
WILD HEARTS™
開発: KOEI TECMO GAMES CO., LTD.発売: Electronic Arts¥970
PlayNext レビュー
モンスターハンターライズを初めてプレイしたとき、あの「ゼロから戦い方を発明している感覚」に熱中した人なら、WILD HEARTSはその感覚をもう一度、しかし別の角度から体験させてくれる。コーエーテクモの開発チーム・Omega Forceが手がけたこのタイトルは、ハンティングゲームというジャンルに「建設」という軸を持ち込んだ意欲作だ。巨大な獣「鵺(ケモノ)」と戦いながら、同時に木箱・バネ・爆弾・足場を即興で組み立てていく——その発想の奇抜さと、実際に動いたときの快感のギャップが、このゲームの核心にある。
## 価格に見合う体験か
現在¥970という価格は、コンテンツの量を考えると驚異的なコストパフォーマンスだ。メインストーリーをクリアするだけで30〜40時間はかかり、武器の熟練度を上げたり高難易度の鵺を周回したりすれば、軽く100時間は吸われる。6種類の武器はそれぞれ操作感が大きく異なり、「大剣でゴリ押しする」プレイと「弓で距離を保ちつつ罠を積み重ねる」プレイでは、同じ敵が別のパズルに見えてくる。
ただし購入前に知っておくべきことがある。このゲームはリリース当初、PC版のパフォーマンス問題が深刻で、批判を受けた過去がある。現時点ではパッチで大幅に改善されているが、ハイエンドでないPCでは快適さに差が出る可能性がある。¥970の価格はその歴史的な経緯も反映している。
## 建設と狩猟が溶け合う瞬間
このゲームの爽快感は、モンスターハンターのような「武器の重みで圧倒する」感触とは根本的に違う。木箱を並べてジャンプ台を作り、空中から大剣を叩き込み、着地の瞬間に爆弾を起動する——それが数秒の間に連続して決まったとき、「自分が戦場を設計している」という独特の充足感が走る。
古代テクノロジー「絡繰(からくり)」と呼ばれるこの建設システムは、最初は「邪魔になりそう」と感じるほど独特だ。戦闘中にボタンを押すと木箱がその場に出現し、同じ素材を組み合わせると自動的に別の機構に変形する。3個積めばバネ台になり、4個並べれば竜巻砲になる。最初の数時間はその法則を体に覚えさせる段階で、正直なところ混乱する。だがある瞬間、指が考える前に動き始め、戦闘と建設が一つの流れになる。その閾値を超えたときの気持ちよさが、このゲームの本当のフックだ。
## 鵺との対話
鵺は単なる「倒すべき障害物」ではなく、それぞれが自然現象を体現した存在として設計されている。炎を操る「火炎の鵺」はフィールドを燃やしながら戦況を変え、水を操る「氷雨の鵺」は地形を凍結させて足場を変える。この「フィールドが敵の一部」という設計は、絡繰の建設と噛み合っている。凍った地面にバネ台を設置すれば敵の急所に一気に接近できるが、炎の中に木箱を置けば燃えて消える。
モンスターハンターの大型モンスターが「動くパズルの塊」とすれば、WILD HEARTSの鵺は「変動する環境そのもの」だ。同じ鵺でも戦い方が毎回少し違うのは、プレイヤーの絡繰の組み方と鵺の行動が交差する結果として生まれる。この双方向性が、繰り返しプレイへの動機になっている。
## 演出と世界観の引力
舞台となる「蒼糸(アズマ)」という地は、平安・鎌倉時代をベースにしたファンタジー世界で、同社のワイルドライフ系作品の中でもとりわけ美術の密度が高い。霧に霞む竹林、朽ちた社の境内、鵺が眠る巨大な湖——ロード画面を挟まずシームレスに広がる世界は、探索するだけで時間が過ぎる。
BGMは和楽器と管弦楽が混在し、鵺との戦闘が激化するにつれてテンポと音層が変化する動的構成になっている。これはモンスターハンターワールドが確立した演出に近いが、WILD HEARTSは鵺の「自然と融合した悲哀」をテーマに据えているぶん、撃破後の静寂がより印象的に機能する。狩猟の後、そこに残るのは達成感だけでなく、静かな余韻でもある。
## 誰に向いていて、誰に向いていないか
ハンティングアクションに慣れたプレイヤーほど、序盤の「絡繰チュートリアル期間」をストレスに感じる可能性がある。モンスターハンターの文法で動こうとすると、建設システムが思考の邪魔をする。逆に言えば、先入観なく遊べる人や、ハンティングゲームへの入門として触れる人にとっては、独自のリズムをゼロから習得できるぶん馴染みやすい。
協力プレイは最大3人で、クロスプラットフォームに対応している。ソロとマルチで敵の体力が変化する設計のため、一人で黙々と遊ぶスタイルでも難易度バランスは崩れない。¥970という価格帯を考えれば、試しに触れてみてシステムとの相性を確かめる価値は十分にある。「建設しながら戦う」という体験そのものがこのゲームの唯一の売り物であり、それが刺さるかどうかが購入判断のすべてだ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 374時間
神ゲーです!! 各マップをからくり使って自分なりにアレンジする要素は、モンハンにはない要素で新鮮でした。 戦闘も難易度が高く、やり込み要素もあり、ワイルズマスターランクが出るまでは楽しめそうです。
👍プレイ時間: 14時間
超残念の半成品。パソコンの過負荷問題を解決すれば遊べる。mhと異なっていた面白い点は結構ある!千円以内買えるのならおすすめできる。 パソコンの過負荷問題の解決MSI Afterburnerこいつで。
👍プレイ時間: 129時間
面白いです。上位レビューのURL先の対処方法で最適化は問題ありませんでした。続編を楽しみにしています。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











