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Dying Light

Dying Light
key visual / steam

批評

2015年1月26日に発売されたゲームが、11年後のいまも6,503人を同時接続させている。Techland の『Dying Light』に寄せられたレビューは492,549件、そのうち95.23%が好評で、Steam の評価ラベルは最上位の「圧倒的に好評」だ。レビュアーサンプルのプレイ時間中央値は約37時間。オープンワールドのゾンビゲームとしては珍しくない長さに見えるが、この作品の場合、その37時間の内訳が人によって驚くほど違う。50時間遊んだレビュアーは「バカおもろい。寄り道めっちゃするタイプだから大分満足感高かった。」と書き、5時間で見切ったレビュアーは「評価は良さげでしたが自分はセール価格でもオススメしません。」と結論している。同じ街を走っているはずの二人が、まったく違うゲームの話をしている。

パルクールが目的地までの移動を遊びに変える

公式の説明が挙げる柱は4つ、広大なオープンワールド、クリエイティブな戦闘、昼と夜の体験、そして4人協力プレイだ。中でも本作の設計上の中心は「パルクールを駆使して建物を飛び渡り、未知のエリアに辿り着こう」という移動にある。一人称視点で壁を登り屋根を渡る感覚は、DICE の『Mirror's Edge』(2008) が確立した系譜にあるが、あちらが決められたルートを速く正確に走らせるタイムアタック寄りの設計だったのに対し、本作は地上を感染者が埋めている都市の上を、任意の経路で逃げ回るために使わせる。移動が目的ではなく回避手段になっている点が違う。20時間プレイしたレビュアーの「途中グラップルでスパイダーマンになった気分でしたね」という一言は、その解放感を端的に言い当てている。同じレビュアーは「街にある物資を永遠漁れて気持ちいいww」とも書いていて、探索・収集・作成のループが移動の楽しさに接続していることが分かる。

一方で、この移動系は万能な発明として受け取られてはいない。5時間でやめたレビュアーは「様々な建物を登ることができる点はたしかに感心しました。」と認めつつ、「登りたい上方向を向かなければ登れない等不便さが目立ちました。」と指摘している。視線方向に登攀判定が縛られる仕様は、慣れれば意識しなくなる類のものだが、序盤の数時間で離脱するかどうかを決める摩擦になり得る。

バイラルという、賛否を割る一点

この作品の評価を割っている最大の要因は、グラフィックでもストーリーでもなく、走って追ってくる感染者「バイラル」だ。41時間プレイして非推奨をつけたレビュアーは「バイラルという足の速い手ごわいゾンビが湧きすぎる」と書き、「一人でプレイしようと思うなら、バイラルの湧きを最低限まで落とすか完全になくすMODを使った方が絶対にいいです。」とまで踏み込んでいる。19時間で断念した別のレビュアーも「まずゲーム自体はおもしろかった。」と前置きしたうえで「ただバイラルというゾンビの存在が耐えられなくなり断念した。」「嫌な叫び声を上げながら高速でどこまでも追ってくる。」と理由を明記している。19時間プレイのさらに別のレビュアーは「最弱敵の掴み攻撃の判定謎すぎて萎える」と近接戦の判定に不満を述べ、「これが我慢できるならほかは楽しいと思うがやってらんない」と締めている。

注目すべきは、これらがいずれもつまらないという評価ではないことだ。三人とも面白さは認めたうえで、特定の1要素に耐えられずに降りている。つまり本作の落とし穴は品質ではなく相性で、追われる緊張を娯楽と感じるか苦痛と感じるかの一点に集約される。夜になると狩る側から狩られる側に反転するという設計は、その相性を意図的に増幅する装置でもある。緊張の持続が苦手な人にとって、これは慣れれば解消するたぐいの話ではない。

四人でやると、恐怖の量が割り勘になる

本作はシングルプレイヤーと4人協力プレイ、さらに対人モードまで抱えている。実レビューを並べると、ソロと協力で体験が明確に分岐しているのが見える。前述の非推奨レビューが「一人でプレイしようと思うなら」と条件を切っているのに対し、20時間の好評レビューは「フレンド2人でストーリークリアしました。」と書き、ストーリーを飛ばしながらでも楽しめたと報告している。追われる圧が個人の忍耐力を削る構造なので、それを複数人で分散できるかどうかが分岐点になっていると読める。Valve の『Left 4 Dead』が最初から4人前提で圧を設計したのに対し、本作はソロ完結の物語に協力を後付けできる構造で、その分ソロ時の負荷が個人に集中する。

ただし協力プレイは万能な救済でもない。99時間遊んだ好評レビュアーは「実績に協力プレイがあるので、クリア後に実績コンプ目当てでやりこもうとは思わないけど・・・。」と書いている。発売から年数が経つほど、協力プレイ前提の実績は同時に遊ぶ相手を確保できるかどうかに縛られる。裏を返せば、遊ぶ相手を見つける手段さえあれば、この作品の弱点の一つは今でも解消できる部類だということでもある。

追われる緊張に耐えられるかで決まる

本稿執筆時点のストア価格は¥674(通常価格¥3,370の80%オフ)。11年前の受賞作とその DLC 群がこの価格帯にあること自体が、購入判断のハードルを大きく下げている。19時間で断念したレビュアーですら「400円で購入して、DyingLightの世界を味わえて、20時間弱遊べたからギリ納得できるかな。」と書いており、金額に対する不満はほとんど見当たらない。

向くのは、屋根を渡る移動そのものが報酬になる人、探索と物資集めの反復を苦にしない人、そして何より、逃げる緊張を娯楽として受け止められる人だ。フレンドと2〜4人で走れるなら、評価はさらに一段上がる可能性が高い。

向かないのは、常時追われる状態がストレスになる人、近接戦の判定に厳密さを求める人、装備の耐久・破損システムを嫌う人(5時間のレビュアーが「本作に限らず装備に耐久値や修復すら不可な破損をするシステムはストレスでしかありません。」と明言している)。加えて、55時間プレイしたレビュアーが「55時間のセーブデータがいきなり消えました。」「面白かっただけに残念。」と報告している事例がある点は、長時間投資する前提で買うなら知っておく価値がある(件数から一般的な発生率は判断できないが、報告が存在するのは事実だ)。

95.23%という好評率は、この作品が広く受け入れられていることを示す一方で、降りた人たちが同じ理由で降りていることまでは教えてくれない。判断材料になるのは率ではなく、その理由が自分に当てはまるかどうかのほうだ。

プレイヤーの声

Dying Light: Definitive 10th Anniversary Edition これがセールで1000円切ってたから驚いて買ったよ。 懐かしい、折り紙付きの傑作だね。
▲ recommended·played 12h
めっちゃ死にました。(笑) けど、今でも十分おもしろいと思います。 実績に協力プレイがあるので、クリア後に実績コンプ目当てでやりこもうとは思わないけど・・・。 時間が経ったゲームの実績から協力プレイ関連は省いて欲しいものだ。(bioshockみたいに)
▲ recommended·played 99h
przed zagraniem mialem malego pisiorka i dziewczyny sie do mnie nie odzywaly po zagraniu nic sie nie zmieniloale gra nawet spoko
▲ recommended·played 92h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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Dying Light screenshot 4
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Dying Light screenshot 5
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Dying Light screenshot 6
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