
Undertale
開発: tobyfox発売: tobyfox¥245
Steam レビュー
圧倒的に好評
PlayNext レビュー
「誰も倒さなくていいRPG」——この一行のキャッチコピーが、Undertaleというゲームのすべてを要約している。しかし、それが何を意味するのかは、実際にプレイするまで本当には理解できない。敵を倒してレベルを上げて先へ進む、その当たり前をひっくり返すことで、このゲームは「RPGとは何か」「選択とは何か」という問いをプレイヤーに突きつける。tobyfoxが一人で作り上げたこの小さなインディーゲームは、¥245という信じられない価格で、多くのゲームが数百時間かけても届かない場所へ、わずか数時間でプレイヤーを連れていく。
## 世界の狭さと、その密度
Undertaleのマップは小さい。プレイ時間は初回6〜8時間程度、世界も「地下の王国」というひとつの閉じた空間に収まっている。オープンワールドのスケールも、膨大なサイドクエストも、やり込み要素としての装備収集もない。
だが、この世界の密度は異常だ。すれ違うモンスター一体一体に固有の台詞があり、プレイヤーの行動を覚えている。道中で出会うキャラクターたちは、ただの背景ではなく、それぞれ固有の事情と感情を持って生きている。フラウィー、トリエル、サンズ、パピルス——名前を挙げればきりがないが、彼らはRPGの「NPC」という概念を根底から覆す存在として機能する。
世界の「広さ」ではなく「深さ」で勝負するゲームが好きな人には、この密度が刺さる。逆に、広大なフィールドを自由に駆け回ることに喜びを感じるタイプには、窮屈に映るかもしれない。
## こういう人は合わないかも
まず正直に書いておく。Undertaleは万人向けではない。
戦闘に爽快感を求める人には向かない。敵との戦闘は弾幕回避のミニゲームだが、「倒す」のではなく「なだめる」「話す」「いたずらする」といった行動で解決することが基本になる。攻撃してザクザク倒す気持ちよさは、ほぼない。
また、ドット絵と古めかしいグラフィックが苦手な人も注意が必要だ。Undertaleのビジュアルは意図的にチープで、スーパーファミコン時代のRPGを思わせる。これを「味」と感じるか「時代遅れ」と感じるかで、入口から体験が変わる。
さらに、「ゲームを普通にプレイする」だけでは全貌が見えない構造になっている。一周クリアしただけでは、このゲームが本当に何をしようとしていたのかが分からない。謎を追って複数周プレイする粘り強さと好奇心が、深い体験の前提条件になる。
## 初見プレイヤーへのアドバイス
ネタバレは絶対に避けること——これが最優先だ。Undertaleほど「知らない状態でプレイする価値」があるゲームは珍しい。攻略情報を調べるより、まず自分の直感で選択してほしい。
戦闘で迷ったら、とにかく「ACT」コマンドを試すこと。敵ごとに異なるリアクションがあり、それ自体がストーリーの一部になっている。全滅(ゲームオーバー)を恐れなくていい。このゲームにおける「失敗」は、物語の一部として設計されている。
音楽は必ずONにすること。tobyfoxが手がけたサウンドトラックは、ゲーム体験の核を成している。「Megalovania」「Hopes and Dreams」「Undertale」——これらの楽曲は、場面と切り離せないかたちでプレイヤーの記憶に刻まれる。
そして、一周クリアしたら「もう一度プレイする気になるか」を自分に問いかけてほしい。その答えが、このゲームとどこまで付き合うかを教えてくれる。
## エンドコンテンツの充実度
Undertaleには三つのルートが存在する。モンスターを一体も倒さない「パシフィストルート」、すべてを倒し尽くす「ジェノサイドルート」、そしてその中間の「ノーマルルート」だ。
パシフィストとジェノサイドは、同じ世界を舞台にしながら、まったく別のゲームといえるほど体験が異なる。ジェノサイドルートは技術的にも精神的にも過酷で、一部の戦闘は本格的なアクションゲームの難易度に達する。「サンズ戦」は、Undertaleを知らない人にもその名が知られるほどの、伝説的なボス戦だ。
ただし、「エンドコンテンツが豊富」という意味での充実ではない。周回を通じて物語の解釈が変わり、一周目では気づかなかった伏線が回収される——その「意味の積み重なり」がUndertaleの真のエンドコンテンツだ。Mass EffectやNier:Automataのような「選択が結末を変える」ゲームに近いが、それよりもはるかに小さなスケールで、より鋭く刺さる構造になっている。
## こういう人におすすめ
Mother2(EARTHBOUND)やNier:Automataが好きな人には、強く勧める。メタ的な構造、キャラクターへの愛着、音楽と物語の融合——これらを重視するプレイヤーにとって、Undertaleは同じ系譜に連なる体験を提供する。
「ゲームとは何か」という問いに興味がある人にも向いている。Undertaleはプレイヤーが「ゲームをプレイしている」という事実そのものを物語の素材にする。セーブとロードの意味、繰り返しプレイの意味、キャラクターを「操作する」ことの意味——こうしたメタ的な問いかけを、説教くさくなく、物語の中に溶け込ませる手腕は見事だ。
¥245という価格は、このゲームを試す障壁をほぼゼロにする。「RPGのお約束を疑いたい」「小さくても刺さるゲームが好き」「泣けるゲームをやりたい」——どれかひとつでも当てはまるなら、迷う理由はない。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 17時間
300円以下で買ったので、値段を踏まえれば破格の面白さだしおすすめできるけど、いくらなんでもラスボスは難しすぎると思った。ストーリー的にもラスボスを倒さないルートだけだと中途半端な感じになってしまうし、もう少し救済要素があってもよかったのでは。
👍プレイ時間: 15時間
逆刃刀ルートはサンズに全肯定された気分になるので最高に気持ちがいい。 サントラも買ってしまうほどに音楽も最高。
👍プレイ時間: 5時間
RPGと弾幕シューティングを掛け合わせた個性的なゲーム 後に続くことになる無数の作品に甚大な影響を及ぼし、その礎となった先駆的作品の一つである
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット






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