Marvel's Spider-Man 2

Marvel's Spider-Man 2

開発: Insomniac Games発売: PlayStation Publishing LLC¥7,590

PlayNext レビュー

空を切り裂くようにビルとビルの間を飛び回る感覚——これほど「スーパーヒーローであること」を全身で体感させてくれるゲームは、そうそうない。Marvel's Spider-Man 2は、移動そのものをゲームプレイの快楽として昇華させた、まごうことなき傑作だ。開始数分でウェブスイングの気持ちよさに虜になり、気づけば目的地を無視して延々とニューヨークの空を泳いでいる——そういう体験ができる作品である。 本作の核心は、ピーター・パーカーとマイルズ・モラレスという二人のスパイダーマンを操作できる点にある。前作「Marvel's Spider-Man」と「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」でそれぞれ主役を務めた二人が、今作では一つの物語の中で交互に活躍する。この設計が単なるバリエーション追加に留まらず、物語と密接に絡み合っているのが秀逸だ。ピーターは経験豊富なベテランとして葛藤を抱え、マイルズは成長途上の若者として自分の限界に挑む。プレイヤーはその両方の視点を行き来することで、物語への没入感が格段に増す。 操作感について言えば、ウェブスイングは歴代スパイダーマンゲームの中でも最高水準に達している。ウェブを射出するタイミング、身体の慣性、空中での姿勢制御——これらが絶妙なバランスで調整されており、うまく操れるようになるほど爽快感が増す設計になっている。さらに本作で追加されたウェブウィング(グライダーのように滑空するマント)が移動の選択肢を大きく広げた。スイングが縦横無尽な動きを生むとすれば、ウェブウィングは広大な距離を一気に詰める手段として機能し、両者を組み合わせることで移動そのものが一つのパズルのような楽しさを持つ。 戦闘システムも大幅に進化している。ピーターはシンビオートスーツの力を使った重厚な攻撃スタイルを持ち、マイルズはバイオ・エレクトリシティを駆使したスピード重視の戦い方が特徴だ。二人の戦闘スタイルは明確に異なり、キャラクターを切り替えるたびに新鮮な感覚がある。敵の攻撃に対するパリィ(受け流し)システムが洗練されており、ボス戦では特にこのリズムの掌握が問われる。難易度設定も細かく、アクションゲームに不慣れなプレイヤーでも快適に遊べる配慮がなされている。 ビジュアルの水準は、PCゲームとしてもトップクラスだ。日中のニューヨークは鮮やかで生気に満ち、夕暮れ時のハーレムは橙色の光に包まれて息をのむ美しさを見せる。建物の細部、道行く人々の動き、水面の反射——どれをとっても作り込みの密度が高く、単なる背景ではなく生きた都市として感じられる。サウンドデザインも優れており、ウェブが空気を切る音、シンビオートが展開する低音の振動、マイルズの電撃が走る電子的なサウンドエフェクトが、視覚情報と見事に一致して全身で戦闘を体感させてくれる。 ストーリーはネタバレを避けながら言うと、シリーズを通じて積み上げてきた人間関係が試される物語だ。ヴェノムをはじめとするシンビオートの脅威はもちろんのこと、ピーターとマイルズそれぞれの私生活における選択と犠牲が描かれる。超人的な力を持ちながらも普通の人間として生きようとする葛藤——これはスパイダーマンという存在の根幹テーマであり、本作はそれを前作以上に掘り下げている。感情的に重いシーンも多く、単なるアクションゲームと侮れない重厚な物語体験がある。 同ジャンルの比較として、Batman: Arkham Knightやゴッド・オブ・ウォーシリーズと並べることが多いが、本作の特徴はその「軽さ」にある。アーカム・シリーズが重厚でじっくりとした戦略性を持つとすれば、スパイダーマン2はよりスピーディーで直感的だ。ゴッド・オブ・ウォーのような深いRPG要素はなく、装備やビルドの複雑さよりも「キャラクターの動き自体の気持ちよさ」に振り切った設計といえる。 プレイ時間の目安としては、メインストーリーのみであれば15〜20時間程度、サイドミッションやコレクタブルを丁寧に回収しながらの完全クリアでは35〜45時間ほどを見込んでおくといい。クリア後のエンドコンテンツとしてはいくつかの要素が残るが、周回プレイは本作の主な楽しみ方ではない。どちらかといえばストーリードリブンな一本道体験であり、新鮮な驚きを重視するなら初見一周に集中することを勧める。 注意点として、前作「Marvel's Spider-Man」と「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」の内容を知らないと、人間関係や伏線の意味が大幅に薄れる。本作は完全な続編であり、新規プレイヤーにとっては登場人物への感情移入がしにくい場面もある。また、オープンワールド特有の収集要素の繰り返しに飽きを感じる人もいるかもしれない——街の至るところに散りばめられたコレクタブルの消化はやや単調になりがちだ。 こういう人には強くおすすめする——スーパーヒーローものが好きで、移動そのものを楽しみたい人。ストーリー重視でキャラクターへの感情移入を大切にする人。アクションゲームの操作感をとことん磨きたい人。反対に、複雑なRPGシステムやマルチエンディングを求める人、または周回プレイで何度も遊び込みたいタイプには少し物足りないかもしれない。 それでも、ニューヨークの空を我が物顔で飛び回る体験は、このゲームでしか得られない唯一無二のものだ。スパイダーマンというキャラクターへの敬意と、ゲームとしての完成度の高さが両立した、現世代を代表するアクションゲームの一本である。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 34時間

グラフィック、演出やカメラワーク、ゲーム体験、パフォーマンスなど全てのクオリティが高すぎる。 まさに『体験できる映画』 SONYスタジオのゲーム会社としてのレベルの違いを改めて実感した。 映画やゲームハードなど幅広い分野を手掛けているからこそできる、SONYの粋を集めた素晴らしい作品。

👍プレイ時間: 47時間

ゲーム中盤では何度もクラッシュして大変でしたが、それでも最後までプレイしきることができました。 PS1やゲームボーイアドバンスなど、これまで目に入ったスパイダーマンのゲームはできる限り手に取って遊んできましたが、今作はその中でも群を抜いた完成度でした。 正直なところ、「この作品を超えるスパイダーマンのゲームは、もう二度と作れないのでは?」と思ってしまうほどの出来栄えです。

👍プレイ時間: 27時間

面白いです。前々作・前作に引けを取らず面白い。 でもスパイダーマンが背中から機械のアームを出してビーム撃ったり、ムササビみたいに空を飛べたり、なんか本来のスパイダーマンから外れていってるような印象・・・(笑)。 ゲームとしての面白さは上がってますけどね。 あと戦闘は、今作からパリィが導入されたので、これを上手く使わないと勝てません。 まだ半分もやってないけど、そんな感想。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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