Ori and the Blind Forest: Definitive Edition

Ori and the Blind Forest: Definitive Edition

開発: Moon Studios GmbH発売: Xbox Game Studios¥522

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

森が死にかけている。精霊の木の光が失われ、すべての命が枯れ果てようとしている。その中で、白い精霊の子「オリ」は親代わりだった存在を亡くし、たったひとりで暗闇の中へ踏み出す。*Ori and the Blind Forest: Definitive Edition* は、そういう物語だ。冒頭のシーンだけで涙腺を刺激されるゲームは珍しくないが、このゲームが特別なのは、その感情が最後までゲームプレイと地続きになっている点にある。泣かせてから放置するのではなく、オリの孤独と覚醒が、プラットフォームアクションとしての体験そのものに溶け込んでいる。522円という価格でここまでの体験が手に入ることに、正直なところ戸惑いすら覚える。 ## ジャンルの中での立ち位置 メトロイドヴァニアという括りで語られることが多いが、*Ori* は純粋なメトロイドヴァニアとは少し異なる。*Hollow Knight* のような広大な探索マップや、ボスを倒して能力を解放していく構造は薄い。どちらかといえば、精密なプラットフォームアクションと移動アビリティの習得を軸にした、縦横無尽に駆け抜けるゲームだ。 比較対象として *Celeste* を挙げると分かりやすい。*Celeste* がひとつひとつの画面を「パズルとして解く」感覚に近いとすれば、*Ori* は「流れるように移動する」感覚に重きを置く。崖を蹴り、光弾を足場にして跳ね、敵の弾を踏み台に天井へ飛び上がる——これらの動作が連鎖したとき、操作が演奏に近い感覚になる瞬間がある。*Rayman Legends* の流麗さと、*Super Meat Boy* の反復精度要求の中間あたりに位置すると思えばいい。 ## 移動の気持ちよさと能力設計 オリの移動感覚はゲーム開始直後から独特だ。走る・ジャンプするという基本動作が、すでに他のプラットフォーマーより少し重力の扱いが繊細に調整されている。空中での慣性、着地の吸い付き感、壁への張り付きの精度——どれも「狙った場所に着地できる」という信頼感を与えるチューニングがされている。 Definitive Edition から追加されたダッシュと壁走りは、この設計をさらに拡張する。中盤以降、プレイヤーはジャンプ・ダッシュ・バッシュ(敵弾を蹴って反発する技)を組み合わせて複雑な障害物を突破するようになるが、これが「できなかったことができるようになった」という成長の実感として正確に機能している。アビリティツリーで能力を強化するRPG的な成長ではなく、操作の幅そのものが広がることで、後半の自分は前半の自分より明確に「上手くなっている」と感じられる。 特筆すべきはバッシュという技で、敵弾を足場として使うこのメカニクスがゲームの立体的な移動を生み出している。通常のジャンプでは届かない高さも、敵の弾を利用すれば越えられる。これは単なるギミックではなく、終盤のシーケンスでは息をのむようなコンボを要求してくる。 ## 森の絵画と音楽の密度 グラフィックについては「美しい」という言葉を使わずに説明するのが難しい。手描きのイラストを3Dに起こしたかのような背景は、光と影の対比が非常に繊細で、スクリーンショットが壁紙になる水準のシーンが随所に存在する。ただし単に綺麗なだけではなく、光の強弱が「ここが安全な場所、ここが危険な場所」という情報として機能しており、美術とゲームデザインが分離していない。 Gareth Coker によるサウンドトラックは、このビジュアルにさらに深みを与える。弦楽器と声楽を主軸にしたスコアは、場所ごとに明確にトーンが変わり、プレイヤーが迷い込んだ場所の「気配」を音で語る。特に冒頭の*Naru, the Village Guardian*と、ラストへ向かうシーケンスの音楽は、何度聴いても引っかかりが残る。ゲーム音楽として評価が高いのは、メロディの良さもさることながら、場面ごとに感情の温度を操作する構成力にある。 ## 難易度と挫折の関係性 このゲームで最も議論になるのが難易度だ。中盤以降、特定のシーケンスは非常に高い精度を要求してくる。死亡回数が二桁を超えるポイントも珍しくない。 ただし、ゲームにはセーブポイントを任意に置ける「ソウルリンク」システムがある。これは単なる難易度緩和ではなく、「どこで死んでも許容できるか」をプレイヤー自身が設計できる仕組みだ。ソウルリンクには消費リソースが必要なため無制限には使えないが、難しい区間の直前にセーブを置いて繰り返し挑戦するストレスは、これによってかなり軽減される。 一方、終盤の特定の追跡シーケンス(洪水や炎に追われながら走るエスケープシーン)は、このシステムがあってもかなり苦しい。反射神経と動体視力を要求するこれらの場面は、プラットフォームアクションに慣れていない人には相当な壁になる。「感動的な物語は楽しみたいが、アクションの精度には自信がない」という人に対しては、正直に言って覚悟が必要だと伝えたほうがいい。 それでも、この難しさはゲームが伝えようとしている「生き延びる意志」という主題と切り離せない。死んで、学んで、突破する——その繰り返しがオリの旅と重なって、クリアしたときの感情は単なる達成感ではなく、物語と体験が溶け合った何かになっている。522円という数字は、この体験の価値と全く釣り合っていない。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 9時間

攻略を進める ↓ 意地悪なギミックに心が荒ぶる ↓ ストーリーを見る ↓ 優しさで心が安らぐ 以下ループ

👍プレイ時間: 8時間

初見6時間ほどでクリアしました。キーボード・マウスでプレイしましたがアスレ要素多めで楽しかったです。ダッシュの能力があれば楽に行けるらしいのですが自分は知らずにクリアしてしまったのでストーリーで手に入るようになっていればよかったと感じました。

👍プレイ時間: 9時間

いいところ ・どこでもセーブ可能 ・リトライが爆速 ・音楽とグラフィックが抜群 ・難易度、ボリュームがちょうどいい よくないところ ・トゲ多すぎ

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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