Nioh: Complete Edition

仁王 Complete Edition

非常に好評
仁王 Complete Edition
key visual / steam

批評

戦国時代の薄暗い城下町を歩いていると、ふいに路地の奥から妖怪の唸り声が聞こえてくる。刀を抜いて対峙したとき、プレイヤーは気づく——これは単なる「難しいアクションゲーム」ではなく、死と学習を繰り返すことで自分自身が研ぎ澄まされていく体験なのだと。『仁王 Complete Edition』は、同ジャンルの先輩にあたる『ダークソウル』シリーズとは異なる独自の文法で、プレイヤーに「生き残ること」の喜びを叩き込んでくる作品だ。金髪碧眼のサムライ、ウィリアム・アダムス(三浦按針)という実在の人物をベースにした主人公が、妖怪の跋扈する幽玄の戦国日本を駆け回るというコンセプトは、和洋折衷の奇妙な説得力を持っている。DLC3本をすべて収録したComplete Editionが¥957という価格で手に入ることを考えると、そのコストパフォーマンスはほとんど反則に近い。 ## 剣戟の手触り——スタンスシステムという革新 仁王を他のアクションRPGから決定的に区別するのが「スタンス」システムだ。上・中・下の三種類のスタンスは単なる攻撃速度の違いではなく、それぞれがまったく異なる戦闘哲学を体現している。上段は重く遅いが一撃の威力が高く、下段は機動力重視で素早い連撃が可能。中段はその中間で、バランスの良いオールラウンダーだ。 敵ごとに有効なスタンスが異なり、巨体の妖怪には上段で膝を崩し、素早い人間の敵には下段で懐に潜り込む——こういった読み合いが戦闘の奥深さを生み出している。加えて「気力」の管理が常に要求されるため、無闇に攻撃を振り回すことはできない。気力を使い切れば回避も攻撃もできなくなる。攻めと守りのリズムを体に染み込ませていく過程が、このゲームの本質的な楽しさだと言える。『ダークソウル』がスタミナ管理をある種の制約として課すのに対し、仁王はスタンス切り替えによってその管理を積極的な戦略に昇華させている。 ## ボス戦の醍醐味——死ぬたびに解像度が上がる 仁王のボス戦は理不尽なのか、それとも公平なのか。答えは「最初は理不尽に感じるが、実は公平だ」だ。初見では意味もわからず殺されるが、5回、10回と繰り返すうちに、ボスの動きのパターンが見えてくる。どの攻撃の後に隙が生まれるか、どのスタンスが有効か、何の準備をして臨めばいいか——死ぬたびに情報が蓄積され、戦闘の解像度が上がっていく感覚がある。 特に印象深いのは「本多忠勝」との戦いだ。史実でも「戦国最強の武将」と謳われた彼は、ゲーム内でも圧倒的な存在感を持って立ちはだかる。長槍を振り回しながら突進してくる彼の動きを読み、タイミングよく回避して反撃する。10回、20回と死に続けたが、初めてクリアしたときの達成感は、ソウルシリーズのどのボスに勝利したときとも比べられない種類のものだった。仁王のボス戦は「攻略ではなく会話だ」と感じる瞬間がある——相手の動きを読んで応答し続けることで、やがて息が合うようになる。 ## 協力プレイの達成感——助けを呼ぶ勇気 仁王のマルチプレイは「鳥居」と呼ばれる特定の地点から呼び出せる協力システムで実装されている。ステージ途中の鳥居で他のプレイヤーを召喚でき、共同でボスに挑むことが可能だ。ただし、協力者はそのボスをすでに撃破している必要があり、完全な野良プレイよりも「難所を越えたい人が助けを借りる」という構造になっている。 協力プレイで印象的なのは、熟練プレイヤーがボスを引きつけている間に側面から攻撃する連携の気持ちよさだ。言葉なしでも動きで意図が伝わり、二人でボスを圧倒したときの充実感は独特だ。ただし、ステルスや慎重な立ち回りを楽しみたい場合、協力者がいることで敵の攻撃がパターン外れになることもある。難所を一緒に超えるための道具として割り切って使うのが、このゲームの協力プレイとうまく付き合う方法だと思う。 ## ソロとマルチの体験差——孤独な修行か、共闘の爽快感か ソロで仁王を遊ぶとき、それは本質的に「自分との戦い」だ。ボスに挑んで死に、装備を整えて再挑戦し、少しずつ上達していく。この孤独な修行の過程こそが、仁王の本当の味わいだと私は思っている。失敗のたびに自分の弱点が浮き彫りになり、それを克服した瞬間の達成感は、マルチで誰かに助けてもらって得たものとは別物だ。 一方でマルチプレイは、行き詰まったときの救済として機能する以上の価値がある。同じ難所を乗り越えようとしている見知らぬ人と、言語を超えた連帯感を感じる瞬間がある。また、PvP要素として他プレイヤーの「残影」と戦う仕組みも実装されており、これはダークソウルの血のメッセージに似た「亡者との対話」的な体験を提供している。ソロとマルチはどちらが正解ということはなく、ゲームの異なる顔を見せてくれる。 ## ¥957という価格が持つ意味 DLC「龍の道」「仁王の加護」「最後の侍」をすべて含んだComplete Editionが¥957という価格は、ゲームとしての総プレイ時間を考えると信じがたいコストパフォーマンスだ。本編だけで80〜100時間、DLCを含めると150時間を超える体験ができる。 ただし、一つ正直に言っておく必要がある——仁王は万人向けではない。死に覚えを繰り返すことへの耐性がない人、あるいはアクションゲームの操作精度に自信がない人には、かなり厳しいスタートが待っている。序盤の難易度は特に高く、チュートリアルを終えてすぐの段階でも容赦ない。しかし「難しいゲームをクリアしたい」「失敗から学ぶプロセスを楽しめる」という人にとっては、この価格で手に入れられる最上級の体験の一つだ。続編『仁王2』の優れたシステムを体験する前に、まずこの作品でジャンルへの入門を果たしてほしい——そう思わせる密度が、この1000円以下のパッケージには詰まっている。

プレイヤーの声

初めての死にゲーでした。 PS4での仁王で それなりにストレスたまって 面白かったのでPC版も買いました!! 序盤での目つぶしスキルがクソ強いです、キーボードで操作は不親切よりです コントローラーでやりましょう。
▲ recommended·played 21h
アクションに自信がある人にはお勧めできます。ソウルライク、サムライゲー、ゆるくやりたいという人には向いてないです。とにかくテンポが速くわからん殺し、マップの視認性の悪さ、うざい敵の配置、とにかく理不尽に片足突っ込んでます。一応、救済措置というか各ボスに楽な攻略法はあります。人型にはハメ技もあります。 操作に慣れてボスの動きを覚えていくと、速いゲームスピードと敵の苛烈な攻撃の中で攻撃を差し込む楽しさに気づくと思います。その楽しさに気づくまでのハードルが高いのでアクションに自信がある人にお勧めできます。
▲ recommended·played 111h
 思っていた以上に戦闘が楽しかった。  ボス戦はやりごたえがあり、雑魚敵でも、武器種や構えによって間合いをはかったり、空振りを誘って隙を付くようなちょっとした読みあいのある戦闘が楽しかったです。  ただ、終盤からボス2体と同時に戦うような戦闘が増えてきて、そのあたりから私のプレイヤースキルではストレスに感じる方が多くなってきたので、本編、DLC1周目クリアの段階でやめました。  2周目以降のやりこみ要素までは出来ませんでしたが、1周目クリアまででも、ボリュームは十分あったので満足しています。
▲ recommended·played 258h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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