
Returnal™
開発: Housemarque発売: PlayStation Publishing LLC¥3,036
PlayNext レビュー
死を繰り返すことで、はじめて前に進める——そんな逆説的な構造を持つゲームが『Returnal』だ。主人公セレーネは謎の惑星アトロポスに墜落し、死ぬたびに同じ場所から目覚め続ける。ループのたびにマップは変わり、手に入れた武器も消え、また一から始まる。ただし、断片的な記憶と「呪物」と呼ばれる永続強化だけが積み重なっていく。Housemarqueがこれまで培ってきたアーケードシューターの血脈と、ローグライクの設計思想が交差した地点に生まれた作品であり、単純に「死んで学ぶゲーム」という言葉では到底収まらない密度を持っている。
## 弾幕と回避の中に宿る手触り
『Returnal』の戦闘を一言で表すなら、「三次元弾幕シューター」に近い。敵が撃ち出す弾は色鮮やかな幾何学模様を描き、画面を埋め尽くす。それを避けながら、ダッシュで距離を詰め、近接フィニッシャーでエーテルを回収し、武器のオルタファイアで一気に崩す——この一連の流れが噛み合ったとき、戦闘はほとんど音楽的なリズムを持ちはじめる。
武器にはそれぞれ固有の「特性」がランダムで付与される。カーバインが3発ヒットするたびに自動照準が発動するものを引いた日と、単なる連射強化しか持たないものを引いた日では、同じ武器でもプレイが根本から変わる。この特性の組み合わせを読んで戦略を組み立てる楽しさは、同じローグライクジャンルの『Hades』とは似て非なるものだ。『Hades』が「ビルドを育てる充実感」を前面に出すのに対し、『Returnal』は「今この瞬間の運と反射神経のせめぎ合い」を軸に据えている。ビルドの最適解よりも、与えられた状況への即興的な適応力が問われる。
ボスとの対峙はその頂点だ。第一バイオームのボス「フォロフォント」は、初見では意味不明な攻撃に飲み込まれるが、三度、四度と立ち向かううちに、弾の軌道が「読める」瞬間が訪れる。その感覚の変化——恐怖から読解へ、そして制御へ——がこのゲームの核心体験であり、ソウルライクとも微妙に異なる「習得の快楽」を提供している。
## 現在のプレイ環境と長期的な価値
PC版はPS5版から遅れて2023年にリリースされ、解像度やフレームレートの自由度が増した。コントローラのハプティックフィードバックはPC版では再現されないが、その代わりにマウスエイムによる精密操作が可能になり、特にシューティング系の手触りは向上している意見も多い。また、オンライン協力プレイが追加されており、見知らぬプレイヤーとの一時的な共闘も楽しめる——ただし、あくまで補助的な要素であり、ソロで完結するゲームとしての完成度は変わらない。
ローグライクとしての長期的な遊び応えについては、率直に言えば「中程度」だ。『Hades』や『Risk of Rain 2』のように数百時間を費やす拡張性はなく、全6バイオームを踏破してエンディングを見るまでの30〜50時間が最も密度が高い。その後は「フォノグラフ」と呼ばれるサイドストーリーや、隠しボスへの挑戦が残るが、コンテンツの総量は多くない。大型DLCもなく、ゲームとして完結した体験を提供するスタンスだ。¥3,036という価格はその意味で適正だが、「長く遊べるゲームがほしい」ユーザーには正直に言っておきたい。
## このゲームを選ぶべき人、選ばない方がいい人
最大の選別ポイントは「理不尽な死を受け入れられるか」ではなく、「理不尽に見えた死を振り返れるか」だ。『Returnal』の死のほとんどは、後から見れば「あの弾を避けていれば」「あの時リソースを温存していれば」という分岐点を持っている。失敗を学習に変換できる人間にとって、このゲームの一周は他に代えがたい達成感を残す。
逆に、進行状況のセーブ機能が弱い(「いつでもセーブ可能」と表記されているが、これは中断セーブであり、死んだ時点でランは終了する)点は、まとまった時間を取れないプレイヤーにとってストレスになりうる。1ランが長いと1〜2時間に及ぶため、生活リズムとの相性は確認しておきたい。
サードパーソンシューターとしての操作感を求めるなら『Control』が近く、ローグライクの戦略性を求めるなら『Hades』が代替になる。しかし「弾幕を読んで体が動く」快感と「ループを通じて積み上がる物語」の組み合わせを同時に体験できる作品は、現時点でほとんど存在しない。それだけで、選ぶ理由は十分にある。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 9時間
チャプター1をクリアしたのでレビュー ps5でもやりましたがもう一度やりたくなり購入しました 内容は普通に難しいTPSガンシューティングです、その中にローグライクの要素がありよく作られていると思いました 死ぬたびにマップの構造が変わったり、装備するとメリットとデメリットが同時に付くもの、拾う武器のサブ射撃もランダムに付与されたものだったりとローグライクの要素がふんだんに使われているのでそういう系が好きな人にはピッタリだと思います
👍プレイ時間: 34時間
主人公がBBAで吹き替えがキシリア閣下と強烈でストーリーも本気であってないようなものだが、ゲーム部分と サウンドは高品質で趣がある。Dualsenceでぜひプレイしてほしい。 なお実績見る限りクリア率約7%
👍プレイ時間: 33時間
雰囲気は陰鬱ですが、弾幕はビビッドな色合いで撃ち合いの最中はビカビカして賑やかです。 確かに難しいですが、キャラクターをかなり機敏に動かせて爽快です。敵も楽しそうだけど、こっちはもっと楽しい。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











