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Hades II
key visual / steam批評
死を重ねるたびに、何かが変わる。Hades IIはそういうゲームだ。ローグライクというジャンルは「失敗してやり直す」ことを前提にしているが、このゲームはその「やり直し」に異様な密度の意味を込めてくる。前作『Hades』がザグレウスという青年の脱出劇を描いたとすれば、続編が主役に据えるのは魔術師の卵・メリノエ。彼女の目的は脱出ではなく、討伐だ。時の巨神クロノスを打ち倒すために、地底から地上へ、あるいは冥界のさらに深みへと向かう。この「目的の逆転」が、ゲーム体験のトーンをがらりと変えている。前作が閉塞感からの解放を描いていたとすれば、今作は暗闘の予感を帯びた前進の物語だ。
## 黒魔術が刻む戦闘の質感
メリノエの戦闘はザグレウスのそれより、ずっと「術者」的だ。近接武器を軸にしながら、魔法陣を召喚し、呪文を溜め、爆発的な範囲攻撃を叩きつける。武器種ごとに動かし方の哲学が違い、たとえば短い刀(シスター・ブレイド)は手数重視の近接ラッシュ、杖(アルゲンティ)は距離をとりながら魔法を積み上げる後衛スタイルになる。
このゲームの戦闘で特徴的なのは「呪い」と「炎」のステータス異常システムだ。敵に呪いを重ねて爆発させる、炎上状態でダメージを積み上げるといった「状態異常コンボ」の組み方が、ランごとのビルドの核になる。オリンポスの神々からもらうボーンの選択によって、このコンボの方向性がどんどん変わっていく。「この組み合わせが成立した」という瞬間の感触は、前作以上にシャープだ。
ただ、序盤の難度はかなり高い。前作では徐々にダンジョンの構造に慣れることができたが、今作は最初から複数ルートが存在し、敵の行動パターンも複雑だ。最初の数十回は「何をすればいいかわからないまま死ぬ」時間になる可能性が高い。これは人を選ぶポイントとして正直に伝えておきたい。
## 選択が積み上げる物語の層
Hades IIがローグライクの文脈で突出しているのは、「失敗の語りかけ方」にある。死んで戻るたびに、屋敷でキャラクターたちと会話が生まれる。その内容は状況によって変化し、何度か同じキャラクターと話していると、関係性に微妙なグラデーションが生まれてくる。
前作と同様に、ランダムに提示される選択肢の組み合わせが「今回のビルド」を形成するわけだが、今作はそこにリソース管理の要素が加わった。メリノエはアルカナカードと呼ばれるスキルツリーを持ち、それをどう育てるかで基礎戦力の方向性が変わる。ランごとの即興性と、キャンペーン全体を通じた長期的な成長が混在している。この二層構造は、「今日の一ランに賭ける」快楽と「少しずつ強くなっていく」満足感を同時に提供する。
似たゲームと比べると、Deadcellsがスキルツリーをほぼ持たない純粋な即興性を重視するのに対して、Hades IIは成長の文脈を色濃く持つ。Noita系の深い物理シミュレーションとも異なり、「物語を進める」という動機が常に戦闘と並走している。ローグライクの中で最も「RPG的な引力」が強い作品の一つだと言えるだろう。
## 世界の見た目と音が語るもの
Supergiant Gamesの作品は毎回、ビジュアルとサウンドが独立した語り部として機能する。Hades IIも例外ではない。地底の冥界は前作の幾何学的な石造りとは異なり、より有機的で神秘的な雰囲気を持っている。魔法陣が発光するエフェクト、炎と闇が混じり合う演出は、「黒魔術師が主人公」というコンセプトをビジュアルで体現している。
Darren Korb(作曲)とAshley Barrett(ボーカル)によるサウンドトラックは、前作でも絶賛されたが、今作はさらに幽玄さが増している。戦闘中の激しいBGMと、屋敷での静かな環境音との落差が、ゲームのリズムに緩急をつけている。音楽を聴くためにゲームを続けたくなる、という現象はHadesシリーズ特有のものだ。
Early Access段階でこの完成度、という事実も書き留めておく必要がある。本作は現在も開発継続中であり、コンテンツはまだ完全ではない。ボスの数、ルート数、会話の総量——いずれもフルリリース時にはさらに拡張される予定だ。完成品を待つか、進化の過程を楽しむか。¥2,550という価格設定は、その選択に対して十分に誠実な回答だと思う。
プレイヤーの声
「トロコンまでプレイ。 武器と功徳の組み合わせで相変わらず無限のビルドが楽しめます。 1から継続して登場する神々の功徳は一部前作と効果が変わっているところがあり、 最初は戸惑いましたが慣れれば全く問題なかったです。 またグラフィック面も改良されており、システム的にも絵的にも正当進化という感想をいただきました。 3も楽しみにしています~」
「主人公が魔法使いとなり、溜め技、MPの使い方が大事という点でプレイフィールが変わってはいるが 美しいアートワーク、大量のテキスト、魅力的なキャラクターに素晴らしい翻訳、良質なアクション hadesの魅力が変わらずにある」
source: steam user reviews
スクリーンショット






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