PEAK

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開発: Team PEAK発売: Aggro Crab¥880

PlayNext レビュー

登山ゲームというジャンルに対して、あなたはどんなイメージを持っているだろうか。静謐な自然の中を黙々と歩く体験か、あるいはロッククライミングのメカニクスを模倣したパズルゲームか。『PEAK』はそのどちらでもない。このゲームが問うのは、「仲間と一緒に、死の淵すれすれを歩きながら頂上を目指せるか」という、きわめてシンプルで残酷な問いだ。わずかなミスが命取りになる設計、一度の判断ミスが取り返しのつかない滑落につながる緊張感、そして——それでも諦めない理由を与えてくれる絶景。¥880という価格帯に収まっているにもかかわらず、その体験密度は想像をはるかに超えてくる。協力ゲームとして括るのが惜しいほど、このゲームには独自の緊張と達成のリズムがある。 ## 探索の喜び——道なき島を自分の足で読む 『PEAK』の舞台は、外部との接触を断たれた不思議な孤島だ。プレイヤーはこの島の中心に聳える山を登ることで唯一の脱出ルートを開く。チュートリアルらしきチュートリアルはほぼ存在しない。マップを開けば地形の輪郭は見えるが、安全なルートは自分で判断するしかない。 探索の面白さは「地形を読む」ところにある。斜面の角度、岩の出っ張り、遠くに見える稜線の形——それらを総合して「このルートなら行けるはずだ」と判断し、体を預けてみる。正解のときは視界が一気に開け、眼下に広がる島の全景が報酬として待っている。不正解のときは滑落して体力を削られ、最悪の場合はその場でゲームオーバーだ。この「読み」の積み重ねが探索の骨格を作っており、何度やっても新しい発見がある。 同ジャンルの類似作として『Getting Over It with Bennett Foddy』や、フランスのスタジオが手がけた縦型クライミングゲーム『Jusant』が挙げられる。前者が「失敗と理不尽を哲学的に笑い飛ばすゲーム」なら、後者は「美しいアートと静かな物語に浸る一人旅」だ。『PEAK』はそのどちらとも異なり、「仲間との生き残り判断の積み重ねが問われる協力サバイバル」に近い。仲間がいるからこそ失敗が痛く、成功が嬉しい。 ## 世界への没入感——親切ではない島の重さ このゲームの没入感は、派手な演出ではなく「環境そのものの重さ」によって生まれる。天候が変わると視界が狭まり、足場の判断が急に難しくなる。体力ゲージが削られると操作のレスポンスが鈍り、足取りがおぼつかなくなる。こうした身体的フィードバックの積み重ねが、「今自分は本当に疲弊している」という感覚を作り出す。ゲームの外側にいる自分の肩まで力が入る、そういう種類の没入だ。 比べると、『A Short Hike』のような温かみのある探索ゲームは世界を「歓迎してくれる場所」として描く。しかし『PEAK』の島は親切ではない。美しくはあるが、人間を受け入れる地形ではない。その緊張感が、山頂に近づくにつれてじわじわと蓄積していく。ソロプレイでもこの没入は十分に機能するが、マルチプレイでは「同じ恐怖を共有している」感覚が加わり、さらに厚みが出る。仲間の「ここ滑りそう」という一言、体力切れで動けなくなった仲間を引き上げるための判断——それぞれが没入をさらに深める要素になっている。 ## 協力の緊張——チームで死の際を歩く 「協力ゲーム」と聞くと、にぎやかで和気あいあいとした雰囲気を想像するかもしれない。しかし『PEAK』の協力プレイは、もう少しヒリヒリしている。一人のミスが全員の体力ロスにつながる局面があり、ルートの選択で意見が割れると実際に全員のリスクが変わる。「俺はこっちから行けると思う」「いや、あの斜面は無理じゃないか」という短い会話が、そのまま生死に直結する。 それだけに、仲間と息を合わせて難所を突破したときの達成感は格別だ。黙って手を差し伸べ合い、言葉なしに意図を読み合って難所を越える——その瞬間の充足感はほかのゲームでなかなか得られない。野良マルチでも意外と連携が自然に成立するのは、このゲームの設計が「コミュニケーションの必要性」を場面ごとに有機的に生み出しているからだと思う。 注意点として、理不尽に感じる場面はある。安全に見えた足場が崩れたり、予期しない天候変化で詰む展開もある。ストレスなく快適に進みたいプレイヤーよりも、リスクと報酬のバランスを手触りで楽しめるタイプ、あるいは仲間と笑いながら失敗を分かち合える環境がある人に特に向いている。 ## 山頂という名の到達点——登り切ることの意味 ボス戦は存在しない。『PEAK』のエンドコンテンツはただ一つ、山頂に立つことだ。しかしそこへ至るまでの道のりが濃密すぎるために、山頂はただの終点ではなくなっている。 進むにつれて地形は険しくなり、選択肢は狭まり、体力の余裕も消えていく。最終局面では「ここで一手間違えたら終わり」という緊張が何度もピークを迎える。その意味で山頂は、ゲーム全体の積み重ねの総決算として機能している。ボスを倒す爽快感とは異なる、「自分たちの判断と忍耐が積み重なって、ここまで来た」という種類の達成感だ。それは静かで、しかし深い。 ¥880という価格設定は明らかな強みだ。プレイ時間の長さよりも体験の密度で勝負しているこのゲームは、一回の山行に全力を出し切るタイプのプレイヤーに刺さる。気軽に始めて、気づいたら仲間と数時間息を詰めていた——そういう体験を提供できるゲームは多くない。「次に何をプレイすればいいかわからない」という人に、迷わず手に取ってほしい一本だ。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 5時間

楽しいです.一人でじっくり登るのもよし.マルチで大騒ぎしながら登るのもよし.ただ難易度が高く,最初はイージーでも軽く死ねます.日替わりで地形がランダム生成されるものの,ステージ自体は同じなため,序盤で死んでいると飽きてしまうかもしれません.

👍プレイ時間: 23時間

神ゲーです。難易度普通でちょうどいいレベルです。下手にModを入れないほうが非常に楽しめると思われます、ゆっくりとチェストを探し回って便利アイテムを友達と共有しよう!!

👍プレイ時間: 32時間

私は、友達と2人で、PEAKをやりました。笑いながらできるゲームでとてもいい思います。 だが、、、、第二ステージに出てきた深き森だけは許せません、許さねえからな、絶対に許さないからな!!運営!!!!!!😡 深き森以外はとても楽しかったです。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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