SOMA

SOMA

開発: Frictional Games発売: Frictional Games¥1,700

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

「自分が自分であるとはどういうことか」——SOMAはこの問いを、深海という逃げ場のない密閉空間に放り込み、プレイヤーに叩きつけてくる。舞台は2103年、大西洋の海底に建設された研究施設PATHOS-II。主人公サイモンが目を覚ますと、そこには腐敗した機械と奇妙な生命体が徘徊し、かつて人間だったはずの何かが錆びついた廊下を這い回っている。ホラーゲームとして売り出されているが、本質は哲学的なSFスリラーだ。恐怖は装置に過ぎない。このゲームが本当に揺さぶってくるのは、物語の選択肢でも謎解きの達成感でもなく、「意識とは何か」「記憶がコピーされた存在は自分と言えるか」という問いを、プレイヤー自身の体験として内側から感じさせる構造にある。 ## 脅威との向き合い方——逃げることの緊張 SOMAには武器が存在しない。プレイヤーに与えられる手段は、隠れること、迂回すること、そして沈黙することだけだ。 施設内を徘徊するクリーチャーたちはそれぞれ異なる感知方法を持っており、音に反応するもの、動きを追うもの、視線に反応するものが混在している。マニュアルで明示されることはほぼなく、何度か痛い目を見ながら各個体の習性を把握していくことになる。この学習プロセス自体が恐怖の源になっていて、「このルートなら抜けられるか」と仮説を立て、失敗して即死し、また試みる——その繰り返しが独特の緊張感を生む。 Amnesia: The Dark Descentと比較すると、SOMAの脅威はやや体系化されていて理不尽さが少ない。Amnesiaが「正体不明の恐怖」を武器にするのに対し、SOMAは「理解できるが対処できない恐怖」に軸足を置く。クリーチャーは怖いが、慣れれば対処法が見えてくる。その分、ゲームが本当に怖いのはクリーチャーではなく、ストーリーの節目節目で突きつけられる倫理的な問いだと気づく。 なお、Steam版には「セーフモード」が実装されており、クリーチャーに接触してもダメージを受けない設定が選べる。ホラー耐性に自信がない人や、純粋にストーリーを追いたい人はこれを使っても後悔しないはずだ。物語の密度はゲームとしての難易度に依存しない。 ## 探索と対話の手段——世界との接触 SOMA世界には「WAU」と呼ばれる有機的なAIが施設全体に蔓延しており、機械と人間の境界を溶かした歪な生命体を生み出している。プレイヤーはその名残を読み解きながら施設の奥へ進んでいく。 探索の核は「読む」ことにある。端末のログ、研究員の日誌、残留した音声記録——これらを丁寧に拾っていくと、壊滅前の施設がどれほど平凡な日常を送っていたかが伝わってくる。普通の人間が普通に働き、普通に昼食をとり、普通に喧嘩をしていた痕跡。その温もりと現在の廃墟のギャップが、静かな悲しみとして積み重なっていく。 謎解き要素は複雑ではない。電力を供給して扉を開ける、特定のアイテムを動かして経路を確保する、といった操作が中心だ。LIMBO や Inside のように「環境そのものが語る」タイプのゲームに近く、パズルで詰まって物語没入が途切れることはほとんどない。Observer や Hellblade: Senua's Sacrifice と同じく、「ゲームプレイよりも体験を優先した作品」として分類するのが適切だろう。 唯一注意が必要なのは、探索中に突きつけられる「選択」だ。SOMAにはいくつかの場面で、明確な正解のない判断をプレイヤーに委ねてくる瞬間がある。どちらを選んでもゲームは続くが、その重みはしばらく頭に残る。これはゲーム的な達成感を求めている人にとっては肩透かしに映るかもしれないが、SOMAが問いかけていることの核心でもある。 ## このゲームが向く人、向かない人 SOMAをすすめるとしたら、「SFのテーマとして意識・記憶・同一性に興味がある人」に迷わず推せる。Ted ChiangやKen Macleodの小説を読んで面白いと感じる人、あるいはBlack Mirrorの「サンジュニペロ」や「ホワイトクリスマス」が刺さった人には、ほぼ確実に響く。 一方、ゲームプレイの歯ごたえを求めている人には物足りなさが残る可能性が高い。戦略的な要素も、成長システムも、プレイヤースキルの向上を実感できる仕組みもない。Resident EvilやDead Spaceのように戦い抜く快感を求めると、完全にすれ違う。 プレイ時間は8〜12時間程度。¥1,700という価格でこの密度のストーリー体験が得られることを考えると、コストパフォーマンスは高い。セール時に購入するまでもなく、定価で即決していい作品だ。 深海の静寂の中で「自分とは何か」と問い続けるSOMAは、プレイし終えた後もしばらく頭を離れない。エンディングを迎えたとき、あなたはおそらく何かに対して怒りを感じるか、あるいは深い悲しみを抱くか、どちらかだろう。その感情を揺さぶられること自体が、このゲームの目的だ。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 17時間

ストーリーがひたすらに長いですが、ぜひ最後までプレイしてほしいです。序盤からは想像もつかなかった終わり方をします。

👍プレイ時間: 4時間

パブリッシャーセールでとんでもなく安くなっていたので購入しました。 深海の施設で謎の怪物から逃げながら、真実を探っていく傑作ホラーゲーム。 ゲーム自体に日本語字幕はないですが、日本語MODを入れることで、日本語字幕にする事ができます。

👍プレイ時間: 12時間

ストーリーは良かった。ゲーム性はイマイチ。暗い中を延々と歩かされて疲れます。 ネタバレを見ちゃうと一気につまらなくなるタイプのゲームなので、レビュー閲覧は最低限でプレイされることをお勧めします。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

SOMA screenshot 1SOMA screenshot 2SOMA screenshot 3SOMA screenshot 4SOMA screenshot 5SOMA screenshot 6

関連する特集記事

似ているゲーム