iRacing

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開発: iRacing.com Motorsport Simulations発売: iRacing.com Motorsport Simulations¥1,200

Steam レビュー

好評

PlayNext レビュー

レーシングゲームとモータースポーツシミュレーターは似て非なるものだ。iRacingは間違いなく後者、それも世界で最も本格的なカテゴリに属する。ハンドルを握った瞬間に感じるのは「楽しさ」より先に「重さ」だ。タイヤが路面を掴む感覚、荷重移動のわずかなズレ、ブレーキングポイントのコンマ1秒単位のシビアさ。これはレーシングカーのコックピットを再現した環境であり、エンターテインメントとして設計されたゲームではない。その割り切りこそがiRacingの最大の特徴であり、プレイヤーを選ぶ最大の理由でもある。 操作の手触りは、他のレーシングタイトルとは根本的に異なる次元にある。グランツーリスモやForza Motorsportでは、ある程度ゲームパッドでも十分な体験が得られるが、iRacingは違う。ハンドルコントローラー(ステアリングホイール)とペダルセットが事実上の必須要件だ。それも安価なエントリーモデルではなく、Thrustmaster T300やFanatecのDirect Drive系といった中〜上位モデルで初めてゲームが用意したフィジクスを正しく感じ取れる。タイヤの滑り始め、アンダーステアの予兆、FFB(フォースフィードバック)を通じた路面のグリップ変化は、適切なハードウェアがあれば「これは本物だ」と確信させる精度を持っている。逆にゲームパッドでは、このゲームの本質の10分の1も体験できないと思っておいたほうがいい。 コンテンツ構造も独特だ。iRacingはサブスクリプション制で、月額・年額を払って初めてプレイできる。さらにコース(各サー�キット)と車種の多くが追加課金のDLCとして販売されており、フルコンテンツを揃えようとすると初期投資が数万円規模になることも珍しくない。ただし、この課金モデルが維持する体験のクオリティは本物だ。収録サーキットはレーザースキャンで実際のコースを計測して再現したものが多く、ニュルブルクリンク、ル・マン、インディアナポリスといった世界的な名コースが細部まで忠実に作り込まれている。路面の凹凸、縁石の形状、コース外の砂埃まで、データとして再現されている。 マッチメイキングとオンライン競技の仕組みは、他のレーシングゲームにはないiRacing最大のやり込み要素だ。プレイヤーには「iRating(速さ)」と「Safety Rating(マナー・安全運転)」の2種類の指標が付与され、これによってクラス分けされた公式レースシリーズに参加できる。Safety Ratingが低いプレイヤーは上位クラスに上がれず、無謀な走りを繰り返すと文字通りクラスが下がる。これはゲームの世界に競技スポーツのモラルと序列を持ち込む仕組みで、クリーンな走りをするプレイヤーが尊重される文化を生んでいる。一方でiRatingを上げるためには速く走るだけでなく、レースを完走し、マシンを壊さず、他車と接触しないことが求められる。この多面的な評価軸が、長期的なやり込みを支えている。 ビジュアルの方向性はリアリズム重視で、派手な演出や映画的な美しさよりも正確さを優先している。コックピット視点から見るダッシュボードの質感、サーキット上の光の変化、夜間レースの照明演出などは十分な水準にあるが、PlayStation向けのグランツーリスモ7のような映像的な鮮やかさは求めていない。これはポリシーの違いであり、欠点ではない。サウンドについては車種ごとにエンジン音が丁寧に収録されており、フォーミュラカーの甲高い金属音とストックカーの野太い排気音の違いは明確だ。ただしゲームとしての「気持ちよさ」より「正確さ」に振った音作りのため、盛り上がりのある演出音楽などはほぼ存在しない。 同ジャンルの競合タイトルとしてはAssetto Corsa CompetizioneやrFactor 2が挙げられる。ACC(Assetto Corsa Competizione)はGT3マシンとブランパンシリーズに特化した高品質シムで、一回買い切りで遊べる点が大きく異なる。物理エンジンの質は互角かそれ以上という評価もあり、コンテンツに「GT3レースだけでいい」という人にはACCの方が費用対効果が高い。rFactor 2はMODコミュニティが活発で、カスタム車種やコースの幅が広い。iRacingが圧倒的に勝るのは「オンライン競技の活発さとマッチメイキングの洗練度」だ。世界中で常時数千〜数万人が同時にレースしており、iRatingが整備されたランク制レースに参加できる環境は他に代わりがない。 プレイ時間の目安は、カジュアルに週2〜3時間プレイして楽しむような性質のゲームではない。入門シリーズで基本を覚えるのに数十時間、Safety Ratingを上げて中級シリーズに届くのに数ヶ月というペースが一般的だ。上位シリーズや年間チャンピオンシップを争うレベルになると、特定コースの練習だけで数十時間を費やすこともある。「エンドコンテンツ」という概念より「競技のラダーをどこまで登るか」という継続的な目標設定がモチベーションの中心になる。 率直に言えば、このゲームは「向いている人」と「向いていない人」の差が極端に大きい。ステアリングホイール環境がある、または購入を検討している。実際のモータースポーツに関心があり、レース結果より「どこでタイムを削れるか」を考えることが楽しい。オンラインで他のガチ勢と競いたい。VR環境をフルに活用した没入感を求めている。そういったプレイヤーにとっては、iRacingは他に置き換えられない唯一の選択肢になり得る。一方、ゲームパッドで気軽に楽しみたい、レースの派手な演出や豊富なカスタマイズで楽しみたい、課金を抑えたいという人には向かない。iRacingは「世界最高のモータースポーツ競技プラットフォーム」として設計されており、ゲームとしての間口の広さは最初から捨てている。それを知った上で選ぶなら、これほど誠実なシミュレーターは存在しない。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 73時間

レース楽しすぎ! やっとまともにレース出来るゲームに出会えました! ルーキーの間は全員””自分は悪くない””と思ってる為、ハチャメチャバトルだけど、ランクが1つ上がるだけで結構まともなレースが出来ます。 全部英語だけど解説サイトや動画があるのでどうにかなります! 自分で調べる努力は必要かも。 特定のカテゴリで遊びたい!って方は、事前に調べた方が良いと思います。 過疎カテゴリもある様なので。 セールの時に買えば「3000円 / 12ヶ月」くらいで出来ます。試すにはもってこいです。 コースや車にお金がかかるイメージですが、無料のMX-5で走るだけでも面白いです。 レース楽しすぎ!

👍プレイ時間: 118時間

本格的な挙動を好む方、嘘っぽくない本気のレースをお望みの方におススメです。 忖度の無い、現実的な結果を突き付けられる日が続くかもしれません。焦らずにプレイすることが求められます。 気を付けるべき点は、車やコース、友達同士の貸し切りのレースは有料であることです。 グランツーリスモのように「ソフトだけ購入して後は無料!」とはいきません。 決して安くはありませんが、それでも尚おススメできるシミュレータです。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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