KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-

KINGDOM HEARTS -HD 1.5+2.5 ReMIX-

開発: Square Enix発売: Square Enix¥7,480

PlayNext レビュー

ディズニーとスクウェア・エニックスのキャラクターが同じ世界で肩を並べて戦う——この一文だけで「それは無理があるだろう」と思った人こそ、このゲームに裏切られてほしい。2002年にPS2で登場した初代作から始まるキングダム ハーツシリーズは、表面上の奇妙なコラボを超えた、独自の哲学を持つアクションRPGとして20年以上にわたって愛され続けている。本作はそのシリーズ根幹となる6作品をHDリマスターでまとめたコレクション版だ。 バトルの手触りは、同ジャンルのタイトルと比べてかなり爽快感を重視した設計になっている。三角形の剣、キーブレードを振り回して敵を連続ヒットさせていく基本的な攻撃に加え、魔法、召喚、仲間との連携アクション「リミット」など、派手な動きを次々と繰り出せる。特に2作目(KHII)に相当するパートでは「リアクションコマンド」というシステムが加わり、ボス戦での読み合いや爽快な追撃が楽しめる。アクション寄りではあるが、FF的なMP管理やステータス成長の概念もしっかりあるため、RPGとしてのキャラクター育成にも没頭できる。 操作の難易度はワイドレンジで、イージーモードで物語を追うだけの体験から、プラウドやクリティカルといった高難度で挑む達人向けの試練まで選べる。特にクリティカルモードは、有名なボス「逆鱗」こと最強クラスの隠しボスたちとの対決が文字通り死闘になる。レベル上限での最適装備作りやアビリティ管理といったやり込み要素も厚く、トロフィーコンプリートを狙うと一作だけで50〜100時間以上費やすことになる。 ビジュアル面は、オリジナルのPS2時代の資産をHDリマスターしたものであるため、2024年基準のグラフィックを期待すると物足りなさを感じるかもしれない。ただし、ディズニー作品の世界観を忠実に再現した各ワールドのアートワークは、アニメ調のスタイルで今なお十分に個性的だ。深夜に海辺でたたずむシーンや、魔法の城でのホールシーンなど、演出力は色あせていない。むしろ、HDリマスターの恩恵でテクスチャの荒さが緩和され、「懐かしさ+見やすさ」のバランスが良い。 音楽は本作最大の強みの一つと言っていい。植松伸夫・下村陽子・桜庭統といった著名なコンポーザーが手がけた楽曲群は、戦闘曲から感情的なシーンまで一貫して高品質だ。特に「Dearly Beloved」「Sanctuary」「Simple and Clean」はシリーズを知らない人でも聴いた瞬間に引き込まれる力がある。サウンドトラックのクオリティで言えば、テイルズシリーズやFF15を軽く超えると感じるプレイヤーも少なくない。 ストーリーについては、「ディズニーのキャラクターと一緒にハッピーなアドベンチャー」という印象を持っていると良い意味で裏切られる。確かに序盤はアリスやターザンやシンデレラの世界を渡り歩く明るい冒険だが、その裏で「光と闇」「存在と記憶」「ハートの意味」をめぐる独自の哲学的テーマが静かに積み上がっていく。特にシリーズ中盤の作品群——Chain of Memories、358/2 Days、Birth by Sleepあたり——は、主人公が誰か、記憶とは何かという問いを真正面から扱っており、単純な勧善懲悪の物語ではない。ネタバレなしに言えるのは、「最初の予告なく泣かされる」という体験をする可能性が高いということだ。 他のアクションRPGと比べると、テイルズシリーズが王道のJRPGパーティ戦闘を重視するのに対し、本作はソロアクションの爽快感とRPG的成長の融合に特化している。ペルソナシリーズのように重厚な日常パートや選択肢はなく、一本道に近いが、その分テンポが良くワールドを駆け抜ける感覚が際立つ。戦闘のアクション性という点では仁王やダクソほどシビアではなく、むしろFF16やスターオーシャン6に近い「気持ちよく動いてRPGもする」スタイルだ。 プレイ時間の目安は、コレクション内のメインタイトル3本(KH1、KH2、Birth by Sleep)を各メインストーリーだけこなすと合計60〜80時間程度。全作品を全実績コンプリートまで遊ぶと300時間超えも現実的な数字だ。コレクション内には映画形式のCinema(358/2 DaysとRe:coded)も含まれており、これを見るだけでも物語の補完として重要なのでスキップ推奨ではない。 注意点として、まずシリーズ作品の複雑な時系列がある。本作収録の6作品は発売順ではなく世界観の根幹を成す作品群だが、それでもストーリーの繋がりが入り組んでいる。公式の「プレイ推奨順」はあるが、初見では「これ誰?何で?」となる瞬間が必ず来る。それを「謎が解けていく面白さ」と捉えられるかが、このシリーズとの相性を決める。また、HDリマスターとはいえ元がPS2〜PSP時代のゲームであり、カメラワークや一部UIが現代基準から見ると不親切に感じる場面もある。 こういう人には強くおすすめしたい。小さい頃にディズニー映画を見て育ち、アクションRPGも好きという層には刺さりすぎるほど刺さる。また、ストーリーに深みを求めるプレイヤー、複雑な世界観を自分なりに解釈しながら進むのが好きな人にも向いている。逆に、ゲームプレイのリアリズムや最新グラフィックを最優先する人、複雑な世界観設定を丁寧に追う気がない人には少々しんどいかもしれない。「ディズニーだから子供向けでしょ」という先入観を持ったまま触ると、物語の重さに面食らう可能性もある。 ¥7,480という価格で6作品分の体験が詰まっていることを考えれば、コストパフォーマンスは高い。シリーズへの入り口として、あるいは20年来のファンが改めてPCで追体験するための一本として、これ以上ない形でまとまっている。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 129時間

進めていくほどどんどん面白くなってくる。ディズニーのキャラもやる前は興味なかったけど今では結構好きになってる。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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