Raft

Raft

開発: Redbeet Interactive発売: Axolot Games¥1,980

PlayNext レビュー

広大な海に、小さなイカダ一枚で投げ出される。所持品はフックが一本だけ。漂流するゴミを引き寄せ、板を積み重ね、食べ物を探し、サメを追い払いながら、少しずつ「家」を作っていく。Raftの核心体験はシンプルだが、その根底にあるのは「無から有を生み出す」という人間の本能的な衝動だ。序盤の数時間で感じる達成感——2×2の粗末なイカダに屋根と調理台が増え、農場ができ、水精製機が動き始める瞬間の充実感——は、同ジャンルの多くのタイトルと比べても群を抜いている。 ## 物語の引力 Raftには、一見するとストーリーらしいものがないように思える。だが、海上に点在する島々、朽ちた施設、残されたノートやオーディオログを辿っていくと、水没した世界の輪郭が少しずつ見えてくる。なぜ世界は海に沈んだのか。他の生存者たちはどこへ消えたのか。 この語り方は押しつけがましくない。「気になれば読む、気にしなければ建築に没頭する」という自由が担保されている。ValheimやSatisfactoryのように「次の目標」が明示されるゲームとは異なり、Raftの目的地はプレイヤー自身が発見していく形式だ。一方で、完全にサンドボックス任せではなく、大型アップデートで追加されたラジオタワーや研究施設がロードマップとして機能し、迷子になりにくい設計になっている。探索と生存の両方に動機を与えるこの構造は、長時間プレイを支えるバランス感覚として秀逸だ。 ## 演出と雰囲気の魅力 Raftの時間経過は、ゲームとして体験する以上の密度を持っている。夜明け前の薄暗い海面をフックで漂流物を拾いながら、じわじわと空が白んでいく。嵐のときは波が高くなり、視界が悪くなる。こうした環境の変化は単なる見た目の演出ではなく、プレイヤーの緊張感と行動パターンに直結している。 特に印象深いのがサメの存在感だ。BGMが変わり、水中に影が見えた瞬間の緊張感は、ホラーゲームのそれに近い。最初は恐怖の象徴だったサメが、プレイが進むにつれて「まあ、またか」と感じられるようになる変化も、成長の証として機能している。『Subnautica』のような深海恐怖を期待すると拍子抜けするが、Raftのサメはプレイヤーを適度に緊張させながらも、ゲームのテンポを壊さない絶妙な脅威レベルに調整されている。 ## ビジュアルとサウンドの仕上がり グラフィックは高精細ではないが、カートゥーン調のビジュアルが海のスケール感を損なわずに表現できている。水の表現は特に丁寧で、浅い礁では青緑色の光が差し込み、深海付近では暗く不透明になる。この視覚的なグラデーションが、潜水時の探索に緊張とリワードを同時に与えている。 サウンドデザインも地味に質が高い。波の音、木板が軋む音、調理台から漂う煮炊きの効果音——こうした生活音の積み重ねが、イカダへの愛着を静かに育てていく。BGMはアンビエント寄りで主張が少なく、プレイヤーの没入を邪魔しない。ただし、数十時間プレイすると同じ曲が繰り返されることに気づく。音楽のバリエーションはもう少し欲しかったというのが正直なところだ。 ## コミュニティとMOD文化 Raftは長年にわたってアップデートが続けられた結果、MODコミュニティが非常に活発だ。Steam Workshopには建築の自由度を広げるMODから、新生物を追加するもの、UIを改善するものまで多岐にわたる。バニラ状態でのコンテンツに物足りなさを感じたら、MODで大幅に拡張できる。 協力プレイのコミュニティも根強い。フレンドと一緒にイカダを設計しながら言い合いになる体験——「ここに農場を置きたい」「いや、そこは釣り場にする」——はこのゲームの醍醐味の一つで、一人では生まれない物語が生まれる。DiscordやRedditのコミュニティはフレンドリーで、初心者の質問にも丁寧に答える文化がある。価格が1,980円という手頃さも、フレンドを誘いやすい要因だ。 ## こういう人は合わないかも 序盤の反復作業が苦手な人には厳しい側面がある。最初の数時間は「フックを投げる→拾う→作る」の繰り返しで、この段階をつまらないと感じた場合、後半の探索フェーズまで辿り着けない可能性がある。また、明確な「勝利条件」を求めるプレイヤーにも向かない。エンディングは存在するが、あくまでひとつの到達点であり、クリア後も生存と建築は続く形式だ。 戦闘システムは最小限で、アクション性を重視するプレイヤーには物足りないだろう。DayZやThe Forestのような複雑なサバイバル要素、7 Days to Dieのようなディフェンスゲームとしての深度はない。Raftはあくまで「作ることと発見すること」に特化したゲームであり、その価値観に共鳴できるかどうかが、楽しめるかどうかの分岐点になる。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 26時間

初めにすることが分からないと、デスする可能性が高い キーコンフィグ設定をきちんとしないと、まず操作ができないのも難点 あえて書いておくなら、最初に島を目指して果物を集めるのがいいかも(水と食料回復ができる)

👍プレイ時間: 7時間

画面が揺れすぎて長時間やってると疲れますが、ゲームとしては面白いです。 常に筏が揺れるのと空腹時と口渇時に画面が酔ったみたいになります。

👍プレイ時間: 60時間

フレンドと2人でクリアしましたが、とても面白かったです。 サンドボックスゲームと見せかけて、実はストーリーがあります。 もちろん、サンドボックス要素もあるので、探索や自動化などが好きな人にもおすすめです。 マルチでもソロでも楽しく遊べると思います。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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