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Garry's Mod

Garry's Mod
key visual / steam

批評

ツールだけを渡され、遊び方は渡されない

34,259人。これは今この瞬間もGarry's Modに同時接続しているプレイヤーの数字である。エンディングもクリア条件も無い「物理サンドボックス」に、発売から約20年が経過した今なお、これだけの人数が集まり続けている。1,254,056件のレビューに対して96.9%が好評という数字も、単なる懐古的な人気では説明がつかない規模だ。運営側が「これをやれ」を一切提示しないゲームが、なぜこれほど長く生き延びているのか。その答えは、称賛と苦言がほぼ同じ熱量で並ぶレビュー群の中にある。

公式の説明は簡潔で、かつ潔い。決められた目的やゴールは無く、車・ロケット・投石器といったオブジェクトを出現させるツール一式を渡すので、あとは好きに世界を作ってくれ、という設計思想だけが提示される。¥490という価格のまま2006年11月29日の発売からほぼ20年、この一点だけを核に売り続けている事実は、カジュアル/インディー/シミュレーションに分類される作品としては異例の息の長さだ。カテゴリ表記にはマルチプレイヤー・協力プレイ・Steamワークショップ対応が並び、単体で完結する物語型のゲームというより「土台」として設計されていることが公式情報からもうかがえる。目的地を用意しない自由度の高さは、そのまま「何をすればいいか教えてくれない」不親切さと表裏一体であり、この振れ幅こそが好評率96.9%という高評価と、後述する辛辣な批判が同居する理由になっている。

「ぶっ飛ぶ」快感が主役になる物理演算

プレイ時間3時間のレビュアーは「エンティティを地面に押さえつけて離したときにありえないほどぶっ飛ぶので楽しい」と評し、43時間プレイした別のレビュアーも「とてもいい物理演算。自由な工作と多種多様なmodがさらに魅力を引き立てている」と続ける。ストーリーもミッションも無い箱の中で評価の軸になっているのは、造形物を組み上げる楽しさそのものよりも、物理演算が生む予測不能な壊れ方・飛び方のユーモアだという傾向が、短時間プレイと長時間プレイ双方のレビューに共通して見て取れる。Steam Workshopには20年近く蓄積されたTTT・Prop Hunt・サンドボックスRPなど無数のユーザー製ゲームモードが存在し、この物理演算という土台の上に他プレイヤーが次々と遊び方を積み増してきたことが、単体のミニゲームでは終わらない懐の深さを支えている。

Workshopという迷路 ― 「なんでもできる」の代償

好意的なレビューでさえ手放しではない。プレイ時間4時間のレビュアーは「気に入る点は、やりたいことをなんでもできる。でもmod(アドオン)の作者が外国の方々が多いので、少し難しい」と評価しており、日本語話者にとってはWorkshopの探索自体が最初のハードルになる。さらに厳しい3時間プレイのレビューは「なんでもできる!...使い方が分かれば。その状態に持っていくまでにものすごい知識量と設定が必要。魅力を感じるようなマップやゲームを見つけられず断念。マルチ目当てなら勉強する気がないと続けて遊ぶのはキツイ。玄人向け。友達に知識のある人がいるならおススメできる」と評している。同じくユーザー生成コンテンツを核にするRobloxが新規プレイヤー向けに人気ゲーム一覧やレコメンドを前面に出して導線を作っているのに対し、Garry's Modのチュートリアルは薄く、何を遊ぶかを自分で発見する前提だという補足情報とも符合する。Minecraftの Creative モードが「何もない」自由度を売りにしつつもクラフト体系という緩やかなガイドを内蔵しているのと比べると、Garry's Modは本当に「道具だけ」渡して放り出す潔さがあり、その分だけ最初の数時間で離脱するプレイヤーを生みやすい構造だと言える。

20年物のエンジンが背負うスペック要求

プレイ時間3,334時間という、長期プレイヤーの中でも突出したレビュアーが「このゲームは少しプロップを出したらすぐに重くなります(最悪の場合クラッシュします)…もしこのゲームを買いたいのであればとても高スペックなパソコンを買いましょう」と警告している点も見逃せない。3千時間を超えて遊び込んだ人物が今なお注意喚起として書き残しているということは、この重さ・クラッシュ傾向が初心者だけの一過性の問題ではなく、Workshopのアドオンを積み上げるほど負荷が増す設計そのものに起因する、長期的な付き合い方の問題であることを示唆している。20年近く改修を重ねてきたエンジンの上に無数のユーザー製コンテンツを載せ続けている以上、快適に遊ぶための投資が別途必要になる点は、購入前に織り込んでおくべき情報だろう。

向いている人、そして早々に離脱する人

プレイ時間中央値が約49時間という数字は、最初のハードルさえ越えれば長く付き合うタイトルであることを裏付けている。向いているのは、Workshopをブラウジングして自分でTTTやProp Huntのようなモードを探し出す作業自体を楽しめる人、物理演算のバグめいた挙動を笑いに変えられる人、そして一緒に遊ぶ友人がいるか新しく探す意欲がある人だ。逆に、Minecraftのサバイバルモードのように最初から目標や進行のガイドが欲しい人、mod選びやセットアップに時間を割く気がない人、標準的なスペックのPCで動作の安定性を求める人には向かない。「なんでもできる」という自由と引き換えに「何をすべきかは自分で決めろ」を突きつけてくる作品であり、その突き放し方に耐えられるかどうかが評価の分かれ目になる。

プレイヤーの声

Aqı Kıllı Burağın memeslerini isirmadikdan sonra bir amacı yok
▲ recommended·played 28h
気に入る点は、やりたいことをなんでもできる。でもmod(アドオン)の作者が外国の方々が多いので、少し難しい。
▲ recommended·played 4h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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Garry's Mod screenshot 3
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Garry's Mod screenshot 5
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Garry's Mod screenshot 6
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