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Sid Meier's Civilization® V

圧倒的に好評210,340
Sid Meier's Civilization® V
key visual / steam

批評

Steam のストアページに記載された発売日は2011年7月29日。それから15年近く経った今も、『Sid Meier's Civilization V』は17,755人を同時に画面の前へ縛り付けている。210,340件のレビューのうち95.6%が好評で、評価ラベルは最上位の「Overwhelmingly Positive」。だが本作を語るうえで最も異様な数字は、その好評率でも本数でもない。レビュアーサンプルのプレイ時間中央値が15,068分——約251時間だということだ。母集団全体の統計ではなくレビューを書いた人だけの中央値だが、それでも「レビューを書く層の半分が250時間以上遊んでいる」という事実は重い。この数字が「面白さの証明」なのか「終わらせにくい設計の副作用」なのかを、実際のレビューの言葉から読み解いていく。

公式が売っているのは「入りやすさ」だ

ストアの説明文で 2K と Firaxis が最初に掲げているのは深さではなく間口である。「INVITING PRESENTATION: Jump right in and play at your own pace with an intuitive interface that eases new players into the game.」——初心者を導くインターフェース、自分のペースで遊べること。そのうえで六角形グリッドによる新しい戦闘・都市建設戦略、外交資源としての都市国家、対話可能な指導者による外交システムを新機軸として並べている。要するに公式の自己申告は「シリーズ最大の入門機」だ。

実プレイヤーの声は、この自己申告を半分だけ裏書きする。159時間のレビュアーは「個人的にはとても難しかったですが、」と前置きしたうえで「最高に楽しいターン制のストラテジーゲームです。」と評し、さらに「MODも簡単に導入できるので、ズルも出来ます…!」と付け加えている。難しさは実在するが、Steam Workshop 経由の MOD 導入という逃げ道が公式ハブとして用意されている——公式が謳う間口の広さは、UI よりむしろ改造環境の側で成立している、というのが実像に近い。

251時間は褒め言葉なのか

中央値251時間の意味は、レビューの言い回しに露骨に出ている。938時間のレビュアーは「時間がまじでとける。」「ターン終わりまでやるかーってなって、次のターンもすぐにやりたくなってしまう。」と書く。3,031時間の別のレビュアーはさらに端的で、「時間泥棒と言うより略奪者レベル。」。どちらも肯定レビューでありながら、語彙は「奪われた」側のものだ。

重要なのは、この時間の溶け方を欠点として明示している好評レビューが存在することである。301時間のレビュアーは「遊び尽くせないほどのボリューム」と讃えたうえで、「ただし時間が掛かるゲームなので」「気軽に出来ない点が難点といえば難点」と留保を置いている。つまり251時間という中央値は、純粋な満足度の指標ではない。一度始めると途中で切り上げにくい構造を持つがゆえに積み上がる数字でもある。1日30分しか確保できない人にとって、この設計は「お得」ではなく「敷居」として働く。

同ジャンルと並べると座標がはっきりする。Paradox の Crusader Kings III や Europa Universalis IV はリアルタイム進行でプレイヤーが一時停止を握るが、Civ V は完全なターン制で、終了地点を決めるのはプレイヤー自身の意志だけだ。停止ボタンが設計側でなく人間側にしかない——時間が溶ける物理的な理由はここにある。

いま V を買う理由と、その前に確認すべきこと

後継作が2本ある中で V を選ぶ根拠は、価格と評価の落差にある。¥745 という定価は、シリーズ最新作の帯とは桁が違う。15時間のレビュアーは見出し付きで「Civ6、7よりも断然こっち」と書き、「新作よりも完成されていて面白いです。」「セール時が買い時。」と続けている。15年ぶんのパッチと MOD 資産が行き渡った状態のゲームが千円未満で手に入る、というのは客観的に強い。

ただし、ここに本作最大の落とし穴がある。今回参照した低評価レビューの中身が、ゲームデザインへの不満ではなく、そのほとんどが起動不能の報告なのだ。1,431時間のレビュアーは「2K Launcher Removalまでは超おすすめ作品だった。」としたうえで、「整合性も再インストも管理者権限も互換モードもネットに転がる解決策は全てダメ。」と報告している。1,463時間のレビュアーも「1451時間遊びつくしましたが調べても公式を確認しました現在起動すらしません…」と書く。486時間のレビュアーは「久しぶりに遊ぼうと思い起動させようとしたがランチャーが廃止されたのか起動しなくなってた」と、症状の発生時点をランチャー廃止に結び付けている。2時間で低評価をつけたレビュアーの「マルチディスプレイだと起動に失敗してゲームができない。」という報告もある。

千時間単位で遊んだ人間が起動できずに怒っている構図は、コンテンツの薄さへの不満より深刻だ。一方で復帰報告も同じレビュー欄に並んでいる。93時間のレビュアーは「プロパティ → 一般 → Steamクラウドに~セーブデータを保持」「にチェックを入れたら起動できました!」と手順を残し、68時間のレビュアーは「急にプレイできなくなった人は統合性のチェックを試してみましょう。」と書いている。環境依存で発生し、環境依存で直る類の問題だと読める——裏を返せば、自分の環境で直るかは買ってみるまで分からない。

まとまった時間を差し出せるかどうか

向くのは、まとまった時間を自分の裁量で確保できて、1本のゲームを数百時間かけて掘る遊び方を是とする人だ。この作品の魅力は反復にあり、2,695時間のレビュアーが「AI指導者の性格をランダム設定にしても変わらないモンちゃんが好き」と書けるのは、同じ指導者と何十回も対峙した先にしか生まれない感想である。歴史や文明の積み上げそのものに興味がある人、MOD で自分好みに改造する前提の人にも強く向く。

向かないのは三種類。第一に、短時間で区切って遊びたい人——「気軽に出来ない点が難点」という当事者の証言をそのまま受け取るべきだ。第二に、最新のグラフィックや2020年代の UI 快適性を期待する人。第三に、そして最も現実的なリスクとして、トラブルシュートを自分でやりたくない人。¥745 を捨てる覚悟が持てないなら、購入前に自分の OS・GPU 構成での起動報告を Steam のコミュニティで確認してからにすべきだ。「万人におすすめ」できるゲームではないが、条件が合う人にとっては千円未満で250時間が消える——その消え方を歓迎できるかどうかが、唯一の判断基準になる。

プレイヤーの声

遊び尽くせないほどのボリューム 繰り返し遊びたくなる中毒性も高い 戦略シュミレーションの代表格だけあって買って損はないだろう ただし時間が掛かるゲームなので 気軽に出来ない点が難点といえば難点
▲ recommended·played 301h
とにかくおもしろい。 時間がまじでとける。 ターン終わりまでやるかーってなって、次のターンもすぐにやりたくなってしまう。
▲ recommended·played 938h
個人的にはとても難しかったですが、 最高に楽しいターン制のストラテジーゲームです。 やってみたいけど、難しいゲームは不安だという人は、 MODも簡単に導入できるので、ズルも出来ます…!
▲ recommended·played 159h

source: steam user reviews

スクリーンショット

Sid Meier's Civilization® V screenshot 1
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Sid Meier's Civilization® V screenshot 2
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Sid Meier's Civilization® V screenshot 3
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Sid Meier's Civilization® V screenshot 4
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Sid Meier's Civilization® V screenshot 5
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