
The Last of Us™ Part I
開発: Naughty Dog LLC発売: PlayStation Publishing LLC¥3,795
PlayNext レビュー
荒廃した世界を旅するゲームは数多い。しかしこの作品が他と一線を画すのは、その旅が「ふたりの人間の関係」を中心に据えているからだ。感染症によって文明が崩壊してから20年。密輸屋として生き延びてきた中年男ジョエルと、菌類ウイルスに免疫を持つ14歳の少女エリー。目的地まで送り届けるだけのはずだった任務が、いつしか疑似父娘の絆へと変容していく——その過程を体感することこそが、『The Last of Us Part I』の核心だ。ゲームを「遊ぶ」というより「体験する」という言葉が似合う。
## 演出と雰囲気の圧倒的な密度
このゲームの演出力は、移動中のちょっとした会話にまで宿っている。荒れ果てた民家を通り抜けるとき、エリーは棚に残された雑誌を手に取り、くだらないジョークを読み上げる。ジョエルは気のない返事をする。それだけだ。セリフは短く、説明的でもない。しかしその一瞬に、ふたりの距離感がじんわりと滲み出てくる。
グラフィックの精緻さも息をのむ水準にある。植物に侵食された都市、ひび割れたアスファルト、窓から差し込む冬の光。ただ美しいのではなく、「かつてここに人が暮らしていた」という静かな悲しみが空間全体に漂っている。BGMも同様で、マーティン・オドネルのような壮大なオーケストラではなく、アコースティックギターの細い旋律が感情を丁寧に縁取る。派手な演出に頼らず、「余白」で語る設計が徹底している。
物語は章ごとに季節が変わる構成を取っており、春夏秋冬それぞれの空気感がふたりの関係の変化と呼応している。この季節の移ろいと感情の弧が重なる瞬間に、プレイヤーは気づいたときには物語に深く引き込まれている。
## 息を潜める戦闘の手触り
戦闘システムは、爽快感よりも「生き残ること」の緊張感に振られている。銃弾は常に足りない。素材を拾ってクラフトするか、敵をやり過ごすか、それとも接近して黙らせるか——常に選択が迫られる。
クリッカー(音で索敵する感染者)との立ち回りは特に独特だ。視覚が機能しない代わりに聴覚が鋭いため、物音を立てた瞬間に一気に距離を詰められる。一般的なサバイバルホラーのように「見つかったら終わり」という恐怖ではなく、「どこまで近づけるか」という緊張のギリギリを探り続ける感覚に近い。
人間の敵との戦闘は、さらに複雑だ。AIは互いに連携して包囲しようとし、仲間を撃たれると感情的になって突進してくることもある。遠距離から狙うより、レンガで注意を引いて背後から近づくほうが有効な場面も多い。「戦う」より「立ち回る」という表現が正確で、プレイヤーはその場その場の地形と素材を使って局面を打開する。
同じくポストアポカリプス系の『Days Gone』や『Metro Exodus』と比べると、オープンワールドの探索自由度は低い。一本道に近い構成だ。しかしその制約が演出の密度を生んでいるとも言える。脱線の余地を絞ることで、物語の圧力を一点に集中させている。
## 人を選ぶポイント
ゲームプレイの難度は標準設定でも手加減がなく、リソース管理が苦手なプレイヤーには詰まる場面が出てくる。ただし難易度は細かく調整可能で、最高難度から「ストーリー重視」の易しい設定まで幅広く用意されている。アクションゲームの腕前を問わず、物語を追うことに集中できる設計は親切だ。
暴力表現は直接的で、グロテスクなシーンも複数ある。感染者の描写や、生存をめぐる人間同士の残酷さも容赦なく描かれる。世界観の「重さ」に耐えられるかどうかは、正直なところ人を選ぶ。これを楽しいゲームと呼ぶかどうか微妙なところで、終盤にかけては精神的な消耗を感じるプレイヤーもいるだろう。
PC版はフレームレートとグラフィック設定の自由度が高く、コンソール版より没入感を高めた状態でプレイできる。ただし最適化の問題が発売当初に報告されており、低スペック環境では動作確認を事前にしておくことを勧める。
「ゲームは物語を語れるのか」という問いへの、現時点でもっとも誠実な回答のひとつがこの作品だと思っている。エンディングまで見届けたとき、それがどんな結末であれ、長い時間をかけて誰かと旅をしてきた実感が残る。それがこのゲームの一番の強さだ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 22時間
映画のようなゲームです。景色や日光の表現がとても綺麗で、何度も思わず写真を撮りたくなった。キャラクターモデルや表情の表現も非常に細かく、まるで本物の人間のように感じた。 一番好きなのはJoelとEllieの絆です。最初はただの他人同士だったけど、旅の中で数々の困難を乗り越えて、少しずつ距離を縮めながら、どんどん本当の家族のような関係(かんけい)になっていく姿に何度も心を打たれた。 このゲームの魅力はクリア後もずっと考えさせられ、深い悲しみを引きずることです。記憶を消してもう一度最初から遊びたい。
👍プレイ時間: 14時間
普通におもしろいと思う。 戦闘はやや難しいところはあった、ストーリーは素晴らしいと感じた。 セールで勝ったがなぜかDLC?もついていたので2度楽しめた。 2からはポリコレ要素が~とか言われているがメインのストーリーの中にも鱗片は見えるのでそもそも、そういうゲームなんだと思う。
👍プレイ時間: 39時間
ゲームとしても、もちろん面白い。 それ以上に、シナリオが素晴らしい。最後のセリフがずっと心に残っています。 私は娘を持つ父親です。
出典: Steam ユーザーレビュー
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