
ARC Raiders
開発: Embark Studios発売: Embark Studios¥4,800
PlayNext レビュー
地表に降り注ぐ鉄の雨。それが「ARC」だ。空から這い出してくる謎の機械生命体に蹂躙された未来の地球で、あなたはひとりのレイダーとして廃墟に潜り込む。目的はひとつ——物資を持ち帰り、生き延びること。しかし地表には自分と同じ目的を持つ他のプレイヤーも潜んでいる。敵はARCだけではない。そのスリルと緊張感こそが、『ARC Raiders』の核心にある体験だ。
ゲームプレイの基本は、いわゆるエクストラクション・シューターと呼ばれるジャンルに属する。ミッションエリアに降下し、武器や素材を漁り、指定の脱出ポイントから生還するサイクルを繰り返す。このジャンルを代表する『Escape from Tarkov』や『Hunt: Showdown』と比較すると、ARCは明らかに間口を広くデザインしている。Tarkovのような複雑なインベントリ管理や、死亡時の装備全ロストの苛烈さはなく、初心者でも比較的スムーズに流れを掴める。一方でHunt: Showdownのような「匂い」を使った独自システムはなく、索敵と立ち回りはよりオーソドックスだ。Embark Studios——そう、『THE FINALS』を手がけたスタジオ——らしく、シューター部分の基本的な爽快感と洗練度は高い。
操作感は軽快で、キャラクターの動きにストレスがない。走り、しゃがみ、カバーアクションといった基本動作がスムーズに連携し、銃声や衝撃のフィードバックも明確で気持ちいい。ARCとの戦闘は単純なゴリ押しを許さず、機体の弱点を狙い、タイミングよく回避しながら立ち回るスキルが問われる。小型ドローンから巨大ウォーカーまで様々なARC機体が登場し、それぞれに対応した戦術を学ぶ過程が楽しい。チームを組んでARC大型個体に挑む場面では、役割分担と連携の喜びがある。
他プレイヤーとの遭遇は常に緊張をはらんでいる。野良で出会った場合、どちらが先に動くか——または見逃すか。物資が乏しい状況では戦闘を避ける選択も合理的だし、逆に相手の荷物を狙って奇襲するのも戦略のうちだ。しかしPvPは強制ではなく、戦闘を回避しながら純粋に探索と生還を楽しむスタイルも十分に成立する。この「戦うかどうかを自分で選べる」バランスが、エクストラクションに不慣れな層にも入りやすい理由のひとつだろう。
ビジュアル面では、ポスト・アポカリプスの地表が非常に美しく描かれている。錆びついた構造物、倒壊した都市、枯れた草原——荒廃の中に独特の静けさがあり、その景色の中を金属の怪物が闊歩する対比が世界観を際立たせる。ARCのデザインは工業的かつ有機的で、見たことのない異質さを持ちながらも、どこか実在感がある。サウンドも秀逸で、遠くから聞こえる金属の駆動音や、足音のリバーブ具合から敵の位置を読む場面は、オーディオが戦術に直結するゲームならではの没入感を生む。
世界観の設定は謎が多く、ARCとは何者なのか、なぜ地球を侵略しているのかはプレイを通じて少しずつ明かされる。地下シェルターを拠点に暮らす人類の残存勢力、そして地表に何度も飛び込んでいくレイダーたちの生活——この世界の「日常」がミッション間のやり取りや環境ストーリーテリングで丁寧に描かれており、単なるガンプレイを超えた物語への関心を引き出す。
エンドコンテンツの観点では、装備やスキルのアンロック、クラフトシステム、そして難易度の高いARC個体への挑戦が継続プレイの動機になる。フレンドと3人チームを組んで定期的にセッションを回すスタイルが最も楽しい遊び方で、慣れれば1セッション30〜60分程度のミッションをこなすリズムが生まれる。アプリ内購入が存在するため、コスメティックのマネタイズ構造には注意が必要だが、ゲームプレイに直接影響するペイ・トゥ・ウィンの要素は現時点では確認されていない。
注意点として、このゲームは完全なソロプレイヤーには向かない。他プレイヤーとの遭遇は常にある以上、完全にプレイヤー対戦を避けることはできないし、チームを組まないと難易度の高いコンテンツは厳しい。また、エクストラクションというジャンルの性質上、セッションの成果がゼロになる「全滅」の瞬間は何度も訪れる。失敗に対するストレス耐性が低い人には向かないかもしれない。サービス型ゲームとしての長期運営が前提なので、コミュニティの規模とアップデート頻度が今後の評価を左右する。
一緒に遊べる仲間がいて、緊張感あるミッションをチームで攻略する体験が好きなら、このゲームは間違いなくハマる。Tarkovは難しすぎると感じていたが、エクストラクション系の雰囲気は好きという人にとって、ARCはちょうどいい入り口になるはずだ。逆に、完全ソロのオフライン体験を求める人や、ストーリー重視のシングルプレイヤーゲームが好きな人には合わないだろう。¥4,800という価格は、継続的にプレイし続ける意欲があるかどうかで評価が変わってくる。まずは仲間と数セッション遊んでみて、その緊張と達成感の虜になれるかを確かめてほしい。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 44時間
PvPvE脱出シューターは今作で初めてやりましたがおもろい 世界観もいい ドンシュー文化があるおかげで初心者やソロにも優しい
👍プレイ時間: 226時間
名作はいつやっても色あせません。 シブヤスクランブルストーリーも楽しみです。無事に発売してくれればいいですけど。。。
👍プレイ時間: 1,030時間
カジュアル、ルートシューター PvEメインでまったり素材集め 全ロスの絶望もしっかりある たまにPKされる事もあるけど、知識があれば余裕で素材はプラスになる
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











