Life is Strange: Reunion

Life is Strange: Reunion

開発: Deck Nine Games発売: Square Enix¥7,480

PlayNext レビュー

『ライフ イズ ストレンジ』初代から十年以上の時を経て、マックスとクロエの物語がついに完結を迎える。Deck Nine Gamesが手がけた本作は、「あの日の選択は正しかったのか」という問いを抱え続けてきたファンへの、丁寧すぎるほど誠実な回答だ。時間を巻き戻す力を持つ写真家マックスと、衝動的で傷つきやすいクロエ。カレドン大学を舞台に再び交差するふたりの運命は、プレイヤーが積み重ねてきた選択の重みそのものを試してくる。ナラティブアドベンチャーとして純度を高めたゲームプレイは地味に見えるかもしれないが、その奥には感情の地雷原が広がっている。 ## 時間操作と意思決定の手触り マックスの「巻き戻し」能力は初代から引き継がれているが、本作では使用感が大きく洗練されている。単純な「やり直し」ではなく、巻き戻した時間軸の痕跡が残る演出が加わり、「自分が改変している」という罪悪感と高揚感が同時に迫ってくる。たとえば会話の途中で相手の本音を聞き出してから巻き戻し、知らないふりをして最初から話しかける——その行為自体が、マックスという人物の孤独を体現している。 選択肢は従来通りセリフや行動の分岐で提示されるが、今回は「何もしない」という選択肢が明示的に登場する場面が増えた。介入することの傲慢さ、放置することの罪悪感、どちらを選んでも後味が悪い場面が意図的に配置されている。True ColorsのAlexが共感力という能力を通じて「感じすぎる痛み」を描いたように、本作はマックスの時間操作を通じて「知りすぎる重さ」を問い続ける。能力の派手さより、その倫理的な重力のほうが圧倒的に強い。 クロエとの共同行動場面では、クロエ側の視点に切り替わるシーケンスも存在する。Before the Stormのクロエ操作パートで描かれた彼女の内面が、ここで再接続される。Deck Nineがクロエという人物をどれほど丁寧に扱っているかが伝わってくる瞬間だ。 ## 演出と雰囲気の魅力 カレドン大学の美術キャンパスを中心にした舞台は、アーケイディアベイの閉塞感とは対照的に開かれているようで、しかし逃げ場のない息苦しさを帯びている。光の使い方が卓越しており、昼と夜、晴天と曇天で同じ場所がまるで別世界に見える。とくに夜のキャンパスを歩くシーンは、静けさと危うさが混在する独特の緊張感があり、ただ画面を見ているだけで何かが起こりそうな予感が持続する。 サウンドトラックはインディーフォークとエレクトロニカを軸に構成されており、初代への郷愁を刺激しながら新しいトーンを打ち出している。プレイヤーの部屋でレコードを探して再生できるシステムが継続されており、音楽が物語のテクスチャとして機能している。Telltale GamesのThe Walking DeadシリーズやOxenfree IIと比較すると、本作は「音楽を聴く体験」への投資が段違いに大きい。 写真を撮るというマックスの行為が、ゲームプレイのメカニクスとしてより深く組み込まれた点も見逃せない。特定の場面でカメラを構えると、マックスの内なる独白が流れる。それは選択肢でも分岐でもなく、ただ彼女が今何を感じているかを語るだけの瞬間だ。この余白の設計が、プレイヤーをキャラクターの感情に同期させる。 ## このゲームが刺さる人・刺さらない人 率直に言って、本作は既存シリーズのファンに向けて設計されている。初代やBefore the Stormを未プレイの状態で手に取ると、登場人物への感情的な文脈がほとんど機能しないまま終幕を迎えることになる。マックスとクロエの関係性が積み上げてきたものがあるから、本作の選択肢が痛いのだ。その意味では、完全な新規プレイヤーへの入口にはなりにくい。 また、アクションやパズルを期待すると肩透かしを食らう。ゲームプレイの大半は歩いて話して読んで選ぶことに費やされる。「インタラクティブな映像作品」と呼ばれるジャンルの中でも、本作は特にその傾向が強い。それを欠点と感じるかどうかは完全に個人の嗜好による。 一方、感情移入を求めるプレイヤーには、¥7,480という価格以上の体験が待っている。エンディングで何かが解放されるような感覚は、長編小説を読み終えたときに近い。「ゲームで泣いた経験」を持つ人が、もう一度その体験を求めるなら、本作はその要求に応えうる数少ないタイトルのひとつだ。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 14時間

まず初めにストーリーはうまく完結していてファンならプレイして後悔はないでしょう 音楽と映像は素晴らしかった ただやはりボリューム不足感が否めないかな、全体の尺はいいにしろ分岐が少ない やはり初代と比較してしまうことになるが、あの時こうしていれば、あいつを味方につけていればという大きな分岐なくエンディングの分岐はあるものの重要な選択肢は全体を通して3つくらいしかないと思う その選択肢を拾うために代わり映えしないストーリーをもう一度というリプレイ性は薄いですね やはり初代の壁は絶壁といえるほど高く伝説の作品でした

👍プレイ時間: 13時間

LISが大好きで長く遊んできたけど、ついに二人の物語が終わってしまう事実に目を背けています;( この作品は前作のダブルエクスポージャーと強く結びついた物語になっており 前作から続けて遊ぶことでより考察もはかどると思います また、他のレビューでもある通り、初代とビフォア ザ ストームも事前プレイ推奨です。 是非自らの手で遊んで、選択して未来を確認してください

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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