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Dishonored

圧倒的に好評87,600
Dishonored
key visual / steam

批評

ステルスの歴史の中でDishonoredが占める座標ははっきりしている。Thiefが完成させた一人称視点の影と音による潜入と、Deus Exが提示した、一つの目標に複数の解法を用意する設計思想。Arkane Studiosが2012年にBethesda Softworksから出した本作は、その二つを超能力で接続した。22時間プレイして否定的な評価を付けたレビュアーですら、書き出しでこう位置づける。「Thiefを発展させたようなゲーム。」批判者の側からも系譜が同じに見えているのは、座標の証明として強い。

本作が持ち込んだ発明は二つある。暗殺対象ごとに必ず非殺傷の解決手段が用意されていること。そして殺した人数の総量が街の荒廃度と結末に跳ね返る、いわゆるカオス値だ。この二つはいずれも続編のDishonored 2へ引き継がれている。だから問うべきは面白いかどうかではなく、この発明が現場でどう作用しているかだ。

自由度は宣伝文句ではなく実装されている

Steam公式は、超能力・武器・ガジェットを組み合わせて創造的に標的を排除でき、結末はプレイヤーの選択で変わると掲げる。この種の文言は誇張になりがちだが、本作では実際に機能しているようだ。65時間プレイのレビュアーは「マップデザインも非常に凝っているので色々な攻略法ができる。」と書き、33時間のレビュアーは「1回目は初見のままステルスしたり全員殺したりといろんな方法で進めてクリア」した後、動画で見た強引な攻略を真似て2周目を数時間で終えたと報告し、「自由度が高く面白い作品」と結んでいる。

同じ自由度はステルス放棄の方向にも開く。17時間のレビュアーは、ステルスアクションだと認めたうえで「敵を見つけたら剣で斬る! ピストルを撃つ! ネズミの群れをけしかける! そして追い詰められたら全力で逃げる!」と宣言し、「バッドエンドなんて気にしないさ!」と締める。8時間のレビュアーも「ストーリー的にはステルスした方が良い。だけど正面突破も可能。私は正面突破しまくってました。」と書く。ここが本作とHitmanシリーズの違いだと私は見ている。Hitmanで正面突破は事実上の失敗プレイだが、Dishonoredでは剣と銃と魔力を持たされている以上、それも設計内の選択肢になる。

カオス値は選択肢ではなく達成条件として受け取られている

一方で、この仕組みが摩擦を生んだ証拠も同じだけ残る。13時間プレイの好意的なレビュアーは、殺してはいけないタイプの作品なので麻酔ダーツやCQCで敵を無力化する必要があると説明し、それをメンドクサイやつと評したうえで「なぜか殺した犬までカウントされるという謎」と付け加える。25時間プレイの否定的レビュアーはもっと直截で、「週末の私は右手にナイフ、左手にピストル、懐に機械仕掛けの爆弾を忍ばせ、超能力を操る恐怖の暗殺者になる予定でしたが「ひとをころすとぐっどえんどにいけませんブヒ」ということで全てを否定されました。」と書いている。14時間のレビュアーも「実績気にしちゃうと禁じ手ばっかだし、倒していくと面倒になってくだけだし。」と実績との相性の悪さを指摘する。

私の判断はこうだ。カオス値は倫理的な選択肢を提示する装置だが、良い結末という報酬を紐づけた時点で、多くのプレイヤーには選択ではなく達成条件に変わる。暗殺者の物語を与えながら暗殺を減点対象にする構造は、Metal Gear Solid Vのように非殺傷を純粋なスコア加点として扱う設計と比べ、動機と噛み合いにくい。殺しの手段を楽しみたい人ほど遊び方を否定された感覚を持つ、というのが最大の落とし穴だ。

87,600件・97.6%の裏で分かれているもの

Steamのレビュー総数は87,600件、うち好評97.6%で評価ラベルは圧倒的に好評。2012年10月10日発売の作品が、取得時点でも866人の同時接続を保っている。レビュアーサンプルのプレイ時間中央値は約20時間だが、これはレビューを書いた人の中央値であって購入者全体の統計ではない。メインストーリーが一周十数時間規模であることを踏まえれば、レビューを残す層の相当数が周回まで進んだとは読み取れる。

一方、否定側のレビューはステルスゲームとしての精度に集中している。11時間のレビュアーは「とにかく敵に気づかれまくるのでステルスなのか単独特攻なのかわからなくなる。」と書き、「ミスって剣で床殴ったら敵が全員気づくとかありえねー。」と続け、「気づかれて集団リンチになったら死んでセーブデータ戻すっていう作業がステルスゲームとして終わってるかな。」と断じる。14時間のレビュアーの結論も「で敵の配置や反応、AIもいまいちなんだよね。なのでステルスゲーとしてあまりお勧めはしないです。」だ。3時間のレビュアーはリソース面を突き、「能力を使うには魔力が必要で。魔力回復にはアイテムが必要で。…ついつい温存しようとする人は使い所がわからなかったりでストレスなシステムだった。」と書く一方、「敵から距離を取りすぎると銃器を使ってくる。このへんはよく出来ていると感じた。」と敵の挙動の一部は評価している。

これらは矛盾ではなく要求水準の差だ。Splinter Cellのように発見それ自体が失敗として設計されたステルスを基準に持ち込むと、本作の索敵は緩くも粗くも感じられる。リカバリー込みで遊ぶ前提なら、超能力による脱出手段が豊富な分だけ融通が利く。取り違えると、ロードを繰り返す作業に自分から突入することになる。

2012年製のPC版を、いま起動するということ

注意点を置く。本作はWindows専用で、日本語表示は有志の対応に依存する。35時間のレビュアーは「vbsが廃止されるらしいので、日本語化のコードをpowershellで実行するようにしました。」と自作の手順を公開し、22時間の否定的レビュアーは「日本語化しても勝手に更新して無効化されてしまう。」と書く。58時間のレビュアーは2022年12月13日のアップデート以降MOD導入状態でメニューにエラーが出ると報告し、4時間のレビュアーは「進行不能のバグが発生しました。エリア移動しようとすると確定フリーズ。」と、返金期限を過ぎた経緯まで残している。116時間のレビュアーが「神ゲー。好きな人はとことんハマるタイプのゲーム。」と評しつつ、強くてニューゲームができない不満をMODで解決したと書くのも同じ構図だ。快適に遊ぶにはMODと付き合う覚悟が要る。

判断を書く。向くのは、非殺傷という制約をパズルの条件として楽しめる人、同じマップを違う手段で解き直すのに時間を使える人、PC側のセットアップを自力で解決できる人だ。向かないのは、暗殺者の力を制約なしに振るいたい人、AIの一貫性にシビアなステルス上級者、日本語化の手間を負いたくない人。13時間のレビュアーが「2と比較すると物足りない部分は多いけれど、本作も面白いのでお勧めです」として「総合評価は92点」を付けているのは、この作品の実像に近い。取得時点のストア価格は¥275(セール価格を含む)。この金額で13年前の発明の原型に触れられることは、ジャンルの歴史に興味があるなら十分な理由になる。

プレイヤーの声

ステルスゲームの最高傑作の一つ 流石にグラフィックは古くなってしまったけど ゲームプレイは現代でも全く見劣りしない。 瞬間移動に時間止め、ウォールハックに憑依など 超能力が最高にかっこいいものばかり。 マップデザインも非常に凝っているので色々な攻略法ができる。 ストーリーDLCはどちらも最高なのでそっちもオススメ
▲ recommended·played 65h
Dishonoredといえば、敵に見つからずに進むステルスアクション。 ……ですが、私にはそんなものはありません。 敵を見つけたら剣で斬る! ピストルを撃つ! ネズミの群れをけしかける! そして追い詰められたら全力で逃げる! そんなプレイでも、このゲームは面白い。 バッドエンドなんて気にしないさ!
▲ recommended·played 17h
vbsが廃止されるらしいので、日本語化のコードをpowershellで実行するようにしました。 Github https://github.com/Alchemist-not-programmer/Dishonored_JP_Powershell
▲ recommended·played 35h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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