
グレーゾーン・ウォーフェア
Gray Zone Warfare
開発: MADFINGER Games, a.s.発売: MADFINGER Games, a.s.¥3,618
PlayNext レビュー
「死ぬことが前提のゲームだ」と言われたら、普通は怯むかもしれない。だがグレーゾーン・ウォーフェアにおいては、それこそが設計思想の中心にある。このゲームはタクティカルシューターのジャンルに属しながら、EscapeFromTarkovやDayZが積み上げてきた「喪失の痛みをゲームプレイに変える」という哲学をさらに推し進め、東南アジアの密林という舞台に落とし込んでいる。プレイヤーは派閥間の抗争によって隔離された島に投入された傭兵オペレーターとして、謎めいた「災害」の真相を追いながら、日々の任務と生存をこなしていく。華やかな演出も、爽快なキルフィードも、ここにはない。あるのは、泥と血と霧の中で判断を迫られる緊張感だ。
## 時間を忘れる瞬間——任務の密度と恐怖の間で
グレーゾーン・ウォーフェアが他のシューターと根本的に異なるのは、PvE中心の設計にある。EscapeFromTarkovのような純粋なPvPサバイバルではなく、敵はほぼNPCの武装勢力だ。だからといって緊張感が薄れるかというと、まったく逆だ。AIの挙動は予測しにくく、森の中から突然始まる銃声、建物の角に潜む狙撃手、味方との連携が崩れた瞬間に訪れる死——それらはすべてリアルタイムで脅威として機能する。
密林の中を分隊で移動しているとき、先頭の仲間が突然倒れる。どこから撃たれたかわからない。全員が物陰に伏せ、無線で位置を確認し合う。この数十秒間の沈黙が、グレーゾーン・ウォーフェアがプレイヤーに与える最も強烈な体験のひとつだ。ゲームが「怖い」のではなく、「本当に何かがあるかもしれない」という感覚が維持されている。時間を忘れるのは、派手な戦闘の連続ではなく、この張り詰めた静寂の連続によってだ。
## やり込みと周回要素——評判と装備の積み重ね
ゲームの骨格を支えるのは派閥との評判システムだ。プレイヤーはいくつかの派閥のいずれかに所属し、任務を達成することで評判ポイントを積み上げ、より高性能な装備や新たなミッションへのアクセスを解放していく。この進行構造はDestinyシリーズのベンダー関係に近いが、グレーゾーン・ウォーフェアではひとつのミッション失敗や死亡が積み重ねに直接響くため、重みがまるで違う。
装備のカスタマイズ性も高く、銃のアタッチメント、弾薬の種類、防具の選択がそれぞれ戦術的な意味を持つ。「とりあえず強い武器を持っていけばいい」という思考では長続きしない。任務の性質、想定される敵の数、逃げ場の有無——これらを事前に考えてロードアウトを組む過程が、一種の「準備の楽しさ」として機能している。このループが習慣化されると、ログアウトするタイミングを見失う。
## 爽快感の正体——手触りと重さのリアリズム
シューターとしての手触りは、軽快さとは対極にある。銃はずっしりと重く、リコイルは素直に制御させてくれない。走りながら正確に撃つことはほぼ不可能で、呼吸を整え、身体を安定させてから引き金を絞る必要がある。この「撃つまでの準備」に要する時間こそが、このゲームの爽快感の源泉だ。
CoD(コール・オブ・デューティ)やBattlefieldのような「気持ちよく動いて気持ちよく倒す」設計ではない。それでも、苦労して狙いをつけた一発が敵に命中し、静寂が戻ったときの達成感は、量産型シューターでは味わいにくい種類のものだ。同じタクティカル系でいえば、ARMAシリーズの硬派さとTarkovのリスクリワード設計を足して割ったような感覚に近い。純粋なゲームとしての「うまく動けた快感」より、「正しく行動できた充実感」を提供するタイトルだ。
## こういう人におすすめ——そして向かない人への正直な話
このゲームが刺さるのは、プロセス志向のプレイヤーだ。「勝った」「倒した」という結果より、任務を計画し、チームで動き、生き残って帰還するまでの過程そのものを楽しめる人。ソロでも遊べるが、真価はボイスチャットで連携できる3〜4人の分隊で発揮される。「今夜ちょっとだけやろう」という軽いセッションには向かない。腰を据えて2〜3時間向き合う時間があるときに真価が出る。
注意点も正直に書いておきたい。2024年リリースの早期アクセス作品であり、現時点ではパフォーマンスの最適化が不十分な場面がある。高スペックのPCでも重さを感じることがあり、バグや調整不足の部分も残っている。また、進行がゆっくりとしているため、刺激の多いゲームに慣れたプレイヤーには「何も起きない時間」が長く感じられるかもしれない。
一方で、こうした荒削りさを許容できるなら——あるいは開発の成熟を一緒に見守りたいなら——グレーゾーン・ウォーフェアはかなり稀有な体験を提供してくれるタイトルだ。完成品を求めるなら時期を待つべきだが、現在の価格帯(¥3,618)でこの密度のタクティカル体験が手に入るのは、同ジャンルを探しているプレイヤーにとって十分に検討の余地がある。霧の中で息をひそめながら、次の任務を待つ感覚——それが好きかどうか、あなたはもう知っているはずだ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 18時間
PvEモードのみプレイ。 タルコフライクとしてはたぶんかなりカジュアルな方。 それでも普通のゲームと比べればハードでスリルがある。 死んでも誰かに剥ぎ取られなければ装備は回収可能。 広い島を徒歩やヘリで移動することになり遠近両方の戦闘が楽しめる。 不満点 銃のバリエーションは少し物足りないかもしれない。 初期配布&店売りされているM4A1が使い勝手良すぎて他の銃を使う機会があまりない。
👍プレイ時間: 57時間
PvEを自分のペースでまったりできて楽しいです 不満があるとすると移動が少々手間なのと、一つのマップに人が多いのか目的のタスクがすでに漁られた地域で敵を倒さずに超絶簡単になってしまうことがそれなりの頻度であります
👍プレイ時間: 37時間
全面更新 PvPはやっていませんのでPvEのみの評価をします。 最新アップデートでAIの戦闘能力がかなりぬるくなりました。 序盤の難易度は大幅にさがたったため、初心者もとっつきやすくなりました。 相変わらずAIの体は硬いですが、理不尽さはなくなりました。 また、自身の銃の弾丸のばらつきも大幅にちいさくなり、 狙ったところへほぼ飛ぶようになりました。 また、スナイパーライフルが序盤に買えるようになったので、 索敵もかなり難易度がさがり、遠距離から敵を排除できるように なりました。 今の仕様でしたら多くの方におすすめできると思います。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











