
「ディアブロ II リザレクテッド」 – 「獄炎エディション」
Diablo II: Resurrected – Infernal Edition
開発: Blizzard Entertainment, Inc.発売: Blizzard Entertainment, Inc.¥4,800
PlayNext レビュー
二十年以上前にアクションRPGというジャンルの輪郭を刻みつけたゲームが、完全リマスターという形でよみがえった。「ディアブロ II リザレクテッド」——その名を聞いて懐かしさを覚える人も、今作で初めて触れる人も、等しく地下墓地の暗闇に引きずり込まれる体験が待っている。「獄炎エディション」では新クラスや追加コンテンツが盛り込まれ、オリジナル版を知る者にとってすら「見たことのない地獄」が広がっている。アイテムをひとつ拾うたびに次の扉を開けたくなる、あの抗いがたい衝動——それはいまも健在だ。
## 世界の広さと暗黒の密度
ゲームを起動してまず驚くのは、グラフィックの刷新ぶりよりも「暗さ」への真摯さだ。オリジナルの2Dスプライトからリアルタイム3Dレンダリングに移行しながら、ボタンひとつで旧グラフィックに即時切り替えられる。この機能は単なるファンサービスではなく、開発陣が「元の空気感を壊したくない」という意志を持ってリマスターに挑んだ証左でもある。
マップは半ランダム生成で、同じジャンルの「Path of Exile 2」や「Last Epoch」と比べると現代的な複雑さには欠けるが、その分、各エリアの「顔」が強い。血に濡れた砂漠アクト2の息苦しい雰囲気、密林アクト3の視界を奪う木々、氷河の白と血の赤が交差するアクト5——それぞれが独自の美学を持っており、プレイヤーは「進んでいる」実感を常に得られる。フレッシュな新クラスを投入した獄炎エディションでは、スキルの組み合わせによって同じエリアを全く違う動線で踏破できるため、周回プレイへの動機が増した。
## 奈落を駆けるマルチプレイの手触り
最大8名でのオンライン協力は、現代ゲームと比較するとUIやマッチメイキングの洗練度で見劣りする部分がある。ロビーを自分で立ててゲーム名を入力して人を集める——そのやや牧歌的なシステムは、どこか2000年代のバトルネットを思い出させる。しかしひとたびパーティが揃うと、この設計の奥深さが動き始める。
ネクロマンサーが骨の壁で敵の進路を封じ、ソーサレスが遠距離から雷撃を浴びせる間に、バーバリアンが突進で敵集団を崩す——クラス間のシナジーは抽象的な「協力感」ではなく、画面上で明確に視認できる形で機能する。獄炎エディションの新クラスはこのシナジー構造に新たな軸を加えており、既存クラスとの組み合わせを試行錯誤する楽しみが増している。「Torchlight Infinite」のようなソロ志向のARPGとは異なり、本作のマルチは「誰かがいることで戦術の幅が広がる」設計になっている点が大きな差別化だ。
## PvPの研ぎ澄まされた駆け引き
PvPはアリーナ形式ではなく、フィールド上での「PK(プレイヤーキル)」文化が根底にある。プレイヤー同士が同意なく敵対関係になることはなく、ホスタイルボタンで明示的に宣言する仕組みは、トラブルを防ぎながらも緊張感を残す絶妙な設計だ。
PvP特化のビルドは通常のPvEビルドとは別物になることが多く、ここが本作PvPの深淵でもある。同じパラディンでも「ハンマーディン」としてPvEを支配していたスキル構成が対人では機能しないため、新たにPvP向けスペックを研究する必要が生じる。スキルのダメージ計算式、耐性貫通の仕組み、FCR(キャスト速度)のブレークポイント——こうした数値の積み上げに快感を見出せるプレイヤーにとって、PvPは終わりのない数値最適化の競技場になる。逆に言えば、こうした研究に興味がないプレイヤーにとっては敷居の高さを感じる領域でもある。
## 長期運営の現在地
「ディアブロ II リザレクテッド」はラダーシーズン制を採用しており、一定期間ごとにキャラクターをリセットして再スタートを切る仕組みがある。これはシーズンパスや大型アップデートで旗手を飾る「ディアブロ IV」とは根本的に異なるゲームリズムで、同じブリザードタイトルでも設計思想が大きく違う。獄炎エディションは単発のコンテンツ追加ではなく、この長期サイクルに組み込まれる形での拡充であるため、シーズンをまたいだ継続プレイが前提になっている。
注意点として、本作はスタッシュ管理や取引システムが現代基準では不便に感じる場面がある。アイテムの識別にスクロールが必要な点、スタッシュ容量の上限、トレードの非効率さ——これらはオリジナルの設計を引き継いだものであり、QoL面では「Path of Exile 2」や「Last Epoch」に軍配が上がる。しかし逆説的に、この「手間」がアイテムひとつひとつに重みを与えており、良いルートが出たときの高揚感は他のARPGとは一線を画す。
ゲームを選ぶうえでの正直な指針を言えば、システムの快適さを求めるなら現代ARPGに軍配が上がる場面もある。だが、暗黒のファンタジー世界に浸りながら、仲間と地獄の軍団を切り裂く体験の純度という意味では、このゲームはいまも唯一無二の地位を持っている。二十年の時を経てよみがえった地獄への扉は、まだ十分に広く開いている。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 381時間
たのしい。 今のところ唯一の不満は「ディアブロ II リザレクテッド」 – 「獄炎エディション」てタイトル。 「」外してほしい。
👍プレイ時間: 155時間
とても面白いですが、かなり昔のゲームなので今のゲームよりも理不尽のことや、不親切な部分があるため、好みが分かれると思います。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











