274万件を超えるレビューのうち好評は60.5%で、評価ラベルは「Mixed(賛否両論)」。それでいて Steam の実測同時接続は96,755人あり、2017年12月21日に出たタイトルとしては異常なほど人が残っている。しかも現在は基本プレイ無料だ。数字だけ並べると「人はいるが評価は割れている」という平凡な要約になるが、日本語レビューを読み下すと賛否の線はもっと具体的な場所に引かれている。ゲームデザインの好き嫌いではない。起動するか、まともに動くか、対戦相手が人間か——ほぼその三つだけで割れている。
高評価に票を入れた人まで苦情を書いている
まず目を引くのは、おすすめに票を投じたレビューの中身が苦情そのものだという点だ。2671時間プレイしたレビュアーは「もっと軽くしてくれるといいのにな。」と書き、続けて「最低限のスペックではとてもじゃないけどまともにできません。」と述べている。さらに「ゲーム開始されるまで全く画面が変わらずフリーズし、途中で落ちることもあり本来システム側の問題なのに評価が勝手に下げられます。激重すぎてゲームにならない!」と、動作の重さがゲーム内の評価にまで波及する構造を訴えている。2671時間遊んだ人間が推奨側に入れたうえでここまで書く。この作品の空気をよく表す一本だ。愛想を尽かして去るのではなく、居座ったまま文句を言い続ける層が異様に厚い。
反対に、環境が噛み合えば重さの話は消える。15時間のレビュアーは「+DLSS much better FPS」と書き、「me 95FPS middle setting」と実測を添えている。DLSS を有効にして中設定で95FPS という報告だ。ストア掲載の最低要件は64bit Windows 10・GTX 960 2GB / Radeon R7 370 2GB 相当・メモリ8GB・ストレージ40GB。重いという証言と快適という証言が同じレビュー欄に並んでいる以上、参考にすべきは平均的な評判ではなく、自分の GPU が DLSS 相当の機能を持っているかどうかのほうになる。
数千時間の古参が「起動できない」で降りている
低評価側で最も重いのは、遊ぶ以前で止まるという報告だ。872時間のレビュアーは「先日のアップデート以降、起動時にちょくちょくクラッシュするようになりました。修正をお願いします。」と書く。448時間のレビュアーは「原因は分かりませんが、今回のアプデで完全に起動できなくなりました。」としたうえで、「以前は他ソフトウェアの干渉などのエラーで起動できないことはあったが何度も再起動すると無理やり入ることができたが今回は何度も試みたが無理でした。」と経緯を残している。極めつけは4607時間のレビュアーで、「アップデートで起動できなくなり、プレイできなくなることがしばしば。ごくまれに起動できる。が、アンチチートの低品質な開発技術によってPUBGそのものをプレイすることができなくなった。」と書いて非推奨に投じた。
この不満の出どころははっきりしている。ゲーム内容ではなくアンチチートを含むクライアント側の常駐機構と、アップデートのたびに変わるその挙動だ。裏返せば、他ソフトの常駐が少ないきれいな環境で、かつアップデート直後に必ず遊ばねばならない事情がない人なら、遭遇確率も被害もかなり下がる。逆に配信ツールやオーバーレイ、周辺機器ユーティリティを何本も常駐させている人ほど踏みやすい種類のトラブルでもある。ここは「自分の PC が汚れているかどうか」を先に自己申告できる人にとってだけ、軽い問題になる。
対戦相手が人間かどうかという前提の話
基本プレイ無料のバトルロイヤルに必ずついて回るのが不正だ。14時間で離脱したレビュアーは「昨今のゲームでこんなにチーターが居るのもなかなか珍しいと思う」と書き出し、「足音なし、瞬間移動など多様。チート販売業者も普通にスクワッド入ってくる」と具体を挙げて、「面白く無くてやめた。まだOWやってたほうがマシ」と結論している。前述の448時間のレビュアーも起動不能の話の末尾で「また、ゲーム自体もチーターがちょくちょく見られるようになってた。」と付け加えており、時間の長短にかかわらず同じものを見ているのが分かる。
運営対応への不信も同じ根から出ている。160時間のレビュアーは「ゲームを起動すらしていなくほかのゲームをしているだけなのに垢バンされた」と書き、「異議申し立てしても何も対応なし」と続ける。無実の側から見た誤検知と、チーターの側から見た検知漏れは、同じ検出システムの表と裏だ。厳しくすれば誤爆が増え、緩めれば不正が残る。PUBG のレビュー欄では両方の被害者が同時に怒っている。
モードの選択についても不満が出ている。59時間のレビュアーは「tppモードくそすぎる なんでみんなこのモードしかやらんのや」と嘆いている。本作には複数のモードがあるが、このレビュアーの体感では周りが特定のモードにばかり集まっていて、そこが自分の好みと合っていない。どのモードに人が寄っているかは実際に入ってみるまで見えないので、遊びたい形が決まっている人ほど先に確かめておきたい部分だ。
無料で入れる代わりに何を売っているか
課金の設計についても、皮肉としてだが証言がある。462時間のレビュアーは「全世界で大人気のバトルロイヤルゲーム(大嘘)。」と切り出し、「実際は勝った報酬金(BP)で箱を買いそれを約250円の鍵で開けて宝物を出すゲーム。」と本作の実態を要約してみせる。彼はそのうえで推奨に票を入れており、「そんな大人気ゲームを皆(最大4人)でやろうね!」と締めている。外見のランダム性商法を分かったうえで、仲間と遊ぶ器として使い続ける——今の PUBG に残っている人の典型的な距離の取り方だ。
レビュー投稿者がこのゲームを遊んだ時間の中央値は約196時間ある。数十時間で見切るゲームではなく、数百時間側の人間が母集団の真ん中に来る種類のタイトルだということは、この数字から読める。
一緒に降下する相手がいるかどうか
向くのは、一緒に降下する相手が既にいる人だ。最大4人のスクワッドで、降下地点の相談から物資の分配、終盤の詰めまでを共有できるなら、本作の設計は今も強い。無料なので全員分の初期費用がかからない点も、集団で始めるには実際に効く。技術的な不具合とチーター遭遇を「そういうものだ」と流せる胆力があり、動作の重さを設定で詰めるのが苦にならない人にも合う。
向かないのは三種類。一つ目は、起動トラブルの切り分けを自分でやりたくない人。数千時間の古参ですら起動できずに降りている以上、運が悪ければ最初の一歩で詰まる。二つ目は、対戦の公平性が壊れた瞬間に興味を失う人。14時間で「面白く無くてやめた」と書いた人は完全に正しい判断をしており、無理に続ける理由はない。三つ目は、遊びたいモードが最初から決まっていて、それ以外では満足できない人。59時間のレビュアーのように、周りが集まる先と自分の好みがずれていると、その不満は遊ぶたびに戻ってくる。
好評率60.5%という数字は、このゲームがつまらないという意味ではない。「遊べさえすれば面白いが、遊べるかどうかが環境と運に左右される」という状態がそのまま票に出ているだけだ。基本プレイ無料で入れるので、判断に迷うならインストールして起動するところまで自分で試すのが一番早い。落ちる側の環境なら、それは数分で分かる。












