバグを修正してくれるとありがたいです。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











