
HoloCure - Save the Fans!
開発: KayAnimate発売: KayAnimate無料
PlayNext レビュー
無料のファンゲームという言葉を聞いて、どんな印象を持つだろうか。粗削りなグラフィック、薄いコンテンツ、数時間で底をつく遊び応え——そういったイメージが浮かぶなら、*HoloCure - Save the Fans!* はその先入観を根本から覆してくれる。ホロライブのVチューバーたちを操作し、洗脳されたファン(通称「ホロファン」)の大群を生き延びながら倒し続けるこの作品は、ジャンルの熟達者が作った商業タイトルと並べても遜色のない完成度を持つ。それも、一切の費用なしで。
## 武器コラボが生むビルドの分岐
ゲームの骨格は *Vampire Survivors* に代表される「弾幕サバイバル」系だ。時間が経つにつれ敵の数と密度が増し、自動攻撃する武器を強化・組み合わせながら生き残りを目指す。ただしHoloCureは、その基本構造に「コラボ」という独自要素を持ち込むことで、ビルド構築の楽しさを大幅に拡張している。
コラボとは、特定の2種類の武器を最大レベルまで強化したうえでアイテムを取得すると、まったく新しい強力な武装が解放される仕組みだ。たとえば「ファンビーム」と「ホロレーザー」を組み合わせると巨大な収束レーザーに変化する、といった具合である。このコラボの組み合わせは数十種類にのぼり、「今回はどのコラボを目指すか」という判断が毎プレイの骨子になる。
*Vampire Survivors* が「どの武器進化を目指すか」という比較的シンプルな選択を提供するのに対し、HoloCureは武器の組み合わせという二段階の選択肢を設けることで、思考の幅が一段深い。序盤に拾えた武器、ショップで購入したスタンプ(パッシブ強化アイテム)、キャラクターのスキルツリーの方向性——これらが複雑に絡み合い、「今回のランはこのルートで行ける」という発見の瞬間がたまらない。
## ビルドの余韻と繰り返しの深み
一回のプレイは短い。難易度にもよるが、ステージをクリアするかゲームオーバーになるまで15〜30分ほどで完結する。だがその短さが、繰り返しプレイを促す設計の妙でもある。クリア後に得た通貨でショップの品揃えを永続強化し、解放されたキャラクターを試し、新しいコラボの組み合わせを検証する——この循環が気づけば数時間を飲み込んでいる。
プレイ後にコントローラーを置いて「あの武器構成、もう少し違うルートもあったんじゃないか」と頭の中でシミュレーションしているなら、このゲームの罠にすっかり嵌まっている証拠だ。各キャラクターは固有のスキルを持ち、それが特定の武器との相性に直結する。たとえばあるキャラは近接攻撃を強化するパッシブを持つため、範囲系のコラボよりも単体高火力のコラボと組み合わせたほうが爆発的に強くなる。こうした相性の研究が、繰り返しプレイの知的な燃料になっている。
また、ゲームには「エンドレスモード」も用意されており、永遠に続く敵の波を何分耐えられるかという別軸の挑戦も楽しめる。ステージクリア型の短期決戦と、じわじわ積み上げる長期戦の両方が遊べる構成は、気分に合わせて遊び方を変えられる柔軟さがある。
## このゲームが「人を選ぶ」理由
率直に言えば、ホロライブへの親しみがあるかどうかで体験の濃さはかなり変わる。洗脳されたファンたちのドット絵がホロライブ特有の文化的文脈に根ざしているし、各キャラクターのデザインやボイスも、元のVチューバーのファンにとって格別な付加価値になる。「ときのそら」「さくらみこ」といった名前になじみのない人でも遊べる作りではあるが、キャラクター選択の段階で「推しで遊びたい」というモチベーションが薄い場合、入口が少し地味に感じるかもしれない。
一方で、弾幕サバイバルジャンルに慣れ親しんでいる人にとっては、無料でここまで遊べるのかという驚きが先に来る。*20 Minutes Till Dawn* や *Brotato* といった同ジャンルの商業作品と比べても、コンテンツ量・完成度・アップデート頻度のいずれも引けを取らない。KayAnimateが定期的に新キャラや新ステージを追加し続けており、長期にわたって遊べる環境が整っている点も大きい。
難易度の面では、初心者でも取り組みやすいノーマルから、熟練者向けの高難度設定まで幅広く用意されている。ただし、ランダム性が強いゲームである以上、「何をやっても武器が揃わないまま終わる」という試合も当然発生する。この手のゲームのフラストレーションをそのまま受け継いでいる点は覚悟しておいたほうがいい。
ホロライブが好きか、弾幕サバイバルが好きか、あるいはその両方か——どれかひとつでも当てはまるなら、インストールしない理由が見当たらない。無料という事実を差し引いても、純粋なゲームとして十分に価値のある一本だ。
スクリーンショット











