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The Forest

The Forest
key visual / steam

批評

旅客機の墜落から生き延びた一人の父親が、息子を捜して食人ミュータントの棲む森を歩き回る。Endnight Games が2018年4月に正式リリースした The Forest の骨格はそれだけだが、8年後の現在も5,582人が同時に接続しており、679,404件のレビューのうち95.53%が好評という数字を保っている。インディー規模のサバイバルホラーとしては異例の持続力だ。ただし数字の中身を読むと、この作品を支えているのは「サバイバルの完成度」ではなく、まったく別の何かだという輪郭が浮かび上がってくる。

公式が謳う「森」と、プレイヤーが見た森

Steam の説明文は本作を「terrifying first person survival horror simulator」と位置づけ、あらゆる木や植物を伐採できる世界、地下に広がる洞窟と地底湖、そして信条・家族・道徳を持ちほとんど人間に見える敵(原文では beliefs, families, morals)の存在を売りにしている。この最後の一点は、単なるモンスター配置とは違う設計思想の宣言だ。

実際にプレイした側の記述も、ここについては公式と噛み合っている。44時間プレイのレビュアーは「息子を捜して島を脱出するという目的がはっきりしているので遊びやすいが、不気味な世界観、暗すぎる洞窟、気味の悪い原住民、凄惨な被害者の遺体でソロプレイは終始、陰鬱になる」と書く。23時間で否定評価を付けたレビュアーですら「洞窟や敵のデザインはなかなか良かったと思う」と認めている。雰囲気とレベルデザインは、否定側の口からも肯定される数少ない要素だ。

一方で公式が並べる、拠点を建て罠を張り海辺に要塞を築くというクラフト要素については、体験の側から留保が付く。同じ44時間のレビュアーは末尾にこう添えている——「※クラフトは作り込むというよりライフライン確保メインです」。Valheim や Rust のように建築そのものが目的化する系譜を期待して入ると、ここで肩透かしを食う可能性がある。

ソロと協力プレイで、別のゲームになる

本作は Steam のカテゴリ上、シングルプレイヤーとオンライン協力プレイ・LAN協力プレイの両方を備える。そしてレビューを読む限り、この二つはほぼ別物の体験として語られている。

先の44時間のレビュアーは、ソロが陰鬱だと述べた直後に「しかし、肝試し感覚で友達とマルチプレイで遊べばすごく盛り上がる」と続ける。115時間プレイした別のレビュアーはロシア語でこう書いている——「Игра средняя, ​​но в ней есть баги и другие недостатки, поэтому в неё довольно весело играть с друзьями.」(平均的なゲームでバグや欠点もあるが、友達と遊ぶとかなり楽しい、の意)。欠点を認めた上で協力プレイの価値だけを理由に好評を投じている構図で、これは肯定側の複数言語圏で共通している。

逆にソロの側は厳しい。31時間で否定評価を付けたレビュアーは「自分が強くなる以上に敵が強くなる。」「たぶん、ソロじゃ無理。」と述べ、最終的に敵の出ないモードでクリアしたと報告した上で「周回しようと思えるゲームでは無い。」と結んでいる。46時間の肯定レビュアーも「脳筋で森や洞窟を走り回るだけだとつまんないかもね。」と条件を付けており、ソロで成立させるには考察や物語への関心という別の燃料が要ると読める。

つまり、この作品の高評価は「一人で遊ぶサバイバル」としての完成度が生んだものではなく、恐怖を共有する相手がいるかどうかに強く依存している。購入判断で最初に問うべきは、一緒に潜る人間がいるかどうかだ。

8年経っても残る不便とバグ

否定レビューの内容は、好みの問題ではなく実装の粗さに集中している。17時間のレビュアーは「バグが多すぎます。」と切り出し、死亡地点に表示された自分の死体が地面に埋まって回収不能だったこと、スタックや画面の固まりを挙げる。12時間で肯定評価を投じたレビュアーですら「突進デブに突き飛ばされてそのまま地面すり抜けてなにもできなくなりました。セーブしてなかったから4時間無駄になりました。」と報告している。肯定・否定の両側から同種の地形バグが出てくるのは、単発の不運では説明しにくい。

生存システムの手触りにも不満が出る。5時間で投げた人は「喉の乾きにずっと苦しめられる。しかし真水で飲めそうな川や滝や湖に近づいても飲めない。」と書き、運べる枝や岩の本数制限と置き場の制約を同列に並べている。6時間で投げた別の否定レビュアーは昼夜が逆転して何もできなくなるパターンの多さを挙げ、「難しいというよりひたすら不便。」と総括した。60時間遊んだ否定レビュアーの総括は「システムの何もかもが古く色々と不便に感じる」であり、「続編も出ているので無理してやるほどのものではないと思う」と付け加えている。2023年に早期アクセス開始した続編 Sons of the Forest が存在する以上、この指摘は無視できない。

VR対応も額面通りには受け取れない。プレイ時間0時間で否定評価を付けたレビュアーは「操作が不明で何もわからないまま放置されるのがストレス。」とし、VRでは攻略サイトを開けないため序盤で離脱しやすいと述べる。別のレビュアーは前進移動の不具合と酔いを訴えている。VR目当てでの購入は薦めにくい。

隣に誰かいるかどうかで評価が割れる

レビュアーサンプルの中央値プレイ時間は約27.8時間で、母集団全体の統計ではないものの、¥2,050という価格に対しては十分な滞在時間だと言える。向くのは、一緒に潜る友人が確保できていて、雰囲気とレベルデザインを主目的にできる人。そして、8年前のシステム設計に由来する不便さとバグを「そういうもの」として笑える人だ。

向かないのは、ソロで淡々と進めたい人、建築の作り込みを主目的にする人、そしてVR体験を目当てにする人。95.53%という好評率を「誰にでも合う証拠」と読むと落とし穴にはまる。この数字は協力プレイの体験と世界観の強度が、実装の粗さを上回った結果であって、粗さが無いという意味ではない。相手がいないなら、続編を含む他の選択肢を先に検討したほうがいい。

プレイヤーの声

3年ぶりに起動してやってみたら面白かったけど、突進デブに突き飛ばされてそのまま地面すり抜けてなにもできなくなりました。セーブしてなかったから4時間無駄になりました。また3年後に逢う日まで、さようなら。
▲ recommended·played 12h
ストーリーや背景を考えながらプレイ出来たら楽しいよ。 英語が読めたら考察もはかどる。 脳筋で森や洞窟を走り回るだけだとつまんないかもね。
▲ recommended·played 46h
Игра средняя, ​​но в ней есть баги и другие недостатки, поэтому в неё довольно весело играть с друзьями.
▲ recommended·played 115h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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The Forest screenshot 6
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