The Outlast Trials

The Outlast Trials

開発: Red Barrels発売: Red Barrels¥1,350

PlayNext レビュー

恐怖というものは、一人で体験するとき最も孤独で、最も純粋だ。しかし『The Outlast Trials』は、その前提をひっくり返す。友人と一緒に叫び、逃げ惑い、ときに見捨て合いながら体験する恐怖は、別の種類の原始的な感覚を呼び覚ます。「助けてくれ」と叫んでも、仲間もまた必死で逃げているという状況——これが本作の核心だ。 舞台は冷戦期のアメリカ。悪名高いマーコフ社が運営する秘密施設で、プレイヤーは被験者として「治療プログラム」に強制参加させられる。ここでいう治療とは、精神を破壊するための実験に他ならない。巨大な廃工場、孤児院、精神病院を模したセットの中で、サディスティックな番人たちから逃げ回りながらミッションを遂行する。シリーズの世界観を踏まえつつ、マルチプレイに最適化された独自のゲームループが構築されている。 ゲームプレイの基本は「隠れる・逃げる・協力する」だ。武器は持てない。できることは走ること、ロッカーや棚の下に隠れること、そして仲間を助けることだけ。各ミッションにはメインオブジェクティブとサブオブジェクティブがあり、電源を入れる、特定のアイテムを運ぶ、スイッチを起動するといった作業をこなしながら、無慈悲に徘徊する番人の目を掻い潜る。この番人たちが曲者で、単純にうるさくすると駆けつけてくるだけでなく、特定の行動パターンや弱点を持っており、マップごとに異なる脅威として立ちはだかる。 特筆すべきは進行の手触りだ。ソロでプレイすると息が詰まるような緊張感が持続するが、最大4人でプレイするとパニックと笑いが交互に訪れる奇妙な体験になる。仲間がロッカーに隠れているのに自分だけ見つかって引きずり出されたとき、画面越しに伝わる絶望感と申し訳なさは独特の感情だ。一方でキャプチャーされた仲間を救出に行く「英雄プレイ」も生まれやすく、協力ゲームとしての設計の巧みさが光る。 ビジュアルは一貫してリアリスティックかつ不穏だ。錆びた鉄の壁、ぼやけた蛍光灯、血の染みた床——あらゆる細部が「ここで何かひどいことが起きた」という空気を醸成している。夜間視力補助のナイトビジョンゴーグルは本シリーズの象徴的なビジュアルで、緑がかったモノクロの視界が逆に細部をぼかし、想像力による恐怖を増幅させる。サウンドデザインは特に優秀で、番人の足音、金属の軋み、遠くから聞こえる奇声——これらがサラウンド環境で鳴り響くと、視覚以上の情報量で恐怖が押し寄せてくる。ヘッドフォン推奨は単なる売り文句ではない。 シリーズのファンなら馴染み深いマーコフ社の陰謀が、今作では「実験施設」という舞台でより直接的に描かれる。被験者たちは個別の過去を持ち、施設の奥には「治療」の真の目的が隠されている。ゲームを進めるうちに断片的に明かされる設定資料や会話ログが、この世界の歪んだ論理を補完していく。ホラーゲームのストーリーとして特段の驚きはないが、世界観の密度は十分に濃い。 類似作との比較で言えば、『Dead by Daylight』が非対称マルチプレイとして対人戦の緊張を売りにしているのに対し、本作は協力プレイヤー同士の連帯と混乱を中心に据えている。『Phasmophobia』とも近い体験を持ちながら、あちらが「調査」をループの軸にするのに対し、本作は「逃走と作業」がメインだ。ソロ向けの体験としては初代『Outlast』の系譜を正統に受け継いでいるが、それをマルチプレイに昇華した点が本作最大の独自性と言えるだろう。 プレイ時間の目安は、ストーリー的な解禁要素を一通り見るだけなら20〜30時間程度。しかしゲームの本質はリプレイにある。各マップには難易度段階(トライアルランク)が設定されており、難易度を上げることで報酬と危機感が段階的に増す。プログレッションシステムとしてキャラクターのスキルツリーや装備のアンロックがあり、効率的な動きを追い求めるやり込み勢にも応える設計になっている。フレンドとのプレイを軸にするなら100時間以上遊び続けることも難しくない。 注意点も正直に書いておく。ホラー演出の中心が「追いかけてくる巨大な怪人」系であり、心理的・超常的な恐怖よりも生理的・肉体的な恐怖が強い。グロテスクな映像表現も随所にあり、耐性のない人には単純に不快になる場面がある。また、オンラインマッチングに依存するためプレイヤー数の少ない時間帯はロビー待機が発生することもある。ソロでも遊べるが、本作の醍醐味の大半はマルチにあるため、一人プレイを主体に考えているなら初代『Outlast』の方が完成度は高い。 こういう人には強くおすすめする。友人と「ガチで怖いゲームをやりたい」と話しているなら、本作は現状の協力ホラーゲームの中でもっとも手軽で密度の高い選択肢だ。¥1,350という価格は協力ゲームとして考えると圧倒的にコストパフォーマンスが高い。逆に、一人でじっくりとした恐怖体験を求めている人、グロ描写に強い拒否感がある人、オフラインコンテンツを重視する人には合わないかもしれない。 恐怖を笑いに変える力が人間にはある。本作はその変換装置として、今のホラーゲーム市場では唯一無二の居場所を確立している。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 15時間

衣食住も保障される代わりにせんせえの最高傑作と遊ぶ最高の治験バイト(デメリット無さ過ぎて草) たいがいのナースは美人だし、せんせえは褒めてくれるしベッドもふかふかw すげえゲームもあるし腕相撲楽し過ぎだろ!最高かよ!w けいけんすべきだわこれ、人生に一回は てか、全然帰りたくなくて草!w

👍プレイ時間: 119時間

正式リリースから2年経って、まだまだ精力的にアップデートを行っているので今から始めても十分楽しめます!野良のプレイヤーも新規に非常に優しいのでぜひマルチの世界へ

👍プレイ時間: 361時間

マルチで協力して遊べるゲームですが、一人でも十分に楽しめます。 リプレイ性が非常に高く、難易度の幅も広いため、ステルスが苦手な方も楽しめると思います。特に高難易度では大量の敵の間を見つからないよう縫うように移動しながらタスクをこなす緊張感がたまりません。ただし、ゲーム内はかなりグロテスクで、どこを見渡しても陰部が露出した死体が当たり前のように転がっているため、苦手な方は注意が必要です。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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