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Fallout: New Vegas

圧倒的に好評260,021
Fallout: New Vegas
key visual / steam

批評

26万件を超えるレビューの95.99%が好評で「圧倒的に好評」——2010年10月21日発売のゲームが2026年時点でこの数字を保ち、しかも6,806人が同時に起動している。Obsidian Entertainment開発/Bethesda Softworks販売、価格は¥549。ここまでは買わない理由が見当たらない。ところが低評価側のレビューを開くと、443時間、578時間、247時間、238時間といった数字が並ぶ。数百時間を注ぎ込んだ人間が親指を下に向けている作品なのだ。この矛盾こそが、いまこのゲームを買う人が最初に理解すべき性質だと私は考える。

公式が売っているのは「選べる荒野」

Steam公式の説明文は「Welcome to Vegas. New Vegas. Enjoy your stay!」の一行で始まり、モハビ砂漠、フーバーダム、ネオンに濡れたベガス・ストリップを舞台に、複数の派閥が支配権を争う戦争でどちらの側につくかを選ぶか、あるいは勝者総取りを宣言して自らニューベガスの王を名乗るか、というかたちでプレイヤーに決断を迫る構造を打ち出している。要するに売り物はロケーションではなく、選択とその帰結だ。

この売り文句が空手形でないことは、プレイヤー側の言葉が裏づけている。49時間プレイのレビュアーは「ストーリーやキャラクターはさすがFalllout、尖っていたり愉快に狂っていたりしていて面白いのと、Fallout3に比べて自分でストーリーの選択権があるのがいい。」と書く(原文ママ)。5時間のレビュアーはもっと乱暴に「なんつっても自由度が高い。」と要約する。230時間を記録したレビュアーに至っては、特定の派閥への肩入れを悔いて「イエスマンと言う輩に諭され彼を殺しました。」「若さゆえの過ちです…。」と告白している。15年前の分岐設計が、いまだに「あのとき誰を裏切ったか」の記憶として残っている。ここは本作の芯であり、疑う余地は薄い。

同じ世界観のFallout 3(Bethesda開発・2008年)や、後年のFallout 4(2015年)と比べたときの本作の位置も、レビューから読み取れる。230時間のレビュアーは「FO4の綺麗な世界に疲れた時、枯れ果てたモハビの大地に何度も降り立つ自分がいます。」と書いている。新しい方が上位互換にならないタイプの作品だ、ということになる。

数百時間遊んだ人が低評価を付ける理由

問題は、その芯に辿り着くまでの道が2026年のWindowsでは舗装されていないことにある。

137時間のレビュアーは「動作がまったく安定せずロード中によくフリーズする。PCを強制再起動しないといけなくなる事も。」と報告し、「ゲーム自体は傑作なだけに・・・リメイクしてくれ」と続ける。66時間のレビュアーはより具体的で、「とんでもなくクラッシュが多いのでストレスが溜まります。体感30分に一回は落ちるのでこまめなセーブは必須です。」。238時間のレビュアーは追記で「追記、2023年からまたやり始めたがクラッシュや無限ロードがやばすぎる。」と書き、時間の経過で改善したわけではないことを示している。0時間(=起動確認のみ)のレビュアーの報告はさらに厳しく、「全画面でやるとタスクマネージャー以外開けないうえにゲームに戻れません」——買った当日に詰んだ例だ。

247時間のレビュアーの一文が、この構造をいちばん的確に言い当てている。「ゲームは神だが、ファイルをなんやかんやしないとまともに動かない」。低評価の大半は「つまらない」ではなく「面白いのに動かない」の告発であり、だからこそプレイ時間が長い。ここを読み違えると評価スコアを誤読する。

MODは「推奨」ではなく前提条件

では動かすには何が要るか。57時間のレビュアーは一行でこう書く。「PC版はMOD推奨ではなく”大前提”です!入れないとまともに遊べないので、そこだけ注意。」49時間のレビュアーも「古いゲームではあるが、MODとか使えばQOLやグラフィックはかなり改善する。」と、同じ結論に別方向から到達している。108時間のレビュアーにとってはそれ自体が楽しみで、「各種modも多数用意されていますし、自分の望む環境にできたのも良かったです。」

ただしその作業量は無視できない。443時間を費やしたレビュアーは低評価側でこう書く。「肝心のゲームよりもMOD導入のほうにさいた時間のほうが相当多くなってたんですがそれは・・・。」そして「翻訳や導入すべきMODが多くて実際ゲームに取りかかれるまでのハードルが高すぎる。最高傑作と言われるがそんな手順を踏んでまでしてやるゲームか・・・?と言われると自信をもってオススメする気にはなれません。」

日本語の壁も同じ場所にある。Steamのストア表記に日本語対応はなく、1時間のレビュアーは「注意として日本語でもプレイはできません。」と書き、0時間のレビュアーは「それと日本語化は難しいです」「パスワード知らないとファイル落とせなかったりするし」と、有志日本語化の導線自体が初心者に開かれていない現実を残している。逆に振り切った例もあって、5時間のレビュアーは「英弱の私にはNPCが何を言っているのか全く分からないが、通りがかりの人間をぶっ飛ばしてるだけでとても楽しい神ゲー。」と書いている。会話が分からなくても遊べてしまうのは事実だが、それは本作の売り物である「選択」を捨てた遊び方でもある。

なお動作要件は軽い。1時間のレビュアーの「まずめっちゃ軽いのでスペックを問わずできると思います」は、公称最低要件(Dual Core 2.0GHz/2GB RAM/10GB)と整合する。落ちるのはマシンパワーの問題ではない、という点は押さえておきたい。

¥549 で買えるのは「遊べる状態」ではない

レビュアーサンプルのプレイ時間中央値は約77時間(4,597分)で、これはSteamでレビューを書いた層に限った中央値であり購入者全体の統計ではない。それでも、レビューを残す程度に本気で触った人の半数が77時間以上を注いでいるという事実は、¥549という価格に対する分量として異例だ。

向くのは、MODマネージャーやパッチ導入に抵抗がなく、セットアップ作業そのものを不快と感じない人。英語のテキストを読める、または有志日本語化の導入を自力で完遂できる人。そして分岐と派閥選択に価値を置く人だ。

向かないのは、買ってすぐ遊びたい人、日本語で快適に物語を追いたい人、クラッシュのたびに集中が切れることに耐えられない人。落とし穴は価格の安さで判断を軽くしてしまうことにある。¥549で買えるのはライセンスであって、遊べる状態ではない。実際にかかるコストは金額ではなく、有志MODを調べて入れる数時間と、こまめなセーブを身体に叩き込む習慣のほうだ。

「古典的名作だから買え」で終わらせるつもりはない。この作品を勧められるのは、動かないゲームを自分の手で動くようにする工程を、旅の一部として引き受けられる人に限られる。それが面倒なら、95.99%という数字は他人の話だと思っておいたほうがいい。

プレイヤーの声

まずめっちゃ軽いのでスペックを問わずできると思います 注意として日本語でもプレイはできません。 基本的にopenworldのゲームで自由なので楽しいです 自分はfalloutシリーズが大好きなので最高のゲームでした
▲ recommended·played 1h
Falloutのドラマを並行して視聴しながらプレイ。 ストーリーやキャラクターはさすがFalllout、尖っていたり愉快に狂っていたりしていて面白いのと、Fallout3に比べて自分でストーリーの選択権があるのがいい。エンディングは一つしか見なかったけど、ドラマで見たキャラクターや場所などが出てくると「これ見たやつだ!」とテンションがあがるのでドラマ視聴する人はぜひ。 古いゲームではあるが、MODとか使えばQOLやグラフィックはかなり改善する。
▲ recommended·played 49h
分かりにくい部分もありましたが、面白かったです。 各種modも多数用意されていますし、自分の望む環境にできたのも良かったです。
▲ recommended·played 108h

source: steam user reviews

スクリーンショット

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