
REANIMAL
開発: Tarsier Studios発売: THQ Nordic¥5,720
Steam レビュー
非常に好評
PlayNext レビュー
暗闇の中で、子どもの手を引いて走る。そのたった一つの体験に、このゲームのすべてが詰まっている。REANIMALは「Little Nightmares」シリーズを生み出したTarsier Studiosによる新作ホラー・アドベンチャーだ。前作から続く独特の美学——息苦しいほど緻密な世界観、プレイヤーの背筋をじわりと這い上がるような恐怖演出——をそのまま引き継ぎながら、今作では「孤独」ではなく「絆」を軸に据えた物語が展開する。行方不明になった友人を救うため、兄弟が謎に包まれた島から脱出しようとするこの旅は、単なるホラーゲームの枠を超えた、喪失と勇気の物語として機能している。
操作感は前作シリーズのファンであればすぐに馴染める。キャラクターの動きは重力を感じさせるほどどっしりとしており、ジャンプや掴まりのタイミングに独特のもたつきがある。これはバグでも粗さでもなく、意図的なデザインだ。スムーズに走り抜けられないからこそ、追いかけられる恐怖がリアルになる。床を這いずる、狭い隙間をくぐる、高台から飛び移るといったアクションひとつひとつに、幼い体の脆さと必死さが宿っている。パズル要素は「重さ」と「光」と「協力」を基軸にしており、二人協力プレイ時にはお互いの力を借りないと突破できない仕掛けが随所に配置されている。一人でプレイする場合でもAIパートナーが補助してくれるが、人間と組んだときの息の合った連携は格別だ。テンポは全体的にゆっくりとしており、ホラーゲームとしての「溜め」を大切にしている。アクションゲームのように操作技術を競うものではなく、環境を観察し、恐怖を飲み込みながら一歩ずつ進む忍耐のゲームだ。
ビジュアルの密度は圧倒的だ。島のそこかしこに積み重なった廃材、腐敗した建物の壁、不吉な影を落とす生き物たち——画面に映る一つひとつのオブジェクトが、語られない物語を静かに語っている。光と影のコントラストは今作でもシリーズ屈指の完成度を誇り、懐中電灯や蝋燭のわずかな明かりが照らし出す範囲の外にある「見えないもの」への想像力を最大限に刺激する。サウンドデザインもまた特筆すべきレベルにある。足音、軋む床板、遠くから聞こえる得体の知れない声——これらが精緻に調律されており、サラウンドサウンド対応環境でプレイすると、音の方向から敵の位置を察知する緊張感がさらに増す。BGMは控えめで、無音の瞬間こそが最も雄弁にプレイヤーを追い詰める。
世界観の語り口は今作も徹底してサイレントだ。REANIMALには説明的なセリフもナレーションもほとんど存在しない。島で何が起きたのか、友人はなぜ消えたのか、あの生き物たちは何者なのか——すべては環境とビジュアルを通じてプレイヤー自身が読み解くことになる。この「語らない語り」のスタイルは、解釈の余地を生み出し、クリア後もしばらく頭の中で反芻させる力を持っている。子どもたちが主人公でありながら、物語が扱うテーマは決して子ども向けではない。見捨てられることへの恐怖、信じることの脆さ、それでも誰かのそばにいようとする意志——ダークファンタジーの皮をまとった、きわめて人間的な物語だ。
同ジャンルの作品と比較するなら、まず同スタジオの「Little Nightmares II」が最も近い参照点になる。しかし今作は二人協力プレイを核に設計されており、孤独の恐怖よりも「一緒にいることで乗り越えられる」という感覚に重きを置いている。「LIMBO」や「INSIDE」と比べると物語性はより具体的で感情的であり、純粋なアート体験よりも没入型のゲーム体験に寄っている。「It Takes Two」のように二人プレイを推進するゲームとも異なり、あくまでホラーとしての緊張感が最前面にある。協力プレイを楽しめるダークアドベンチャーという点で、現時点でほぼ唯一無二のポジションを占めている。
プレイ時間はメインストーリーのみで6〜8時間程度が目安だ。隠し収集アイテムやシークレット要素の探索を含めると10時間前後になる。周回プレイへの動機付けとしては、難易度変化よりも「見落としたものを拾い直す」寄り道的な楽しみ方が中心となる。エンドコンテンツとしての大ボリュームは期待しないほうがいい。映画を二本観るような感覚で、濃密な体験を一気に完走する作品だ。
注意すべき点もある。ゲームプレイの難易度はそれほど高くなく、死んでも即座に近くのチェックポイントから再開できる親切設計だが、その分スリルよりも雰囲気を楽しむことに特化している。ゲームとしての歯ごたえを求めると物足りなさを感じるかもしれない。また、心理的に重い演出が続くため、ダークな世界観が純粋に苦手な人には相性が悪い。操作の「もたつき感」も好みが分かれるポイントで、レスポンシブなアクションゲームに慣れたプレイヤーには最初不快に感じる可能性がある。
この作品が強くおすすめできるのは、Little Nightmaresシリーズが好きで今作でも同じ体験を求めている人、信頼できる友人やパートナーと協力プレイを楽しみたい人、そしてゲームを「プレイするもの」より「体験するもの」として捉えている人だ。逆に、長時間遊べるボリュームや高い難易度によるゲームとしての達成感を重視する人、ホラーが生理的に受け付けない人には向かない。5,720円という価格はプレイ時間から見ると決して安くはないが、その時間の密度と余韻の深さに価値を見出せるなら、それ以上の満足感を返してくれる一作だ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 16時間
Little Nightmareシリーズは操作が難しくてフラストレーションが溜まったが、本作はシビアな操作が求められない。独特なホラー感は健在で、不思議な世界の中を進むのが楽しい。
👍プレイ時間: 11時間
実績をコンプリートしました。 意外とサクサク出来て、ダークな世界がとても楽しかったです! ココに書くことでは無いですが、ラストのウサギさんタッチの場面でしゃがむを押すと両足がくっつき少し可愛い動きをします。私のコントローラのせいかも知れないですが一様ね。
👍プレイ時間: 12時間
全実績解除までプレイしました。神ゲーです。リトルナイトメア1、2をプレイして面白いと思った方には是非ともプレイしていただきたい。芸術的な観点でゲームを楽しめる人にはおすすめです。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











