Subnautica: Below Zero
サブノーティカ:ビロウゼロ
key visual / steam批評
凍てつく海の底で、孤独と向き合いながら生き延びる——サブノーティカ:ビロウゼロは、そういうゲームだ。前作『Subnautica』で多くのプレイヤーが熱狂した水中サバイバルの体験を継承しつつ、舞台を極寒の惑星4546Bの北極圏へと移した本作は、「寒さ」と「孤立」という新しい恐怖の軸を加えることで、独自の緊張感を生み出している。主人公ロビンが、惑星で行方不明になった姉の真相を追うというストーリーラインも前作より明確で、ただ生き延びるだけでなく「なぜここにいるのか」を常に意識させてくれる。¥1,419という価格帯でこの密度の体験が得られるのは、率直に言って驚きがある。
## 極寒の海が作り出す世界への没入感
本作の最大の武器は、その「場所の作り込み」にある。前作の温暖な浅瀬から始まる開放感とは対照的に、ビロウゼロは最初から薄暗く冷たい海中に放り込まれる。水温が低い海域では体力が削られ、陸上では猛吹雪が視界を奪う。この「二重の脅威」——水中の恐怖と陸上の過酷さ——が、プレイヤーを常に環境と格闘させる設計になっている。
バイオームのビジュアルは息をのむ美しさだ。淡い青白い光が差し込む氷の洞窟、熱水噴出孔が蛍光色の生物を照らす深海域、水面に反射する極光——探索すること自体が報酬になっている。『No Man's Sky』のような広大さとは異なり、本作の世界は「深さ」で圧倒してくる。海底のバイオームは縦方向に積み重なっており、深く潜るほど生態系が一変する。初めて未知の深海区域に踏み込んだときの、あの息詰まる感覚はなかなか他のゲームでは体験できない。
## プレイ時間と没入の密度
クリアまでの目安はストーリー重視で20〜25時間、探索を丁寧にやれば30時間を超える。ただし、この数字は「時間を忘れて遊んでいたらこうなった」という類のものだ。拠点を少し深い場所に移そうと思って潜り始め、気づいたら3時間経っていた、というのがこのゲームの典型的な夜だ。
サバイバルの手触りは、慌ただしくない。『Raft』や『The Forest』のように敵との戦闘がゲームの中心に来るわけではなく、リソース管理と探索の往復が主軸になっている。酸素残量と体温を同時に管理しながら未知の洞窟に進む場面は、静かだが確実にプレッシャーをかけてくる。前作にあった「方向を見失うと本当に帰れない」感覚は健在で、コンパスと深度計を確認する習慣が自然と身につく。
前作と比べると、ストーリーのナレーションやキャラクターとの通信がずっと多く、「作業ゲーになりがち」という前作の弱点がある程度補われている。ただ、これが逆にサバイバルの孤独感を若干薄めているという見方もあり、前作ファンの間では評価が割れているポイントでもある。
## こういう人は合わないかも
オープンワールドサバイバルに慣れたプレイヤーほど、序盤の方向感覚の喪失にストレスを感じやすい。このゲームにはミニマップがなく、クエストマーカーも最小限だ。「どこに行けばいいか分からない」という感覚が10時間続くことも珍しくない。これを「探索の醍醐味」と取るか「ただ迷子」と取るかで、評価がはっきり分かれる。
また、海中恐怖症(タラソフォビア)傾向のある人には正直きつい場面が多い。暗い深海の奥から巨大生物の鳴き声が聞こえてくる演出は意図的に設計されており、「見えないこと」が恐怖の核にある。前作でそれが合わなかった人は、本作も同様に苦手な場面が続くと思っておいた方がいい。
ストーリー面では、前作の方が「謎と発見の純度」が高いという意見も多い。本作はキャラクター同士の会話が増えた分、プレイヤーが自分で物語を解釈する余白が狭まっている。
## 初見プレイヤーへのアドバイス
本作から入るか、前作から入るかは迷うところだが、世界観の理解という意味では前作『Subnautica』から始める方が没入感が高い。ただ、本作単独でも物語は完結しており、ゲームプレイの洗練度は本作の方が高い。どちらから入っても問題はないが、どちらか一方だけで終わらせるのはもったいない。
序盤は拠点の場所選びが後のプレイに大きく影響する。最初のドロップポッドの近くに最低限の設備を作り、探索の進捗に合わせて移動するのが無難だ。また、「シーグライド」という移動補助装置の優先度が高く、これを早めに作ると探索の快適さが格段に上がる。難易度は「サバイバル」でプレイすることを推奨するが、ストーリー重視なら「フリーダム」(資源消費なし)も選択肢として悪くない。
## Steam評価の裏にあるもの
Steam評価は「非常に好評」だが、前作の「圧倒的に好評」と比べると一段低い。この差は、前作ファンの期待値の高さが主な要因だと思う。「前作ほどの孤独感がない」「ストーリーが説明的すぎる」という批判は一定数あり、それは理解できる。前作は「無言の惑星で一人で生き延びる」という純粋さがあったが、本作はよりゲームとして丁寧に作られた分、荒削りな魅力が削れた面もある。
ただ、これを欠点と見るかどうかは完全に個人差だ。「前作は面白そうだったが孤独感が強くて挫折した」というプレイヤーにとっては、本作の方が間口が広く、ゴールが見えやすい。¥1,419という価格で30時間近い探索体験と、惑星規模の陰謀を追うストーリーが手に入ると考えれば、コストパフォーマンスの観点からも迷う理由は少ない。深海と極寒の両方と戦いながら真相を追うというコンセプトは、その他の水中サバイバルゲームに類似作が見当たらない独自の体験として成立している。
プレイヤーの声
「17時間でクリア。 操作感・システムは前作とほぼ同じでボリュームも十分。 前作ファンの方は買って損はないと思います。 クラフト周りについては無印版より簡潔になっている印象。 素材が足りなくなることはほぼ無く、最後まで快適にクラフトできました。 翻訳のせいか「次に何をすればいいのか分からない」状況になることが多かったです。 広大な海を自由に探索するのが醍醐味のゲームであり、 ひたすら泳ぎ回っていればいつかはクリアできるようになっていますが、 あまり自由にされすぎても困る……という方には合わないかもしれません。」
「Subnautica1の続編としてとても遊びがいがあり、前作からのつながりや今作で新たに分かった事実なども含めて、発見していく過程を非常に楽しむことができました。」
「2のEA版をクリアし、過去にクリアした1を最初からやり、クリアせずに途中でやめた、ビロウゼロを最初から始めました。 結果、ビロウゼロがシリーズの中で一番面白いです。 会話画面で画面全部が埋まり見えなくなる。 雪上は本当につまらない。 等の不満点もありますが、ビロウゼロがシリーズの中で一番好きです。」
source: steam user reviews
スクリーンショット











