Elin

Elin

開発: Lafrontier発売: Lafrontier¥2,980

PlayNext レビュー

「自由とは何か」という問いに、このゲームは静かに答えを返してくる。Elinは、伝説的なフリーウェアローグライクRPG「Elona」の後継作として生まれた作品だ。冒険もできる、農業もできる、家を建てることもできる——そういったゲームは数多くある。しかしElinが他と一線を画すのは、その「なんでもできる」が単なる機能の羅列ではなく、一つの呼吸する世界として設計されているところにある。キャラクターを作り、イルヴァの大地に降り立った瞬間から、プレイヤーはこの世界に「いる」という感覚を覚えるはずだ。 ゲームプレイの核心は、ターン制のローグライク探索と、拠点経営・クラフトの融合にある。ダンジョンに潜れば敵との戦闘が待ち受けており、素材を集め、装備を整え、徐々に強くなっていくRPGとしての成長体験がある。一方で町に戻れば、自分だけの家を建て、畑を耕し、住民を招いてコミュニティを育てるシミュレーションの顔を見せる。この二つのリズムの往復が、Elinのプレイ感の根幹だ。探索で疲れたら帰って農業をし、日常に飽きたら旅に出る——生活のサイクルが自然と生まれる。 操作のテンポはElona譲りで、キーボード中心のインターフェースが基本となる。慣れるまでは取っ付きにくさを感じるかもしれないが、一度手になじめば軽快にキャラクターを動かせる。やり込み要素は底なしといっていい。スキルシステムは細かく設計されており、使えば使うほど上達するElona式の成長モデルを引き継いでいる。料理スキルを極めれば一流のシェフになれるし、音楽を演奏してNPCを魅了することもできる。戦士としての王道ルートから、商人、魔法使い、はたまた農夫まで、プレイスタイルの自由度は圧倒的だ。 ビジュアルはドット絵を基調としたクラシックなスタイルで、前作Elonaの雰囲気を大切に継承しながらも、解像度やグラフィック品質は向上している。ホーム建設の要素ではアイソメトリック視点に切り替わり、自分の拠点を俯瞰しながら丁寧にレイアウトを組める。荘厳でありながらどこか哀愁を帯びたサウンドトラックは、広大なイルヴァの世界に漂う不思議な空気感を作り出しており、長時間プレイしても耳に馴染む。Steamワークショップに対応しているため、MODによるカスタマイズ文化も活発で、プレイヤーが作り上げたコンテンツが世界をさらに豊かにしている。 世界観は「Elona」で描かれたイルヴァを舞台に、人間とエレアと呼ばれる存在が共存する独特の神話世界を形成している。前作を知っているプレイヤーには馴染み深い地名やキャラクターが登場し、懐かしさと新しさが交差する体験ができる。ネタバレは避けるが、ストーリーは重厚な歴史と神話を背景に持ちながら、プレイヤー自身の行動が「語り継がれる物語」になっていくという構造を持っている。自分がこの大地にどんな傷跡を残すかは、完全にプレイヤーに委ねられている。 似たゲームとして挙げるなら、「Dwarf Fortress」や「RimWorld」が思い浮かぶ。ただし、これらが上から俯瞰する管理ゲームの視点を中心に持つのに対し、Elinはあくまで一人のキャラクターとして世界を生きる体験が主軸だ。「Caves of Qud」に近いローグライクRPGとしての深みを持ちながら、クラフト・建設の側面では「Stardew Valley」的な癒しの要素も備えている。日本語で遊べるインディーRPGとして、この規模感と密度を持つ作品は稀有な存在だ。 プレイ時間の目安は、メインコンテンツを楽しむだけでも軽く100時間を超える。建設にのめり込んだり、複数のキャラクターで異なるビルドを試したりすれば、その数倍は覚悟が必要だ。早期アクセス作品であるため現時点では未完成な部分もあるが、開発のLafrontierはアップデートを継続的に行っており、コミュニティとの対話も積極的だ。エンドコンテンツについてはまだ拡充途上だが、それ以上にサンドボックスとしての遊びの幅が広いため、目標を自分で設定できるプレイヤーなら退屈を感じる場面は少ないはずだ。 ただし正直に言えば、このゲームは万人向けではない。情報量の多さと自由度の高さは、逆を言えば「何をすべきか」のガイドが少ないことを意味する。最初の数時間は途方に暮れる体験になるかもしれない。UIも現代の洗練されたタイトルと比べると癖が強く、慣れが必要だ。また早期アクセスゆえのバランス調整不足やバグも散見される場面がある。完成されたゲームを求めるプレイヤーには、フルリリースまで待つ選択肢もある。 前作Elonaに思い入れがある人、「Dwarf Fortress」や「Caves of Qud」で深みにはまった経験のある人、自分だけの物語を積み重ねることに喜びを見出せる人には、間違いなく刺さる一作だ。¥2,980という価格は、このコンテンツ密度を考えれば破格といえる。逆に、丁寧なチュートリアルや明確なゴールを好む人、グラフィックに現代水準を求める人には向かないかもしれない。Elinはゲームである以上に、自分だけのイルヴァ生活を作り上げるための道具だ。その道具を使いこなす気概があるなら、ここには他にはない体験が待っている。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 518時間

アーリーアクセスだからと侮っちゃあいけない elonaから続く圧倒的な自由度と深い沼のようなやり込み要素に自由度の高い建築が組み合わさり味わい深いゲームになっている 反面、システムなどを理解するのも一苦労である。初見の楽しみという点ではむしろ積極的に攻略とかwikiを身に行った方が良い気さえする ストーリーはまだまだ未完だが、それらを追うだけならそこまで深いやり込みは要らなさそうである ゲームとしてはむしろストーリークリアしてからが本番なタイプ Nightlyの更新頻度は高く、安定板の民でもそこそこの頻度で更新があるため、少し離れて戻ってくると新しい光景が広がっていることも多い

👍プレイ時間: 2,114時間

生涯プレイするであろうゲームです。 このゲームが好きすぎるあまり、 終わるのがイヤなので、 ストーリーを進めていません。 作者さま。ありがとう!ありがとう!!

👍プレイ時間: 836時間

もうじきプレイ時間が800時間になりますが、おそらくこのゲームの半分もコンテンツを消費していないと思います。 のんびりとやりたい事をやれるゲームです。貴方も是非こちら側にどうぞ…

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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