
蒐命のラスティル - とこしえの迷宮城 -
Rustil: Eternal Labyrinth Castle
開発: KTMG LLC.発売: KIC Games¥2,100
PlayNext レビュー
「魂を集める」というコンセプトが、これほど爽快感と奥行きを両立させているローグライクアクションがあっただろうか。蒐命のラスティルの核心は、倒した英雄たちの魂を取り込み、その能力を自分のものにして戦う「魂蒐集」のシステムにある。ダンジョンを一歩進むたびに自分が変化し、強くなっていく感覚は、単なる数値の成長ではなく、まるでキャラクターが本当に別人になっていくかのような手応えをもたらす。
操作の基本は軽快で、入力への反応が素直なため、最初のフロアから「動かしていて気持ちいい」と感じられる作りになっている。魂の能力をスロットに割り当て、状況に応じて切り替えながら戦う立ち回りは、最初こそシンプルに見えるが、フロアが上がるごとにその組み合わせの幅が一気に広がる。近接型の英雄魂で敵を引き付けながら、遠距離型の能力でフィニッシュを狙う、あるいは補助系の魂でバフをかけながら高速で駆け抜けるといったプレイスタイルを、プレイヤー自身が模索していく過程が非常に楽しい。テンポは全体的に速く、一回の試行が比較的短い時間で完結するため、「もう一回」という衝動を繰り返し引き起こしてくれる。
もうひとつの大きな柱がモンスターの捕獲・育成・召喚システムだ。倒すだけでなく、育てて仲間にするという選択肢が加わることで、ゲームの目的が単なる攻略だけでなくなる。お気に入りのモンスターを見つけて強化し、ともに迷宮城を駆け上がる体験は、ローグライクというジャンルに珍しいペット愛着要素をもたらしている。モンスターの育成ルートにも個性があり、アタッカーとして育てるのか補助役にするのかという選択が、プレイスタイルに直結する。
ビジュアルはドット絵ベースで構築されており、細部まで丁寧に作り込まれたキャラクターと、薄暗くも神秘的な迷宮城の雰囲気が絶妙にマッチしている。英雄たちの魂それぞれがはっきりとした個性をもったデザインになっており、「この魂の能力はなんだろう」という好奇心をビジュアル面から刺激してくれる。サウンド面では、フロアごとに異なるBGMが緊張感と没入感を維持させており、ボス戦での楽曲の切り替わりはアドレナリンを確実に上げてくれる。
世界観の軸にあるのは、巨大で謎多き迷宮城という舞台と、英雄たちの魂が散りばめられたその内部の歴史だ。主人公ラスティルがなぜこの迷宮城を登らなければならないのかという動機と、各フロアに封じられた英雄たちの背景が断片的に明かされていく構成は、探索欲を適切に煽りながら物語を推進させる。ネタバレを避けて語ると、「迷宮城そのものに意志がある」かのような空気感が漂っており、最上階に何が待ち受けているかという期待感が常にプレイヤーの背中を押している。
同ジャンルとの比較でいえば、Hades や Dead Cells と並べて語られることが多いが、魂蒐集とモンスター育成の融合という点では独自性が際立っている。Hades のような緻密なナラティブ演出には及ばないものの、自分のビルドを「集めて組む」楽しさはむしろ Slay the Spire に近い充実感がある。モンスターとの絆要素は Coromon や Monster Sanctuary といったモンスター育成系タイトルを思わせるが、あちらよりアクション性が強く、判断と反射の両方を求められる設計になっている。
プレイ時間の目安として、初クリアまでは5〜10時間程度だが、実際には周回プレイによって真価が発揮される。魂の組み合わせパターン、モンスターの育成ルート、ビルドの最適化など、探索の深みは相当なもので、20〜30時間以上楽しめる土台がある。難易度が上がる周回モードや実績解除を目指すプレイヤーなら、それ以上の時間を費やすことも珍しくないだろう。
注意点としては、ローグライクの宿命である「理不尽な死」が序盤は頻繁に起きる点がある。魂の能力やモンスターの特性を把握するまでは、思わぬ敵の行動パターンにやられることもあるため、試行錯誤への耐性が求められる。また、モンスター育成システムは奥が深い分、最初は情報量の多さに戸惑う人もいるかもしれない。チュートリアルの丁寧さは十分だが、自分で試して覚えるタイプの設計であるため、最初から全容を把握しようとするより、失敗しながら発見していく姿勢で臨む方が楽しめる。
ローグライクアクションが好きで、ビルド構築に時間を忘れて没頭できる人、さらにモンスターを育てて愛着を持ちたいという欲求もある人には、このゲームは非常に刺さる一本だ。¥2,100という価格帯で得られるコンテンツ量と体験の密度を考えれば、満足度は高い。逆に、ストーリー重視でローグライクの繰り返し性に疲れやすい人や、即時の報酬感を重視するプレイヤーには、育成とビルド構築に比重が置かれたこの作品は向かないかもしれない。迷宮城のすべての謎を解き明かす知的好奇心と、強くなっていく快感を両方味わいたいなら、ラスティルとともに最上階を目指す価値は十分にある。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 146時間
遊びやすくて中毒性もあって面白いです! バグはちょいちょいあれどとても丁寧に作り込まれてて、大事に育ててきたゲームなんだなと感じます ・・でもガン◯ム大丈夫??
👍プレイ時間: 50時間
かなり楽しめてます。 攻略サイトが無いのがむしろ試行錯誤できて良いです。 ストーリーは添え物。 本編はビルドの模索とスキル厳選です。 他の方がレビューしてますが一見取れない位置にある宝箱(魔法スキルで壁破壊可能)など分かりにくい点がちょいちょいあるのが課題でしょうか。 ですがその粗削りなところも含めて楽しいです。 大手企業の作品に飽きた人にこそ遊んでほしい作品。
👍プレイ時間: 52時間
牛丼屋に行ってカレー食ったら美味くて大当たりだった.....そんなかんじの面白さ。 EAのときはこんなもんかな~程度の評価でしたが正式リリースで化けましたw 価格帯を考えると厳しいかもしれませんが ・壁向こうに見えるさわれない宝箱が、ほぼ定位置出現 ・強化コンテンツで消耗側アイテムの品名等文字表示がなくアイコンのみで判断する点 ・進行後、夜間になった森MAPの遠近暗闇視界不良 ・大型キャラファミリア召喚時のSE騒音化 などなど、致命的ではありませんが気になる点あり。 見えてるのに取れないお宝は 大したものが入っていないにしても結構ストレスだったりしますw 修正してくれるかな?
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











