
Fallout 76
開発: Bethesda Game Studios発売: Bethesda Softworks¥4,800
PlayNext レビュー
核心にある体験を一言で言うなら、「廃墟の中でいっしょに生きること」だ。Fallout 76 は、荒廃したウェストバージニアを舞台に、Vault 76 から踏み出したばかりの生存者たちがリアルタイムでウェイストランドを開拓していくオープンワールド MMO だ。シリーズ恒例の核戦争後の世界観はそのままに、今作では「他のプレイヤーが同じ地球上に存在している」という根本的な前提が加わっている。ソロでも遊べるが、ほぼ無人の荒野にたった一人でいるような静寂と、フレンドと廃ビルを踏破する賑やかさが同じサーバー内で共存している。それがこのゲームの奇妙な魅力の源泉だ。
## ウェイストランドを歩く手触り
移動と探索の感触は過去作、特に Fallout 4 と非常に近い。VATS は非リアルタイムではなくスロー演出に変わっているが、S.P.E.C.I.A.L. ステータスを軸にしたビルド構築と「パーク」システムはそのまま引き継がれている。装備を拾い、カード式のパークを組み合わせ、自分だけの役割を作っていく過程は、シングルプレイ版の Fallout が好きな人にとっては親しみやすい。
ベースキャンプとなる C.A.M.P. を好きな場所に設置し、資材を集めて拠点を建設する要素も本作の柱だ。Fallout 4 の建設システムより自由度が高く、荒れ果てた丘の上に自分だけの砦を建てる満足感は本物だ。ここが Fallout シリーズの他作品と最も差別化されている点で、The Forest や Valheim のようなサバイバルクラフトゲームのループに近い感覚が加わっている。ただし資材の重量管理が煩雑で、インベントリとの格闘に時間を取られがちな点は覚悟が必要だ。
## ビジュアルとサウンドの仕上がり
グラフィックはサービス開始当初と比べて大幅に改善されており、現在はウェストバージニアの森林地帯の緑、沼地の霞んだ霧、廃工場の錆びた鉄骨など、各エリアの雰囲気がしっかり作られている。Fallout シリーズ特有の「美しい廃墟」の美学はきちんと継承されていて、夕暮れの焦土に佇む送電鉄塔のシルエットは妙な詩情を持つ。
サウンドは特に印象的だ。50〜60年代のジャズやカントリーが廃墟のラジオから流れてくる音景色はシリーズのアイデンティティそのもので、探索中にふと流れてきたアップテンポなスウィングが、廃病院の不気味さを一層際立てる。環境音も丁寧で、ミュータント生物の遠吠えが遠くから聞こえてくることで、地形の奥行きを感じさせる設計になっている。
## PvP の駆け引き——参加するか、しないか
PvP はオプトイン制を採用しており、望まない限り他プレイヤーから一方的にキルされることはない。攻撃を受けた際に反撃しなければ相手はほとんどダメージを与えられず、報酬も最小限になるため、見知らぬプレイヤーによるグリーフィングは現実的に起きにくい。
積極的に PvP を楽しみたい場合は「生存者モード」(現在は廃止されデフォルト統合)や特定のイベント、あるいは「Nuclear Winter」的なモードで対人戦を追求できる。基本的には DayZ のような張り詰めたサバイバル PvP とは性格が異なり、どちらかといえば協調プレイが中心だ。見知らぬ他プレイヤーが公開イベントに乱入してきてともに巨大ボスを倒す体験の方が遥かに頻繁に起きる。
PvP を激しく求めるプレイヤーには物足りないかもしれない。しかし「他者がいる世界を旅する」という体験の重心を PvP ではなく共存に置いた設計は、シングルプレイ寄りの Fallout ファンにとっては比較的受け入れやすい判断だと言える。
## 人を選ぶポイント
最初の数十時間は、意図的なのか偶然なのかわからない荒涼とした孤独感が続く。クエストのテキスト量は膨大だが、序盤はサーバーに人が分散するため他プレイヤーと会わないまま進むことも多い。Fallout 4 のような濃密なコンパニオンドラマは存在せず、NPC との会話も長らく不在だった(後のアップデートで NPC が追加されたが、質・量ともに過去作には及ばない)。
一方で、フレンドと組んで進める場合の楽しさは際立つ。C.A.M.P. を分業して建設し、互いのビルドを補い合いながらレイドイベントに挑む流れは、このゲームでしか得られない体験だ。同じ「オープンワールド RPG × オンライン」でも、GTA Online のような犯罪系アクションや、ESO(The Elder Scrolls Online)のような MMORPG と比べると、PvE コンテンツの自由度と拠点建設の深度においては Fallout 76 の個性は際立っている。
アトムショップという課金要素はあるが、ゲームプレイに直結する Pay-to-Win 要素は基本的にない。コスメティック中心の課金設計は許容範囲内だろう。定期的な大型アップデートでコンテンツが追加されており、長く遊ぶほど世界の密度を感じられる設計になっている。廃墟の中で誰かと生きることの奇妙な温かさを求める人に、このゲームは確かに応える。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 612時間
平和主義モードやゆるくマルチできるところはとてもいい。ただログイン・ログアウトを繰り返さないと先に進めないような仕様は野暮ったい。発売から年月が経っているのでボリュームは値段以上のものがある。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











