
俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE
Solo Leveling: ARISE OVERDRIVE
開発: Netmarble Neo発売: Netmarble¥3,493
PlayNext レビュー
全世界143億ビューという数字は、単なるマーケティングの誇張ではない。「俺だけレベルアップな件」は、"最弱の冒険者が孤独に成長していく"という普遍的な快感を、漫画という媒体で極限まで研ぎ澄ませた作品だ。そのIPがアクションRPGとして動き出した本作は、原作の「成長を見届ける悦び」をゲームプレイに翻訳しようとした野心的な試みである。モバイル版「ARISE」をベースに、PC向けに映像・操作性・コンテンツを強化した「OVERDRIVE」は、ファンとアクションRPG好きの両方に向けた一本だ。ただし、その向き・不向きははっきりしている。
## 成長という名の中毒——E級から始まる旅の設計
原作の核心は「最弱キャラが覚醒し、誰にも知られないまま最強になっていく」孤独な高揚感だ。本作はその感覚をゲームシステムに落とし込もうとしている。序盤のジノョン(成ジノウォン)は文字通り脆く、ダンジョンの最下層でぎりぎりサバイブするような立ち位置から始まる。そこからステータス画面が数字で埋まり、スキルツリーが解放され、影の兵士たちが軍団として増えていく過程——この「積み上げが可視化される」設計こそが本作の最大の強みだ。
ただし、これはガチャ型RPGのゲームループを前提とした成長設計でもある。キャラクター収集・装備強化・ステージ周回という構造はモバイルゲームのDNAを色濃く引き継いでいる。「ストーリーを追いながらアクションを楽しみたい」プレイヤーには十分な密度があるが、「育成の深さとやりこみに数百時間を費やしたい」という層には物足りなさを感じる場面も出てくるだろう。
## 剣戟の手触り——爽快感の精度
戦闘は一言で言えば「見栄えの良い手触り」だ。敵への叩きつけ、回避のタイミング、スキルの発動演出——どれも丁寧に作られており、序盤から画面が派手に動く。特にジノョンの「影の支配者」スキル系は、召喚した影の兵士たちが自律的に動き回りながら、プレイヤーのアクションと連動していく様子が視覚的に気持ちいい。
コンボの自由度はそれほど高くない。『Devil May Cry』や『Bayonetta』のように複雑な入力で攻撃を組み替える設計ではなく、スキルをローテーションしながらクールダウンを管理する、どちらかというと「間口の広いアクション」に近い。ボス戦にはパターン読みと回避の要素があり、難易度設定次第でそれなりの歯ごたえも得られる。ただし、PC向けキーボード+マウス操作よりコントローラーの方が明らかに気持ちよく動く。フルコントローラーサポートは伊達ではない。
## 『崩壊スターレイル』『ブルーアーカイブ』との違い
同じキャラクター収集型アクションRPGと並べたとき、本作の立ち位置は独特だ。『崩壊スターレイル』がターン制戦略とビジュアルノベル的演出に振っているのに対し、本作はリアルタイムアクションへの比重が高い。『ブルーアーカイブ』はキャラへの愛着形成が中心だが、本作はあくまで「ジノョンの物語」が主軸で、プレイヤーはその成長を追体験するスタンスだ。
より近いのはNetEaseの『オノゴロ物語』やNCSoftの『プロジェクトBASS』のようなIP原作アクションゲームだろう。原作ファンへの訴求力を武器に、ゲームとしての完成度をどこまで高められるかという勝負。その意味で本作は、原作再現度の高さを武器にしながら、純粋なゲームとしての洗練ではやや妥協が見える位置にいる。
## サイドコンテンツの奥行き——周回の先にあるもの
メインシナリオを終えた後のコンテンツとして、難易度別のダンジョン攻略・マルチプレイでのレイド・装備厳選の周回がある。協力プレイでの突撃クエストは、ソロでは再現できないスケール感があり、フレンドと連携して強敵を倒したときの達成感はそれなりに機能している。
ただし、サイドクエストそのものは薄い。NPC会話と短いバトルを繰り返すだけの構成が多く、「探索の先に物語が待っている」という感覚は弱い。ここは明確にモバイルゲーム的な設計の名残であり、オープンワールドRPGのような世界への没入を求めると肩透かしを食らう。あくまで「メインシナリオと育成ループを楽しむゲーム」と割り切ることが、長く遊ぶための心構えになる。
## Steamレビューの数字が語らないこと
本作のSteamレビューは原作ファンの熱量に支えられているが、その裏側にはモバイルゲーム出身という構造的な制約がある。ガチャ要素・スタミナ制の名残・パス型の課金モデル——これらはPCゲームとして単体で評価したとき、不満として挙がりやすい部分だ。「3,493円を払った上でさらに課金が絡む設計」への反応は、プレイヤーの課金観によって大きく分かれる。
逆に、原作を読んでいてアニメも追っているというファンにとっては、ジノョンの声・モーション・演出を「動くキャラクターとして操作できる」喜びは特別なものがある。レビューの高評価の多くはここから来ており、それ自体は本物の体験だ。
**このゲームが刺さる人**: 原作ファン、スタイリッシュだが複雑すぎないアクションが好きな人、キャラ育成ループを眺めることに喜びを感じられる人。**慎重になるべき人**: モバイルゲーム的なマネタイズ設計に抵抗がある人、深いアクション性や探索の豊かさを求める人。E級からの旅は美しいが、旅の向き不向きは最初から自分で確かめた方がいい。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 239時間
良かった点は、アニメ好きならばストーリーもそのままでとても楽しめます。戦闘時もパリィなど含めと面白いです。 操作性はかなりよくできています。 希望は、とにかくお金が不足する事の改善と、スマホ版くらいイベント含めアプデしてほしいところ。 ダメポイントはマッチング時の通信エラーのバグが酷すぎるのと、マッチング時に会話ができないので、タンクやヒーラーなどの役割分担がができないのが残念。 キャラクター自体5種類から選べるので、武器や装備の厳選などの成長含め、とても楽しんでいます。
👍プレイ時間: 72時間
普通に面白いですが、バグが多すぎます。 ・能力値アップ画面から戻った時キャラが動かない → タイトルに戻って再起動で直る ・戦闘中、画面切り替え時にコマンドが出なくなる → リトライで直る いずれにしても、面倒です。
👍プレイ時間: 85時間
終盤にかけてはすごく面白い。 でも、終盤に入ってからの素材集めや金策があまりにもつらい。 普通のゲームなら、進めば進むほどお金稼ぎや素材集めが効率化されて、 「強くなった分、楽になる」はずなのに、このゲームは逆で、進むほど苦しくなっていく。 ゲーム自体は良いのに、育成や強化の部分が足を引っ張っていて、純粋に楽しめなくなるのが本当にもったいない。 この点はぜひ改善してほしい。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











