
炎姫
Homura Hime
開発: Crimson Dusk発売: PLAYISM¥2,480
PlayNext レビュー
弾幕が画面を埋め尽くす瞬間、プレイヤーは炎を纏った少女として、その光の嵐の中に飛び込んでいく。『炎姫』の本質は、「避ける」という受動的な行為を「斬り込む」という攻勢に転換したところにある。弾幕シューターの緊張感と、3Dアクションの爽快な連撃を一本の軸に通した本作は、2,480円という価格が信じられないほどの密度を持つインディータイトルだ。
ゲームプレイの中心は、近接と遠距離の切り替えによるコンボ構築にある。敵の弾幕をギリギリでかわしながら斬撃を叩き込み、遠距離の炎弾で浮かせて追撃する——この流れがうまく決まったときの手触りは、DMCシリーズに通じるスタイリッシュな達成感を持つ。ただしDMCと決定的に違うのは、常に画面を覆う弾のプレッシャーが存在することだ。一瞬でも立ち止まれば蜂の巣になる。攻撃しながら避け続けるという二重の要求が、プレイヤーの集中力を極限まで引き出す。
パリィシステムは本作のもうひとつの柱で、弾の一部を正確なタイミングで弾き返すことができる。成功すれば敵にダメージを返しつつ、一瞬の隙が生まれる。これを使いこなせるようになると、弾幕そのものが攻撃のリソースに見えてくる。Sekiroのパリィが好きなプレイヤーなら、この感覚に強い既視感を覚えるはずだ。ただしSekiroが一対一の剣戟に特化しているのに対し、本作は多方向から飛んでくる弾の中でパリィタイミングを見極める必要があり、より即興性と反射神経が求められる。
ビジュアルはアニメ表現にこだわった作りで、セルシェーディング風のキャラクターが3D空間を縦横無尽に動き回る。主人公・炎姫の動作はよく磨かれており、回避のステップ、空中ダッシュ、炎の残像を引く斬撃といったモーションに明確な意図が感じられる。弾幕自体も単なる障害物ではなく、敵ごとに色や軌道のパターンが異なり、それ自体が視覚的なデザインとして機能している。ステージ背景はやや単調な部分もあるが、戦闘中は画面上の情報量が多く、それが気になる場面はほとんどない。
サウンドは和風と電子音楽を混ぜた独特のスコアで、激しい戦闘シーンを盛り上げる。斬撃音と弾着音のSEはしっかり作り込まれており、コンボが繋がる感触と音が連動している。フルコントローラサポートも完成度が高く、振動フィードバックがパリィの成否を手のひらに伝えてくる。
世界観は日本的な妖魔退治の文脈で構築されており、炎を操る姫巫女が異形の妖魔たちと戦う設定だ。ストーリーはボス前後のカットシーンで語られる形式で、多くを語りすぎずに雰囲気を維持している。テキストは日本語のみで、翻訳品質を気にする必要がない点も好感が持てる。世界観を深掘りするような膨大なロア要素は薄いが、戦闘とナラティブのバランスとしては適切な判断に見える。
プレイ時間は初周クリアまで概ね5〜8時間程度が目安になる。難易度調整が搭載されており、ライトなアクション好きから弾幕シューターに慣れた上級者まで間口は広い。Steam実績はスタイリッシュランクの維持やノーダメージクリアといった高難度条件が含まれており、やり込み派には十分な歯ごたえがある。Steamクラウド対応で複数環境間のデータ引き継ぎも問題ない。周回要素については、難易度を上げての再挑戦と実績コンプリートが主なモチベーションになる。一本道型のゲームなのでストーリーの変化による周回は薄いが、スコアアタック的な楽しみ方には向いている。
注意点をいくつか挙げておく。弾幕の密度は高く、画面酔いしやすいプレイヤーには負荷がかかる場面がある。また、コンボシステムは自由度が高い分、最適な立ち回りを自分で発見する必要があり、マニュアルな誘導は少ない。「とりあえず攻撃しつつ生き残る」だけでは中盤以降は通用しなくなるため、パリィと弾幕回避の習熟を楽しめる人向けだ。ストーリー重視のプレイヤーや、深いロールプレイ要素を求める人には物足りない可能性がある。
こういう人に強くおすすめしたい。アニメ調のビジュアルが好きで、アクションゲームに高い反射神経と戦略性を求めるプレイヤー。『鬼滅の刃 ヒノカミ血風譚』のような世界観は好きだが、より歯ごたえのある戦闘を求めている人。弾幕シューターをプレイしたことはあるが、3Dアクションとの融合という体験に興味がある人にとっても、本作は得難い一本になる。
逆に、RPG的な成長要素やキャラクターのカスタマイズを主軸に楽しみたい人、テンポのゆったりした探索型アクションが好きな人には向かないだろう。本作は徹頭徹尾、反応速度と判断力を問う緊張感の中にある。それを「楽しい」と感じられるかどうかが、このゲームとの相性をすべて決める。2,480円という価格帯で、ここまで尖った体験を提供するインディー作品は珍しい。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 16時間
軽快で爽快なアクション パリィ中心の立ち回りになるが、ソウルライクとは違い受付時間もそこそこ長いのでボタン連打でもほぼ大丈夫。 まぁどっちかと言うとパリィは弾いて体勢を崩すと言うより身躱しやいなしに近い感じ(一応、体幹ゲージもどきは削れます) とは言えボス戦ではそこそこ苦戦する場面もありますが、救済処置として復活アイテムもあり初心者でもクリアできるでしょう。(高スコアを目指すなら復活アイテムはご法度) ストーリーも楽しませてもらいつつ、悲しくもありました。 この価格でこの内容なら文句なし
👍プレイ時間: 14時間
キャラクターは表情豊かで可愛いし、敵との戦闘は面白く、値段を考えたら良いと思う。ただ自由度や探索の楽しさはあまりないので期待しすぎないほうがよい。あとカメラアングルが目まぐるしくかわるので酔いやすい。
👍プレイ時間: 4時間
コンボや回避、パリィなどアクションがとても気持ちいいんだけどイクラ弾幕はいらない気がする。弾がどこにあるか見にくくて避けづらい。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











