Everwind

Everwind

開発: Enjoy Studio S.A.発売: Bohemia Interactive¥2,970

PlayNext レビュー

雲海を切り裂く風の中、足元に浮かぶ船のデッキから見上げれば、さらに高みへと積み上がる島々の連なりがある。『Everwind』の世界に踏み込んだ瞬間、プレイヤーはその垂直方向に広がるスケール感に静かに息を呑む。主観視点のサンドボックスサバイバルにRPG要素を組み合わせた本作は、「空飛ぶ島を舞台にした生存と探索」というコンセプトをかなり真剣に実装しようとしている一本だ。早期アクセス段階ながら、そのコアループにはすでに独自の個性が滲み出ている。 ## 世界への没入感 — 空という舞台装置 地に足のついたサバイバルゲームと比較したとき、Everwindがもっとも異質に感じられるのは「高度」という概念の扱いだ。ValheimやRaftが水平方向の広がりで世界を語るのに対し、本作は縦軸に世界を積み上げる。低層の島では手に入りやすい木材や石材が得られるが、雲の上層に浮かぶ島には希少な鉱石や強力な敵、そして謎めいた遺跡が待ち受けている。上へ行くほどリスクが増し、見返りも大きくなる——このシンプルな設計が、冒険への動機付けとして機能している。 主観視点という選択も没入感に大きく寄与している。飛空艇のデッキに立って風を受けながら次の島を目視するとき、その視点の低さが世界の広大さをより強く感じさせる。サードパーソン視点では「眺める」体験になりがちな飛行や着地が、一人称では「経験する」ものになる。この差は小さいようで、累積するとゲームへの没入の深さに如実に影響してくる。 ## 細部のこだわり — 作ることの手触り クラフトとビルドのシステムは、本作のプレイ時間の大半を占める。飛空船は単なる移動手段ではなく、プレイヤーの拠点そのものだ。デッキに作業台を置き、貯蔵庫を増設し、武器庫を整備していく過程は、ある意味でMinecraftの海上要塞建設に近い楽しさを持ちつつ、「常に移動できる基地」という制約がレイアウトの妙を生む。限られたデッキ面積の中でどう機能を詰め込むか、というパズル的な思考が自然と生まれてくる。 素材のティア構造もしっかりしていて、序盤は柔らかい木材と粗い岩石から始まり、中盤以降に金属加工が解放されると装備の幅が一気に広がる。武器の種類も遠距離・近距離が用意されており、どちらを優先するかで島への攻略アプローチが変わってくる点は評価できる。作ること自体がひとつの楽しみとして成立しているのは、このジャンルにおいて重要な条件だ。 ## 自由度と制約のバランス — サバイバルとしての骨格 本作がただの「空飛ぶ箱庭」に留まらないのは、生存要素が適度な緊張感を保っているからだ。食料管理や体力管理がプレイヤーの行動に影響を与え、無計画な探索は消耗につながる。この点はArkとも異なる——本作はオープンワールドRPGというよりも、日々の生存と成長を細かく刻むサバイバルループの中にRPGの進行を乗せた設計に近い。「次のスキルを解放するまでの道のり」と「今夜生き延びるための食料確保」が同時に要求される構造は、短時間セッションより腰を据えたプレイに向いている。 ただし、早期アクセスらしいバランスの荒さも正直なところ存在する。難易度の上昇曲線がやや不均一で、ある段階で唐突な詰まりを感じたり、逆に特定の手順を把握すると緊張感が薄れたりすることがある。この点は今後のアップデートで調整される余地が大きく、現時点では「磨かれている途中の原石」として評価するのが誠実だろう。 ## 選択の重みと分岐 — 何を優先するか 資源には有限性があり、船のスペースにも限りがある。新しい武器を作るか、防衛設備を強化するか、あるいは探索範囲を広げるための燃料を蓄えるか——プレイヤーは常に優先順位の問題に直面する。この「トレードオフの判断」こそが、本作を単純な収集ゲームと一線画す要素だ。 現段階ではRPG要素として期待されるスキルツリーやクラス選択の幅は、今後の開発で充実が見込まれる段階にある。しかしゲームの構造的な土台には確かな面白さの芽がある。「あと一島だけ」と思いながら燃料切れを気にしつつ上層へ向かう——その小さな判断の積み重ねが、気づけば数時間に化けている。 ## 仲間との航路 — マルチプレイヤーの設計 Everwindの体験が最も輝くのは、複数人での協力プレイだろう。フレンドと役割を自然に分担して——一人が操船し、一人が戦闘を担い、一人が素材採取に集中する——という流れが会話なしに生まれるゲームデザインは、チームワークを強制せず促す賢さがある。Raftのマルチプレイが持っていた「一緒に困難を乗り越える喜び」に近い体験が、空という舞台でより立体的に展開される感覚がある。 ソロでも十分楽しめるが、友人と遊ぶ前提でプレイしたときにスケール感と役割分担の面白さが数倍になる。Discordで通話しながら島への強襲を計画するような遊び方が、このゲームの真髄に近い。 --- 人を選ぶポイントとして、早期アクセスへの耐性は正直必要だ。バグや未実装要素、コンテンツ量の物足りなさを感じる場面はある。完成版をじっくり待ちたいタイプには、もう少し開発が進んでからの参入を勧める。逆に、開発の過程を一緒に楽しみたい、友人と新鮮なゲームを探しているというなら、¥2,970という価格帯は試してみる価値がある水準だ。空の果てに何があるのか、まだ誰も知らない——その不確かさが、今この段階で遊ぶことの醍醐味でもある。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 42時間

無数の島を探索するのは楽しいのでオススメなんですが 島から島へ移動する船の操作性が微妙です。せめて停止状態で回転はできるようにしてほしいです。 後は、海は潜れません。 食事はバフのみで、空腹はないです。 クラフト時は保管庫から自動で使ってくれますが、錬金は自分で素材を選ぶため保管庫から取り出しになります。

👍プレイ時間: 32時間

まだ高度1000を超えたあたりですが、とても楽しんでおります。 船の速度が遅くて苦しんでいる方へ・・・ エンジンを複数個設置すれば船の速度はその分倍増します。お試しください。 ※エネルギー容量が足りない場合はエネルギー発生装置を複数個設置してください。

👍プレイ時間: 87時間

冒険の楽しみがあります! 現状の課題です。 ・ドロップがQなので、間違えてドロップしちゃうケースが多々発生。特に戦闘中にメイン武器をドロップするのが怖すぎる ・Qでドロップした場合、消えることがある(それで+10の武器をロストしました。キーバインドは変更可能なので、ロストする前に変えておくべきでした・・・) ・敵のAIが弱い(上下が安全地帯です) ・敵の矢のダメージが無駄に高い(将軍よりも弓兵の方が強い) ・序盤は魔法が全く使えず、戦士一択になる ・ルーンの合成?のコストが高すぎて、武器のアップグレードとのバランスがおかしい(アップグレードコストが低すぎるのかも?)

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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