
Screamer
開発: Milestone S.r.l.発売: Milestone S.r.l.¥7,590
PlayNext レビュー
速度という暴力がある。コーナーを攻めるたびに車体が悲鳴を上げ、対向するライバルとの距離がみるみる縮まる——Screamerはそういうゲームだ。Milestoneが手がけるこのレースタイトルは、単なる「速く走るゲーム」ではなく、栄光・権力・復讐という人間の根源的な欲望をドライバーの背中に背負わせる。ハンドルを握るたびに、誰かの人生がかかっているような緊張感が走る。それがこのゲームの核心だ。
## PvPの駆け引き——プライドを賭けた消耗戦
オンラインPvPに飛び込むと、単純なタイムアタックの世界とは別の論理が支配していることに気づく。相手も生きている人間だ。インコーナーを先に取られれば立ち回りが崩れ、ブレーキングポイントで揺さぶりをかけてくる相手に対して冷静さを保つのは想像以上に難しい。
特に共有・分割画面でのPvPでは、画面を隣り合わせで見ながら無言の圧力をかけ合う独特の空気がある。オンラインの匿名性とは違い、物理的な近さがプレッシャーを倍増させる。クロスプラットフォームマルチプレイヤー対応により対戦相手の母数も確保されており、ロビー待ちでストレスを溜めることは少ない。
ただし注意が必要なのは、PvPの洗練度にある種の「割り切り」が求められる点だ。あくまでアーケード的な爽快感を重視した設計であり、グランツーリスモやACC(Assetto Corsa Competizione)のようなシミュレーター寄りのレースゲームに慣れたプレイヤーが求めるリアル志向の接触判定やペナルティシステムを期待すると肩透かしを食らう可能性がある。
## ソロとマルチの体験差——物語があるかないかの重み
シングルプレイヤーモードには、このゲームの「なぜ走るのか」という問いへの答えがある。栄光を求める者、権力を手にしようとする者、そして復讐のためにシートに座る者——背景の異なるキャラクターたちの物語が走る理由に説得力を与える。1コーナー目から漫然と走るのではなく、「この相手には絶対に負けられない」という感情をゲームが引き出してくる設計だ。
対してマルチプレイヤーは、物語の重さをそぎ落とした代わりに純粋な競争の快感が前面に出る。AIの挙動に慣れきった後にオンラインへ移行すると、読めない人間の動きが新鮮な緊張感を与える。ソロで基礎を固め、マルチで実力を試すという二段階の遊び方が自然に設計されており、どちらかだけでも完結するが、両方を行き来することでゲームへの理解が深まる。
## 初見プレイヤーへのアドバイス——最初の30分が分岐点
難易度調整が細かく設定できる点はありがたいが、最初から高難度に挑もうとするとコーナリングの感覚を掴む前に心が折れる。まず1〜2時間は中程度の難易度でコースと車体特性を身体に刷り込むことを勧める。フルコントローラーサポートが充実しているため、キーボードよりもコントローラーで入力の繊細さを体感してから設定を詰めるのが賢い順序だ。
時間制限付き入力なしでプレイ可能な設定も存在するため、じっくり腰を据えてレースの仕組みを理解したい人にも間口は開かれている。Steamクラウド対応でプレイデータが端末を跨いで同期されるため、PCとSteam Deckを行き来するプレイスタイルにも対応できる。
## エンドゲームのループ——やり込みの奥行き
Steam実績とトレーディングカードの存在は、コレクター気質のプレイヤーにとってのモチベーションになる。特定条件での勝利やタイムアタック記録の更新が実績と結びついており、クリアしたつもりのコースに再び向き合う理由を作り出す設計だ。
エンドゲームで際立つのは、対人戦の質の変化だ。基礎を積んだプレイヤー同士がぶつかるオンラインの上位帯では、ブレーキングポイントの0.1秒単位の差異が勝敗を分ける。そこまで到達すると、もはや「レースゲームを遊んでいる」感覚ではなく、「速度という言語で相手と対話している」感覚に近い。Forza Horizonシリーズのような広大なオープンワールドや自由度を求めるなら選択肢が違うが、コースと速度と対人戦に絞り込まれた体験を純粋に追い求めるなら、Screamerはその期待に応える。
## こういう人におすすめ
アーケード寄りの爽快な操作感でレースを楽しみたい人、シングルプレイヤーの物語とオンラインPvPの両方を一本で味わいたい人、分割画面で友人や家族と同じ空間で競い合いたい人——この三者にとってScreamerは素直に勧められる。逆に、物理演算にこだわったシミュレーター体験やオープンワールドの自由度を求める層には、このゲームは方向性が合わないかもしれない。¥7,590という価格は決して安くないが、マルチモードの充実度とコンテンツの奥行きを考えれば、長く付き合えるタイトルとしての投資価値は十分にある。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 16時間
メインストーリーを完走したので投稿 スムーズに走れるようになるまではある程度の慣れが必要ですが、それさえ乗り越えてしまえば 緊張感ある対戦システム、サイバーパンク的な車やキャラクター、コースのビジュアルスタイル、そしてイカす音楽全てがハイレベルなアーケード的レースゲームです 購入するか迷っているなら是非ともやってほしい!あなたがもし リッジレーサーなどの アーケード的レースゲームを好きであれば、間違いなくぶっ刺さってくれる一本です
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











